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誰も救えないという現実

誰も救えないという現実


今の業界にいて思うことは

「人を救う」

という大義名分が

「医療業界を正当化するための建前」

になっていることをこの10年で思いました。

それは

以前の私が柔道整復師になって

「人を救おう」

「人に貢献しよう」

と「おこがましくも」思っていたからです。


医療者側には救う気もなく

患者側には治す気もなく

全ては医療者側の金のタネにしかなっておらず

患者側は助けて欲しいという欲望と願望がマッチして

両者共々がこの「共依存」した社会状況を作っていること

を実感しました。

なぜなら

医療費だけが際限なく上がり続けて

医療者はどうやったら患者を依存させるか?

患者側は依存先をコロコロ変えているだけだからです。

整骨院を始めた頃はどうやって依存させればいいか?

を考えて金を得ていたのです。


「食生活と身体の退化」

という1938年に発表されたプライス博士の本に

文明化された食を食べ続けていると

カラダとココロが退化することが明確になりました。

それは

便利な社会になればなるほど人の心は退化する

効率化されすぎていくと人の心は退化する

ということだと思います。


人の本質とは

「自己正当化」

「自己保身」

「被害者のふりをした加害者意識」

だと思います。

そんな人が溢れている世の中では

誰も救うことができませんし

救いようのない社会だと思います。

だから

誰も救えませんし誰も救う必要もありません。


人を救おうとするとすればするほど

人の心は「不純」になります。

そして

「大義名分」「建前」

という「魔薬」に取り憑かれます。

そんな社会だからこそ

私ができることは

患者さんの合わせ鏡となって

その人の心の闇を映し出すことだと思います。


この世界が変わることができるとしたら

医療業界が変わることができるとしたら

一度この救いのない世界を

とことん味合わないと気づくことができないのかもしれない

と思います。


【大森裕介】

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