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群像にエッセイを寄稿しました(全文公開)
「群像」2020年11月号(2020年10月7日発売)に掲載された「天文学的比喩としての他者」の全文です。ご許可をいただいたので、note上に公開いたします。
天文学的比喩としての他者
光の速度が有限であると科学的に認められたのはいつだろうか? よくよく考えてみると、ここには途方もないものが潜んでいる。光というあまりにも速すぎる対象をどのように測定したのだろうか? それまで無限であるとされて
レヴィ=ストロースが見た「社会のささやかな連帯が生まれる瞬間」
このnoteは、僕の著書『世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学』に入れられなかった文章や、関連する考察を中心に更新しています。記事を気に入って下さったら、書籍もお読みいただけるととてもうれしく思います。
文化人類学者・哲学者のクロード・レヴィ=ストロースは主著『親族の基本構造』の中で、フランスのこんな風景を取り上げています。
ワインを注ぎ合う南フランスの、決して高級では
トイレットペーパー騒動と「贈与」の話
なぜ僕らは「贈与」について考えるべきなのでしょうか。なぜ、お金で買えないもの、見返りを求めず何かを差し出すという「贈与」が、僕らに必要なのでしょうか。
この問いに答えるために、この記事では最近注目を集めた1つのツイートを題材に、「贈与の構造」を考えてみたいと思います。
しほの@婚活アカ | @shihon029
先程本当にトイレットペーパーが家に無くなり、ドラッグストアで辛うじて最後の1つをG
「別の見方」へ誘うこと‐‐『世界は贈与でできている』刊行によせて
初めまして。近内悠太です。先週、『世界は贈与でできている:資本主義の「すきま」を埋める倫理学』という本を上梓しました。
僕は、大学の学部では数学を、大学院では哲学を学びました。数学と哲学を学んだ人間がなぜ、「贈与」(=お金で買えないもの、見返りを求めず何かを差し出すという行為)についての本を書いたのか、不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。自己紹介も兼ねて、そのあたりを書いてみますね。