鈴木雄高の「誰なんだお前は?」~自己紹介・地域活動編②~
今から書き連ねるのは、鈴木雄高の自己紹介で、「仕事編」と「地域活動編①」に続く、「地域活動編②」です。
前回、私が関わっている地域活動、すなわち、千葉県市川市での活動として、7つを挙げました。
いちかわTMO講座
フリースタイル市川
!ka !ch!kawa(イカ市川)
ノスタルジー&ルミエール
自転車天国研究会(てんてんけん)
市川まちガチャ
市川市作家協会
7つのうち、「1」の紹介を終えたところで力を使い果たして筆を置いたので(いちかわTMO講座を受講した経緯や、それが私にもたらしたものについては「地域活動編①」に記しました)、今日は「2」から順番に、行けるところまで行こうと思います。目標は「7」まで紹介することです。
「フリースタイル市川」前史
まずは、2番目に挙げた「フリースタイル市川」の紹介をしようと思い、文章を書き始めたのですが、「フリースタイル市川」の活動開始前のエピソードを書かないわけにはいかなくなり、前段にあたるこのパートが存外長くなりそうだったので、本体から分離させて、「『フリースタイル市川』前史」というパートを設けることにしました。
2019年の話です。
今思えば、この年は、地域活動の芽が出始めた年でした。ということは、2017年から2018年にかけて、いちかわTMO講座を受講したことは、種をまいて水をやることに相当するかもしれません。あるいは、その土壌を豊かにするために必要だったのかもしれません。
いちかわTMO講座を修了したメンバーを中心に、気の合う仲間と「TMO2.0」という名のグループ(の・ようなもの)※1で、オンラインでまちづくりのアイディアを出し合ったり、真間の「アンカー市川」※2に集まり、各自がやりたいことについて、いくつもの夜を語り明かした※3のが、2019年でした。
翌2020年も、少しずつメンバーが加わって活発な意見交換をしていたのですが、新型コロナウイルスの感染症が日本でも拡大し、人と人が顔を合わせる機会は大幅に減少しました。幸いにも仲間とはオンラインでつながっていたので、コロナ禍※4に、通常営業ができなくなって苦境に立つ市川市内の飲食店さんを支援しようという、メンバーであったミカヅキデザインの佐藤さん(TMO11期)とタンポポデザインの野口(TMO12期)さんから上がった声に、みんなで即座に応答、わずか数日で――コロナ禍に何度も発出されることとなった「緊急事態宣言」が最初に出されたのと同じ、2020年4月7日に――「おいしくやくそく宣言」を世に放ったのでした。
飲食店さんと地域の人たちが同じプラットフォームで、テイクアウト対応をしているお店の情報を共有する場として、Facebookグループ「市川の飲食店テイクアウト情報」を立ち上げたり、お店の人のために、感染予防の呼びかけや、テイクアウト対応を知らせるためのポスターを制作し、簡単にダウンロードできる仕掛けを作りました。
「おいしくやくそく宣言」については、以前にフリースタイル市川のWebサイトで紹介しています。
コロナ禍に立ち上げた「フリースタイル市川」
2020年4月7日に「おいしくやくそく宣言」を出した後、TMO2.0のメンバーと、コロナ禍でもできることを考えて、色々な手を打っていました。そうこうしているうちに、メンバーの中から、
様々な特技を持つ個性的な仲間(イカした奴ら)がつながっていることで、地域に活力をもたらしうることがわかった
ついては、仮称「市川のイカした奴ら」なるチームを立ち上げてはどうか
いずれは、NPOにしてはどうだろう
というアイディアが発せられました。2020年5月に。
そして、コロナ禍で会うこともなかなかできない人もいる中、オンラインとオフライン(オフラインという語はオンラインを前提とした言い方です。では、リアルと呼ぶのはどうかという意見もありますが、そうすると、オンラインはアンリアルなのか、という疑問が別の方角から飛んできますよね。おっと、カッコ内で、ああでもなくこうでもなく※5、結論の出ない、というか、出そうとは毛頭思ってもいないような話を続けると、読者が置いてけぼりになりますよね。素直にI'mSorry※6)をうまくミックスして、熱い議論を何度も重ね、新たに立ち上げるチームで、こんなこといいな、できたらいいな※7、と、アイディアを出し合った末、団体名とミッションが決まりました。
団体名:フリースタイル市川
ミッション:ひとつひとつの想いをつないで、市川に流れをつくる
「フリースタイル市川」という名称で活動をして何年も経った今となれば、これ以外の名称は考えられないのですが、2020年6月14日に名称が決定する前に、メンバーで多数の名称案を出し、厳正な選考を行ったのです。メンバーから出された名称案は合計256!どんな案が出たのか(そして選ばれなかったのか)を知りたい人は、以下のコラムを読んでみてください。
「フリースタイル市川」の活動内容の説明は省きますが、2024年1月現在の主な事業は、「フードバンク」と「いちカイギ」で、いずれも、上記のミッションを達成するために重要な活動となっています。
ポッドキャスト番組「!ka !ch!kawa(イカ市川)」
フリースタイル市川のメンバーであり、市川市の妙典でコミュニティ・スペース兼コワーキング・プレイスの「gate.(ゲート)」を営んでいる、稲村絵美里さん※8と共に、パーソナリティを務めているポッドキャスト番組、それが、「!ka !ch!kawa(イカ市川)」です。2020年8月に放送を開始して以来、2024年1月21日現在、198回の放送を重ねてきました。
「フリースタイル市川」という名称に落ち着く前、チーム名(仮称)として「市川のイカした奴ら」を名乗っていた、と言うほどではないのですが、少なくともメンバーの野口淳さん※9のプレゼン資料では、この名称が使われており、この時に使われていた「イカ」の名残を、ポッドキャストの番組名に見ることができます。ポッドキャストの配信プラットフォームに記された番組の概要には(と書いていますが、概要を記したのは他ならぬ私です)、イカのように、否、以下のように記されています。
不遜な物言いになってしまいますが、「!ka !ch!kawa」は、市川市を代表するポッドキャスト番組――と言わざるを得ないのが現状※10――です。
市川市の小さな楽団「ノスタルジー&ルミエール」
私は、ハイスクール時代のクラスメイトと音楽グループを組んでおり、六本木や秋葉原など、主に東京都内のライヴハウスで演奏活動をしてきたのですが(今でもグループは存続しており、今年は20周年に当たります※11)、コロナ禍に直面した2020年、音楽活動を停止せざるを得ませんでした。
その2020年の12月20日、この日が記念すべき1回目だった「いちカイギ」の3つの会場のうちの1つが、2日後に正式オープンを控えていた「gate.」だったのですが※12、「いちカイギ」のスタッフだった私は、他の2会場を経て、「gate.」に到着し、3番目のゲスト・スピーカーだった「ゆずりばいちかわ」の石垣瑠美さん※13の話に耳を傾けたのでした。「いちカイギ」が終了した後、石垣さんと少し言葉を交わしたのですが、この時が多分2度目の会話で、1回目は「いちかわTMO講座」の懇親会で、挨拶をした程度だったので、初めてまともに会話をしたのが、この時でした。私は音楽を制作したりパフォームしていることを、あまり公言していませんでしたが、石垣さんは誰かから聞いていたのか、それを知っており、音楽の話題を振ってくれました。こんな風に。
「音楽やってるんですよね?」
「そうなんです。でも今はコロナ禍で活動できていなくて」
「楽器を演奏するんですか?」
「いいえ、楽器はやらないんですけど、作詞、作曲と歌をやっています。ライヴができず、つまらないので、最近は市川市にまつわるソングを色々作っていますよ」
「聴いてみたい!」
「良いですよ、デモ音源のデータを後で送りますね」
というわけで、その晩、京成線の鬼越駅と、その界隈に棲む鬼の親子をモチーフとする『鬼越ステイション』というソングのデモ音源(といっても、ICレコーダーで録音した鼻歌)のデータを石垣さんに送信したところ、翌々日くらいに、
「弾いてみました!」
というメッセージと共に、ピアノで大胆にアレンジされた『鬼越ステイション』の音源データが送られてきました。荒々しくも正確なタッチから繰り出される音色が、夕暮れ時の鬼越の街のムードや、鬼の親子の哀しみをヴィヴィッドに表現しています。こりゃすごい!そして、面白い!ワクワク!
翌2021年、正確な日付は覚えていませんが、ノスタルジー鈴木とルミエール石垣による「市川市の小さな楽団」が結成され、「ノスタルジー&ルミエール」を名乗り、曲を量産したのでした。
それ以降の活動については、いつか機会があれば記しますね。2人から始まった「ノスタルジー&ルミエール」、通称「ノスルミ」は、2022年の「いちかわミュージック・パーク」で、新メンバーのトリアエズ安藤を加えたトリオ編成で初ステージを踏み、翌2023年の同イヴェントには、4人目のメンバー、ヤムオエズ安藤も加わったカルテット編成で、その日、その会場のステージの「トリ」を飾りました。
「ノスタルジー&ルミエール」のメンバーと担当は、以下の通りです。
ノスタルジー鈴木:作詞、作曲、歌、MC
ルミエール石垣:編曲、ピアノ
トリアエズ安藤:ドラム
ヤムオエズ安藤:ギター
YouTubeチャンネルでノスルミのソングを何曲か聴くことができますよ。
その他の地域活動
本稿では、
自転車まちづくり「自転車天国研究会 a.k.a. てんてんけん」(2021年スタート)
町(まっち)んぐしてみる?「市川まちガチャ(実行委員)」(2021年に途中参加)
本の作り手と読み手をつなぐ「市川市作家協会」(2023年に参加)
についても言及したかったのですが、ここまでに4,300字以上を綴っており、想定よりも文章量が多くなってしまったので、これらの活動については、稿を改めて、気が向いたら記すことにします。
この後、注釈を掲載しますが、3,000字以上もあります。本編とほとんど変わらない分量です。注釈も、よろしければ、読んでみてください(気が向いたら)。
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執筆日 2024年1月9日~21日
公開日 2024年1月21日
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注釈を超えた SUPER POP 注釈
※「注釈を超えた SUPER POP 注釈」は、米米CLUBが1990年に発表した6枚目のアルバム『K2C』発売時に掲げられていたキャッチコピー、「BESTを超えた SUPER POP ALBUM」へのオマージュです。でも、「注釈を超えた SUPER POP 注釈」って、何なんw?
※「何なんw」は藤井風氏の『何なんw』へのオマージュ以外の何物でもありません。オマージュというか引用です。
※:トップ画像内の文字「いいだろう?ミスターマイセルフ」は、Mr.Childrenの『innocent world』内の印象的なフレイズです。その引用です。井上陽水氏が、『月刊カドカワ』で、このフレイズに関心していたことが忘れられません。
※:表題の「誰なんだお前は?」は、1990年代後半にTBSラジオで放送されていた番組『宮川賢の誰なんだお前は!?』に対するオマージュです。よくリスナーに電話をかけ、変な言葉を言わせて爆笑していましたね、宮川賢(まさる)氏は。
※1:「の・ようなもの」は、1981年に劇場公開された森田芳光監督の商業映画第一作『の・ようなもの』へのオマージュ表現です。私は2023年12月17日に池袋の新文芸坐で開催された『森田芳光70祭 2023 in 新文芸坐』で初めて観賞しました。上映前にライムスター宇多丸氏による前説があり、上映後には宇多丸氏と助監督・杉山泰一氏、デスク(!)・三沢和子氏による約1時間のトークショーがあるという贅沢な鑑賞体験でした。
※2:「アンカー市川」は、かつて市川市真間にあった、地域の人々が集まり、交流するための施設で、「みんなで作るじぶんの居場所」というコンセプトを掲げ、ゲストハウス、シェアスペース、みんなのキッチンを備えていました(2019年6月~2022年9月)。建物自体は2024年1月時点でも存在しています。
※3:「いくつもの夜を語り明かした」は、言うまでもなく、みんな大好き『浪漫飛行』の歌詞の中でも象徴的なバースです。
なお、米米CLUBの『浪漫飛行』は、今から34年前の1990年にJAL沖縄キャンペーン『夏離宮』のコマーシャルで使用されたことにより、一気に知名度を高めたわけですが、その3年前、というか、2年半前、1987年のサード・アルバム『KOMEGUNY』の3曲目に収録されて世に出ていました。米米CLUB自体がグッと認知を高めた――地上波テレビのゴールデンタイムに流れていたような番組ではやりの音楽を知るような人々に知られるようになった――のは、『KOME KOME WAR』が彼らのシングルとして初めてトップ10に入るヒットとなった1988年、と、差し当たって言っておくならば(翌1989年にもシングル『FUNK FUJIYAMA』がヒットし、同年11月には『夜のヒットスタジオ』にマンスリーゲストとして出演したことで、さらに広く知られる存在になっていきました)、トップ10ヒット・シングルを持たなかった時代のアルバム収録曲だった『浪漫飛行』は、後に「広く知られる名曲」となったのとは対照的に、「知られざる名曲」だったと言えましょう。もっとも、筒美京平氏やスージー鈴木氏のように、『KOMEGUNY』を発売直後に聴き、『浪漫飛行』の素晴らしさを感じていた人もいました。
あ、そうそう、『浪漫飛行』は、1990年にコマーシャルで流れ始めてすぐに「良い曲」として話題に上り、シングル・カットされることが発表される前に『KOMEGUNY』のセールスに火が付き、1990年の初頭、アルバム・チャートのトップ10入りを果たしたのでした。
ちなみに、冒頭の画像で私は晴雨兼用の傘をさしていますが、このアクション、『浪漫飛行』の素晴らしいリリックの中でも特に感動的なバース、「あきらめという名の傘じゃ雨はしのげない」を念頭に置いたものです。つまり、この傘の名は「あきらめ」ではないのです。
ところで、『浪漫飛行』というのは米米CLUBの曲名として知られていますが、湘南乃風の『曖歌』(2008年発売のシングル『黄金魂』収録)、Nico Touches The Walls『(My Sweet)Eden』(2008年発売のアルバム『Who are you?』収録)の歌詞にも登場します。また、1953年(昭和28年)、寺山修司氏が17歳の時に出した自選句集のタイトルも『浪漫飛行』でした。
※4:「コロナ禍」と書いて、「コロナか」と読みますが、それまで、「禍」という字は、「禍々しい(まがまがしい)」か「戦禍(せんか)」でしか目にしたことがありませんでした。
※5:「ああでもなくこうでもなく」は、かつて存在した月刊誌『広告批評』に、作家の橋本治氏が書いていた巻頭時評『ああでもなくこうでもなく』へのオマージュ表現です。「ああでもなくこうでもなく」は、単行本化されていますが、出版元のアドラ出版は、今はもうないのでしょうか。気になります。
※6:「素直にI'mSorry」は、チェッカーズが1988年に発売したシングル『素直にI'mSorry』へのオマージュ表現です。
※7:「こんなこといいな、できたらいいな」は、『ドラえもんのうた』の冒頭に置かれた有名なリリックへのオマージュ表現です。星野源さんが歌うヴァージョンを紹介しましょう。
※8:稲村絵美里さんは、「いなむらえ・みさと」さんではなく、「いなむら・えみり」さんです。下の名前で呼びかける際は、「ミサトさん」ではなく「エミリさん」でお願いします。なお、稲村さんは、株式会社スロージャーナルを経営しています。
スロージャーナルの事業内容(2024年1月現在)は、次の通りです。
コワーキングスペース・シェアスペースの経営
IT、ブランディングに関する企画・コンサルティング
イベント、セールスプロモーション等の企画・運営・管理
ウェブデザイン、グラフィックデザイン等の企画・制作
ウェブサイトの企画、制作及び運用
※9:野口淳さんは建築家で、真間に「アンカー市川」※2を立ち上げたり、妙典の「gate.」のリノベーションを手掛けたり、国府台共栄会の元・精肉店の建築をリノベーションしたり(現在は「アトリエ029」という名称のギャラリー併設のシェアハウスになっています)と、市川市内でも活躍してきました。NPOをつくろうと発案した人物でもあります。2023年4月に行われた市川市議会議員選挙に立候補して、見事当選したことも記憶に新しいですよね。政党には所属していない無所属の議員として活動中です。同じく、「無所属、新人」である、丸金ゆきこ議員、冨家薫議員とともに、3人で「チームいちかわ」という会派を結成しています(議員として活動する時は「野口じゅん」名義です。これは、作詞家・作曲家としては「草野正宗」、歌手・演奏家としては「草野マサムネ」と名乗るのと似たようなものかもしれません。もっとも、「草野正宗/草野マサムネ」に倣うのであれば、議員の際は「野口ジュン」と名乗るのが良いとも言えます。言えますが、しかし、その場合、どうしても字面から「風吹ジュン」氏を想起してしまうのがネックになりますね)。
※10:この言い回しは、ラッパーの宇多丸氏が、自身が所属するヒップホップ・グループ「RHYMESTER(ライムスター)」の説明をする際に(しばしば、冗談混じりに)発する、「日本を代表するヒップホップ・グループと言わざるを得ないのが現状」という言葉へのオマージュ表現です。
※11:今年、2024年が結成20周年のバンドには、打首獄門同好会、9mm Parabellum Bullet、UNISON SQUARE GARDENがあります。
※12:他の2か所は、「アンカー市川」※2と、シャポー市川の「むすぶば」でした。
※13:「ゆずりばいちかわ」は、石垣瑠美さんが、行徳駅前で営んでいる、学生服や学用品のリユース・ショップです。ランドセルのアップサイクルにも取り組んでいます。最近、市川市社会福祉協議会とのコラボレーションにより、新事業「いちかわ制服バンク」を開始しました。
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