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英語を自由自在に扱えるその日まで

どんなに良質な英語を読み重ねても、やはり、自分で英語をアウトプットする経験がない限り、英語を使いこなせるようにはなりません。

英語を指導する「英語講師」として、そして、日本の魅力を海外に伝えるための「鉄道パーサー」として、私はもっと英語を自由自在に扱えるようなりたい。そう強く思います。

最近つくづく痛感するアウトプット不足。
それを補うために、最近始めたことがあります。

最近始めたこと

それは翻訳です。

鉄道の仕事をしているので、日々様々な場所を訪れます。
休憩中に街中をぶらぶらしながら、街の広報誌などが見つかるので、それをいくつか持ち帰ります。そこに書かれているのは、もちろん日本語なのですが、これを自力で英語にしていくのです。

例えば、福島県のいわき市でもらった「広報いわき」の1ページ目には、近くにある「小名浜港」について書かれていました。本文をじっくり眺めながら、英訳していきます。

「日本は、世界有数の貿易大国であり、私たちの暮らしに必要なエネルギー、資源、食料の多くを輸入に頼っています。」
→Japan is one of the largest trade countries and depends on many parts of our lives; necessary energy, resources, and food.

上記では、まず「世界有数の」という表現で頭を悩ませることになります。ここは使いやすい"one of the 複数形"を用いました。ただ"the largest trade countries"には、まだしっくりきていません。tradeに対するコロケーションがlargeで良いのかという点や、そもそもtrade countries で通じるのかという疑問が残ります。

「こうした貿易量の99%は、海上輸送によって運ばれており、港湾は、貿易の中心的な役割を担っています。」
→99 percent of this import comes to Japan on ships. So, ports play a necessary role in trade in Japan.

 「海上輸送」という語のように、日本語はやたらと漢字を使った名詞化を好む傾向があるので、まずはそこを解きほぐします。英語にしやすいように動詞化し「海で運ぶ」、さらにより具体化するために「船で運ぶ」と変換します。ただ「運ぶ」という動詞をmoveにすべきかcarryにすべきか、はたまたtransportにすべきか悩ましいところです。そこで私は「運ぶ」という過程ではなくて「やってくる」という結果に着目し、自信をもって使える"come"を採用しました。

「小名浜港の歴史は古く、江戸時代に幕府上納米の積出港として港湾の基礎が築かれ、明治時代以降は常盤炭鉱から産出される石炭の積出港として栄えました。」
→Onahama Port has a long history. This port dates back to the Edo period, when it is used so that people could bring rice to the shogunate.
After the Meiji era, this area has become known for transporting coal, which have been produced in Tokiwa, Ibaraki prefecture.

 日本語はやたらと一文を長くしたがる傾向がありますが、英語は「一意一文主義」ですから、情報を整理することから始めます。まずは、小名浜港に長い歴史があること。次に、その歴史は江戸時代にまでさかのぼれること。最後に、今となっては石炭輸送で知られているということです。それぞれを英語に変えていきます。江戸時代に行われていた上納米の説明は、関係副詞のwhenを使って表現しました。本来であれば「基礎が築かれた」などの部分も英語に落とし込むべきですが、重要なのは、自分の可能な範囲で要点を掴んで英語化することです。そのため、面倒な箇所はあえて省いて楽をしています。

まとめ

 このように、自主的な翻訳の練習を始めたはいいのですが、やはりその内容は実にハードで時間のかかる作業です。しかし、翻訳を重ねる中で、様々な発見があります。この表現は正しいのだろうかと不安になることもあれば、これは我ながらうまい表現だぞと自信が持てることもあります。また、英訳するためには、日本語の文章を詳しく読み込まなければなりません。普段何気なく使っている表現も、突き詰めて考えるよく意味を知らなかったりするものです。調べながら、何度も読み返していくうちに、日本語の文章の「わかったつもり」も解消されていいます。英語を自由自在に扱えるその日まで、引き続き勉強を重ねていきたいと思います。

それではまた👋


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