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「ちょっとコーヒーいかない?」VOL.1 〜3ヶ月前に私の会社にやってきた公認会計士、秋永信〜

私が代表を務める会社、M&Aコンサルティングが入居しているオフィスの3階にはコーヒーなどのドリンクバーがある。私は、出社しているメンバーには「ちょっとコーヒーいかない?」と声をかけ、積極的にコミュニケーションを取るようにしている。今日は、今年の4月に入社した公認会計士の秋永を、コーヒーに誘ってみた。

土橋:この前の北海道は大変だったね(笑)

秋永:まさか北海道に行って初対面のアポをドタキャンされるとは思いませんでした(笑)

土橋:あの時、俺に電話をくれた秋永は、ぶっちゃけ、怒ってたよね!

秋永:待ち合わせ場所になかなか来ないなぁと思って何度か先方に電話して、やっとつながった電話で「急に入院したから行けない」と言われ。あれは想定外で、本当にショックでした。帰りの飛行機のチケットも用意してある中で、変更もできないから帰ることもできず、一体どうしたらいいんだろうと途方に暮れて土橋さんに電話しました。最初は戸惑いとショックが大きかったんですが、だんだんと腹が立ってきて。あの時、土橋さんが全く僕を責めず、「うまい鮨でも食べてきな」と笑ってくれて、本当にやさしいなぁ、温かいなと思ったし、救われました。

土橋:出張先のドタキャンはちょっと、レベル高いよね(笑)

秋永:もしかしたら、「なぜ前日や当日に確認をとらなかったのか」などグリップ力の無さを責められるかもしれないと思っていました。

土橋:だって、仕方なくない? 結構遠距離ですぐ戻ることもできないわけだし、かわいそうだったよ。

秋永:それでも私は、その時まだ望みを捨てていなかったので、今後のためにと、相手方の経営されているお店で食事して飲んで帰ってきました(笑)

土橋:律儀だね(笑) ドタキャンなんて、今までの仕事では絶対にないようなことだったでしょ。

秋永:そうですね(笑) 正直、まさか現場に行っても来てもらえないでドタキャンになるというケースは、あると思っていませんでした。

土橋:うちに来る前は、確か日本政策金融公庫だったよね?

秋永:そうですね。公庫に6年いて、そのときに公認会計士の資格を取ったので、そのあとに有限責任監査法人トーマツで4年間働いていました。

土橋:経歴からすると、堅い印象(笑) よくM&Aをやろうと思ったね(笑)

秋永:監査法人で仕事をする中で、これを生業として一生暮らしていくと考えたときに、今一つ熱が入り切らない感じがありました。もっと楽しいことというか、面白味を感じられることを仕事にしたいという気持ちがわいてきて、転職を考えました。M&Aには監査の立場で携わっていたころから興味がありました。中小企業向け法人営業をしていたこともあるので、今までの自分のバックグラウンドが活かせると感じ、この世界に飛び込みました。

土橋:なるほど。M&Aの会社はたくさんあるけど、なんでうちに決めたの?

秋永:最初にお話しさせていただいたのが弊社でした。その時もう、他で話を聞く必要もないかなと思うくらい、心を奪われたんです。これはフィーリングというのもあるんですけど、土橋さんが言っていた「一気通貫」という言葉に強く惹かれたんです。M&A仲介は、売り手と買い手、双方の利害関係を調整する仕事なので、介在者が多いと話にずれが生じやすくなると思います。その点、うちの会社は一人で責任をもってやり切ることができるので大きな魅力を感じました。また、経営陣との距離が近い環境にも惹かれましたね。

土橋:前職ではそういうわけにはいかなかったのか。

秋永:そうですね。ひとチーム40人くらいの大規模チームでやらせていただいていて、パートナーなどのトップマネジメント層の方とは皆さんフレンドリーで話しやすい雰囲気ではあったものの、どうしても普段の仕事のやり取りの中で頻繁に接することもなかったので、「トップマネジメントの方はどんな感覚・視野でものを見ているのかな」といったことを近くで学ぶような機会は限られていたかと思います。

土橋:実際入社してみてどう?

秋永:気軽に相談できる垣根のない環境でとても良いなと思っています。もちろん大変なこともあるんですが。

土橋:例えば?

秋永:今までゼロから自分で電話して営業ってしたことがなかったんです。慣れていないのではじめは苦労しました。あとは個人プレーの業界なので、自分次第でさぼろうと思えばさぼれてしまうし、自分をいかに律するのかというのも課題だなと思っていました。ただ今のところ、動物病院を担当するチームに入っているので、個人プレーながらも拠り所があり、助かっています。やはり自分のためだけではなく、チームのため、という方が張り合いがあるというか、モチベーションにつながります。

土橋:休みの日は何してるの?

秋永:土日は5歳の娘がいるので、どちらか一日は子供と過ごす日になりますが、もう一日は一人の時間を作るようにしています。クロスバイク(自転車)に乗って川沿いを走ったり、読書をしたり。意識しているのは、なるべく一人でスマホを見ずに、ボーっと自分を休ませる時間を作ることです。

土橋:デジタルデトックス?

秋永:そうですね。心を一旦平静にする、あるべき状態に戻す、ということを大事にしています。心が疲れていると行動もゆがんでいってしまうような気がしていて。休みの日に整えないと、仕事のパフォーマンスにも影響すると思うので。

土橋:わかる。休日のルーティンってあるよね。俺もあるよ。例えば靴を磨くとか、部屋を掃除するとか、生活の、普段行き届かないところをちゃんとやるようにしていて。いかにオフの時間に自分を整えて、オンの時間のパフォーマンスを上げるのかって、結構考えてやっているよ。音楽もね、普段雑音ばかり聞いて生活しているから、オフの時間にはオーケストラとか、自分の好きな坂本龍一の音楽とか、質のいいものを聴くようにしている。秋永のデジタルデトックスに似ているかな。サウナもそうだけど、頭と体を整えるリフレッシュ方法を自分なりに見つけて、上手く取り入れていくのは大事だね。

秋永:休日の過ごし方が仕事にも影響するというのはすごく理解できます。

土橋:メンタルというか、気持ちを整えるためには、フィジカルな部分も結構大事だったりするしね。そういう意味で筋トレも重視している。ジムに行けなくても自宅でやっているよ。バランスを取りながらオンオフどちらも充実させていけるといいね。
ちなみに本はどんなものを読むの?

秋永:同じものを何度も何度も読むのが好きで、「道は開ける」というカーネギーの本を繰り返し読んでいます。厚くて読み応えのある一冊です。悩んだ時にこの本を開くと、気持ちが楽になるというか、道が開ける気がして何度も読んでいます。私にとっては、心をあるべきところにもどす矯正のような効果がある本です。

土橋:そういう一冊があるっていいね。またお勧めの本、他にもあれば教えてね。

秋永は異業種からの転職だったにもかかわらず、既に会社の売却を検討しているお客様から仲介を委託されており、実績を積みつつある。今後が非常に楽しみだ。また今回秋永と話していて、自分の直感や感性を信じるようなところがあることを知った。ただ真面目で実直というだけではない秋永の別の一面も見ることができ、面白味を感じた。気の置けない会話には、意外な気付きのチャンスがある。また別の社員との会話も、時々ここで紹介していこうと思う。

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