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健康運動自然知性

不思議な夢を見た。


屋根裏のような場所にいるようだ。そこからはガラス窓を通して下の部屋が見える。下の部屋は板張りのクラシックな雰囲気の作りになっていて、本がぎっしりと、しかし整然と詰められた本棚と、派手さはないがしっかりとした作りのL字型のソファ、そして観葉植物が置かれている。

そこはどうやら両親が所有している別荘のようなものだったらしい。私はふたりがそんなものを持っているなんて全く知らなかったし、そもそも我が家にそんな経済的な余裕があるなんて思ってもみなかった。

次のシーンで私はその別荘の中にいる。屋根裏から見下ろすよりも中はずっと大きい。書斎に入ると父が壁際に置かれている机に向かって何か作業をしている。こちらに向いた時に見えた顔がひどく疲れている。何かに絶望しているのかもしれない。

その別荘には4つのトイレがあり、それぞれ、赤、青、緑、黄色の装飾が施されているとのこと。少し迷って私は赤いトイレを選ぶ。中は全体が白地で、そこに筆で描かれたような赤い植物紋様が施されている。もしかしたら全て手描きなのかもしれない。それはどことなく南イタリアっぽい雰囲気がある。

トイレから外を見ると広い牧草地帯になっている。よく晴れた穏やかな日で、トイレの中はとても明るい。私は座ったまま、ぼんやりと、今自分がどこにいるのかについて考えている。


現実世界ではもちろん別荘なんて持っていない。生まれてから実家を出るまで公団以外の場所に住んだことはなかったほどだ。「実は自分の家が金持ちだった」という想像すらしたこともないし、こんな夢を見るのもはじめてのことだった。

そして、もうひとつ特筆すべきは、父が夢の中に登場した、ということだ。母が夢に出てくることは何度もあったが、父の登場は記憶にはほとんどない。


先日、お盆前の駆け込みで館山の海に行った。昔から好きで何度か訪れている場所だった。

ゴーグルをつけて海に潜ると大小様々な魚に出会うことができた。以前に比べると魚種はその豊かさを少しだけ失ったようにも思えたが、それでも東京から車で1時間半ほど走らせた場所であることを考えると、しっかりと自然が守られているといっていいだろう。

海の中で私は、これ以上ない幸せを感じていた。人の少ない綺麗な海に潜り、魚を見ながらのんびり過ごすのが、私にとっては至福の時だった。リゾート地、高級ホテル、ダイビング、マリンスポーツ、などなど、そういったものには特に興味がないのだ。もちろん、別荘にも。


最近になって、私自身の幸福のあり方についての認識が深まったように思う。それにはどうやら健康、運動、自然、知性の4つが揃うことが重要であるようだ。それぞれについて説明していると長くなるので割愛するが、なんとなくの雰囲気は理解していただけるだろうか。

贅沢はさして重要な要素ではない。少し前はラグジュアリーな物事に興味関心があったし、今でもそれがないわけではないが、こと「幸福」となると途端にプライオリティが下がる。食に対しての優先順位が相対的に低いのもそこに関係しているように思う。

ちなみに、「香り」は私の中では「知性」に地位づけられている。私が思う「いい香り」というのは、知的好奇心を満たしてくれるものなのだ。


冒頭の夢の中で、私が家族の資産を知って特段喜ばなかったことに、あるいは上記の幸福の基準が象徴されていたのかもしれない。父が絶望していたのも、それに関連があるのだろうか。


ただし、夢の中でひとつだけ羨ましいと感じたものがある。

それは、本がぎっしりと詰まった本棚だ。その本棚は知的な雰囲気をしっかりとたたえていた。選書もきっといいはず。あれだけは、現実世界に持って帰りたかった、と思わずにはいられないのだ。


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