レヴィ=ストロースが見た「社会のささやかな連帯が生まれる瞬間」
このnoteは、僕の著書『世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学』に入れられなかった文章や、関連する考察を中心に更新しています。記事を気に入って下さったら、書籍もお読みいただけるととてもうれしく思います。
文化人類学者・哲学者のクロード・レヴィ=ストロースは主著『親族の基本構造』の中で、フランスのこんな風景を取り上げています。
ワインを注ぎ合う南フランスの、決して高級ではない大衆食堂。この店では、ワインの料金があらかじめ食事代に含まれており、客一人に