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哲学

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#西田幾多郎

西田哲学と宗教3
・世界は分化・発展を繰り返し、統一状態に至ろうとする能動性をもつ
・有神論→神の人格性を肯定し、その超越性を主張
・汎神論→一切万有は神であり、神は自然であるとし、神の内在性と非人格性を主張
・西田は有神論に対しては批判的に、汎神論に対しては肯定的に述べている

西田哲学と宗教2
・自然現象の内には一種の統一力が支配していて、精神現象の内にも働いている
・この2つの統一力は互いに密接に関連している
・両者の根底にはさらに大きい統一力が存在→この根源的な統一力が神
・神とは精神と自然の根底にある統一力で、実在の根底・純粋経験の体系の統一者

西田哲学と宗教1
・宗教的要求→意識の本来あるべき統一状態に帰ろうとする意志
・一人ひとりは神の一表現であると同時に、神の発展の担い手として存在
→神もまた人間の経験を吸収し、それを通して自らの経験知を上げている
・無私に近づけば近づくほど、深くものを知り、かつ愛することができる

西田幾多郎の純粋経験(3)
・色を見たり、音を聞く瞬間にはただ色が見え、音が聞こえる事実だけが存在している
・まだこれが外界の作用であると主観的に考えていない
・知覚しているのは自分だとも考えず、何色だとかも判断しない
・与えられた経験に理性的思考を加える前の状態を純粋経験という

西田幾多郎の純粋経験(2)
・ただ、赤子の未意識的な統一状態もあれば、芸術・宗教的直観のような超意識的な統一状態もある
・人は大なり小なり、経験そのものを素直に受け止めず、自分の思想を交えて起きた事実のあり方を歪めている
・そこで西田は素の経験を純粋経験と呼んで解明しようとした

西田幾多郎の純粋経験(1)
・純粋経験とは普通の経験と違い、自分の分析や解釈の加わっていない原初的な経験で、まだ主観と客観に分かれていない意識の統一的状態を指す
・事実を事実としてそのまま受け取ることであり、事実を自分の都合で意味づけしようとしないでありのままに知る経験といえる