1980年代からの営業の歴史を振り返ったら「BtoBサイト」にたどり着いた話
こんにちは。株式会社ベーシックの川鍋です。
現在「ferret One」というBtoBマーケター向けCMSのマーケティング責任者をしています。
前回は、SaaS事業についてnoteを書いたのですが、今回は営業の歴史について書いてみたいと思います。
なぜ営業の歴史について書くのか?
先日PRESIDENT Onlineでこんな記事をみました。
この15年で営業に携わる人材が130万人減ったそうです。
私のキャリアのスタートは営業で、新卒で入社した会社で採用広告の営業を3年半程やっていました。
当時はまだノートPCもなく、手帳とボールペンを愛用し、日中は飛び込み営業含めとにかく顧客を訪問。日が暮れたら会社に戻って提案書作成や求人原稿を作成する、といったことをやっていました。
当時から「こういう営業のスタイルは減っていくんだろう」とはなんとなく感じていましたが、130万人も減っているという事実をみると少し考えるものがあります。
BtoBマーケティングをやっている身としても「セールスのあり方」については見過ごせない変化がおこっていると感じます。そこで、「これまでの営業の変遷」を振り返りながら、BtoBマーケティングにおける変化についても考えてみたいと思います。
※ちなみに決してセールスのプロフェッショナルではないので、時代認識などおかしな点があるかもしれませんが、一見解としてご理解ください。
営業手法の変遷
まずは営業手法の変遷から振り返ってみたいと思います。
大きく分けて、以下の4つの年代に分けて捉えられるのではないかと思います。
〜1980年代 足で稼ぐ
1990年代 インターネットが普及し始める
2000年代 CRMの登場によりデータベースの利用が開始される
2010年代 MAの普及によりリードナーチャリングが可能になる
それぞれどんな時代か見ていきましょう。
〜1980年代 足で稼ぐ
1980年代までは、ホームページ や電子メールがまだなかった時代です。
企業と顧客との接触方法は、もっぱら「直接会うこと」。
営業は、とにかく出向いていって人に会うことをしないと情報を集めることができませんでした。また顧客側も、商品に関する情報を集めるためには営業マンを呼ぶしかありませんでした。
※今でも業界やサービスによっては、この営業スタイルは多いですし、決してそれを否定するものではありません。
1990年代 インターネットが普及し始める
1990年代に入ると、データベースやインターネットの技術が発達。これまで物理的な限界があった「顧客との接点」が、急激に拡大した時期です。
「人に出会わなければ手に入らなかった情報」が、ITを利用すれば簡単に手に入るようになりました。
自社の商品・サービスに興味を持っている顧客を見定めてから出向くことができるようになり、営業のやり方が効率化されてきました。
2000年代 CRMの登場によりデータベースの利用が開始される
1990年代に米国で誕生した顧客情報を一元管理するシステム「CRM」(Customer Relationship Management)が日本で普及し始めるのが2000年代です。CRMの誕生によって、アプローチ中の顧客や、これからアプローチすべき顧客をデータベース化できるようになりました。
またCRMとあわせて、営業案件の進捗管理、業績見通しを正確に予測するために誕生したSFA(Sales Force Automation)が普及し始めたのも2000年代になってからです。
2010年代〜 MAの普及によりリードナーチャリングが可能になる
2010年代になると、獲得したリードに対してそれぞれ個別に最適なメールや情報を届けることができるMA(Marketing Automation)ツールが普及してきます。
MAツールの登場により、これまで営業マンが行なっていた追客についてもかなりの割合でIT化することができるようになってきたように思います。
こうして振り返って見ると、インターネットの普及とテクノロジー(ITツール)の誕生・普及によって、営業マンがこれまで行なっていた
・情報提供
・顧客情報の管理
・タイミングを逃さないための追客
については大幅に効率化することができるようになってきたことが改めて分かります。
では次に「営業を受ける側の、情報収集方法の変化」について考えてみたいと思います。
インターネットが発展する前は、営業が持参する提案資料が主たる情報源でした。しかし今は、企業Webサイトの役割が大きくなってきています。
企業担当者の情報収集の手段の変化
日本におけるインターネットの歴史を少し振り返ってみましょう。
1992年 日本最初のホームページができる ※意外と最近ですね
1995年 インターネットを利用する企業は11.7%
それらの中でホームページによる情報提供を行う企業は24.0%
マイクロソフトが「Windows 95」を日本で発売
1996年 企業のインターネット利用率が50.4%に急上昇
ホームページによる情報提供を行っている企業も39.6%に上昇
2000年代 企業のインターネット利用率は100%近くなる
2005年 ホームページ開設率が85.6%に
2000年代には、企業のインターネット利用率は100%近くなり、2005年の時点では既にホームページ開設率が85%を越えるようになっていたようです。
商品・サービスについての情報が、インターネットを通して誰にもオープンになることで、企業から顧客への情報の届けやすさは格段にアップしてきたことがわかります。
Webサイトは「営業資料」になった
少し乱暴かもしれませんが、1980年代から2010年代にかけて「営業が来たから買う」という時代から、「顧客自身が、求めるものを探して買いに行く」時代になったと言えると思います。
それに伴い、企業のWebサイトの重要性はますます増加しています。
株式会社トライベック・ブランド戦略研究所が実施している「BtoBサイト調査」をご紹介します。
仕事上の製品・サービスの情報源が「企業のWebサイト」であると回答した割合
2018年(BtoBサイト調査 2019) 64.8%
2017年(BtoBサイト調査 2018) 64.8%
2016年(BtoBサイト調査 2017) 49.6%
2015年(BtoBサイト調査 2016) 51.3%
※ 株式会社トライベック・ブランド戦略研究所 「BtoBサイト調査」より
上記の調査の結果によると、製品・サービスの購入のために最もよく参考にする情報源は企業Webサイトであり、他の情報源を大きく上回っています。
つまり、企業としては
・顧客が求めているコンテンツを用意し、発信すること
・コンテンツを見てもらって、自社に導入を検討してもらえること
が重要になってきています。
顧客が自ら情報を探して買いに来る現代においては、Webサイトは、ひとつの「営業資料」になっていると言えるのではないでしょうか。
「営業資料」は更新されるのに、なぜWebサイトはそのままなのか
時代の変化と共にWebサイトの重要性が高まり、顧客のニーズに合わせてコンテンツを更新していくことが重要であるにも関わらず、企業においてWebサイトをエンジニア以外がいじれないことがまだまだ多いのも事実です。
AIやロボットの登場によって様々な作業が自動化され、人が行わなければならない作業が日々減っているのにも関わらずです。
私はこれを勝手に「2019年問題(※)」と呼んでいます。
※2019年問題とは
2019年にもなってエンジニアじゃないとサイトの更新ができない問題のこと
(造語です。笑)
特にエンタープライズ向け以外の製品についてはサービスサイトのコンテンツの更新が重要ですが、ほとんどの企業でサービスの顔とも言えるサービスサイトは外部の制作会社へ委託されているのが現状です。
更にこの問題は、サービス提供側にとってデメリットであることに加えて、情報を探しているサービス検討者(ユーザー)にとっても
・知りたいと思っている製品の最新の情報がわからない
・サービス本来の価値が理解できずに、導入機会を逃してしまう
といったデメリットも引き起こしてしまっています。
BtoBサイトも自分たちでタイムリーに更新できる時代へ
ここで少しだけ宣伝になりますが、弊社では「ferret One」というBtoBサービスのためのマーケティング機能付きCMSツールを提供しています。
エンジニアに毎回頼ることなく、自分たちでサイトやLPの運用更新ができることが特徴です。
まさに前述した「2019年問題」を解決するサービスです。
これから訪れるであろう(もしくは既に訪れつつある)「BtoBサイトを自社で運用更新してサイトパフォーマンスを改善する時代」に向けて1社でも多くの企業様の課題をこれからも解決していきたいと考えています。
※もし弊社のサービスにご興味持って頂けましたら、先日LIGさんに取材頂いた記事が公開されていますのでぜひご覧になってみてください。
おわりに
今回は、営業の歴史を振り返りながら、BtoBサイトの重要性について感じたことを書いてみました。
次回は、今回の話を踏まえてBtoBサービスの営業マンに求められるスキルセットについても考察してみたいと思います。
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