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第12回:たった一人を熱狂させる/個人と組織

こんにちは、株式会社TO YOUの岩下です。

第1回から第4回で「たった一人を熱狂させる」という弊社コンセプトと渋谷・神泉で営業しているセレクトショップR for Dにどう落とし込んでいったのか、という全体像をお話してきました。

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)

第5回目では私の自己紹介もしましたので、第6回以降はもう少しディテールに注目してミクロに切り分けたテーマを取り扱っていきたいと思います。
テーマ設定は気まぐれです。

せっかくなので続けたいなと思っていますが、どこまで持つのか。
毎日1つ文章を書くことを続けるというのは結構大変なことなのだと毎日感じます。でもやっぱり反応をいただけると頑張れる気がするので、ぜひスキやフォローなどお願いします。

第12回のテーマは「個人と組織」です。

だんだんテーマを見つけるのが辛くなってきたので、過去のnoteを読み返してキーワードを探したりしています。
今日は第1回で二項対立の例としてあげた個人と組織をテーマとして取り上げてみようと思います。ちょっと堅い感じになりそうです。

組織論は好きで、ティール組織(フレデリック・ラルー著)やWORK RULES!(グーグル人事担当上級副社長 ラズロ・ボック著)のような比較的新しい著作も読みますが(リンモチ麻野さんのTHE TEAMはまだ読んでいない)、やや古典の域に入っている取引コスト理論というのを紹介します。

取引コスト理論自体の概要についてはサクッとWikipediaから抜粋してしまいますが(ゼミの教授に怒られるやつ)、

経済学とその関連した学問分野において、取引コスト(とりひきこすと、英: transaction cost)とは経済取引を行うときに発生するコストである。例えば、株の売買をする時に大抵の人はブローカーに仲介手数料を払わなければならない。この仲介手数料が株取引の取引コストである。
また店でバナナを買うとしよう。バナナを買うのに必要なコストは、バナナの価格だけではない。沢山あるバナナの種類の中から自分の好きなバナナを見つけ、何処で、いくらでバナナを買うべきかを調べる労力、そして自宅から店までの往復の交通費、支払いまでの列の待ち時間や、支払い自体にかかる労力など様々なコストが必要なのだ。バナナ自体の購入にかかった価格以外のコストが取引コストである。
将来関わる可能性のある取引を合理的に評価する際には、影響力の大きそうな取引コストを考慮することは重要である。
多くの種類の取引コストが、それぞれの特有の名前で知られている。
「探索コスト」は意思決定に生じるコストである。求めている財が市場で手に入るかであるとか、誰が最も安く売ってくれるかという情報を収集するコストである。
「交渉コスト」は、他の人々との取引で双方が受け入れ可能な同意に達するのに必要なコストだ。適切な契約を締結するのに必要なコストである。ゲーム理論 ではチキンゲーム の実例として分析される。
「監督と強制のコスト」 は他の人々に契約の条項を確実に遵守させるためのコストだ。そして、もし契約が守られなかった場合に(たいてい法的システムを通じて)採られる適切な行動に必要なコストである。

要するに、ものを購入したり、サービスを受けるためにはそれ自体の費用以外に付随してかかる費用があります。それが取引コストと呼ばれるものです。

この取引コスト理論では、組織の存在意義は、取引コストの節約にあります。

例えば雇用関係がある時、雇用主であるあなたが社員のピーターに「ちょっとこの書類スキャンしてPDFにしてくれない?」と頼めば、「わかりました」となるのは比較的簡単です。ピーターが多忙で機嫌が悪ければちょっと嫌な顔はされるかもしれませんが、断られることはほとんどないでしょう。

それでは同じことを雇用関係にない、偶然道で見かけたリンに頼んだらどうでしょうか。リンはまず立ち止まって話を聞いてくれるかどうかもわかりませんし、ちょうど時間があるとしても、仲の良い友だちでもなければ無料ではやってくれないでしょう。サービスの対価はいくらが妥当でしょうか。それにもしかしたらリンはあなたの会社のライバル会社に通じているかもしれません。書類に書いてある情報は漏洩しないでしょうか。

このような心配を解消するには契約をして、条件や報酬をしっかりと合意する必要があります。しかし、そんなことをあらゆるタスクについて都度やっていたら、いつまでたっても仕事が進まないのは明白です。

その点、雇用関係がある場合は包括的に契約がなされているので、複数のタスクを依頼したとしても契約は一回で済みます。

これならサクサク仕事が進みそうです。というのが組織論として考えるときに取引コストが節約されている、ということの意味合いです。

古典的でアカデミックで夢がない話ではあるのですが、これが組織をつくることが合理的であることの本質的な根拠だと考えています。このポイントを抑えてこそ、モチベーションがどうとか、シナジーがどうとか、人事制度がどうとかという応用的な話を的外れにしないで企画、実行できるのではないかと思います。

視点を変えてみましょう。

強いチームはどんなチームだろうか。と考えてみたことはありますか。

私が一番しっくりくるのはワンピースの麦わらの一味です。Netflixに最近アニメの第21シーズンが追加されたのでせっせと観てしまいました、魚人島編。次からやっと新世界に入ります。

ポイントは2つ。

◼️少数精鋭
◼️個人のキャラがたっている

◼️少数精鋭
これからの会社組織は従来に比べてコンパクトになっていくことはもう避けられません。人海戦術でやっていた仕事がどんどん効率化・自動化されていくからです。大企業の代表例メガバンクでさえリストラに踏み切っています。そうすると自然と残るのは人海戦術以外の仕事で成果をもたらす精鋭ということになります。またgoogleやapple、amazonと言えど、数万、数十万の組織になれば全員を漫画の主要登場人物クラスの個人で固めることはできないでしょう。

裏を返せばクラウドサービス中心にサポート環境は充実してきており、私たち株式会社TO YOUのような小さな会社でもアウトソーシングやチームビルディング次第では、十分大きな仕事をするチャンスがあるということでもあります。何を自分たちで時間をかけてやって、何をやらないのか。その選択が企業としての価値を高めるのかどうかに繋がっていきます。

◼️個人のキャラがたっている
多様性です。船長、剣士、メカニック、航海士、料理人、医者、船大工、考古学者、音楽家。。。各々が航海に必要な専門分野を持ち、それでいながら帆を張ったり、床掃除したり、交代で見張りをしたりと航海を続ける上でチームとして必要な雑用ともいえそうな仕事も分担しています。
現実に戻ってみると、根っからのサラリーマンはサラリーマンに向いてないのでは、ということを考えたりします。個人事業主が集まって組織になるから強いのです。それがALWAYS3丁目の夕日的な高度経済成長の時代と今との目立たないけれど重要な違いなのではないかと思っています。自営業が身に沁みている個人が集まって、ある意味全部ができる人があえて部分を担うから全体として大きな力が発揮されるのであって、最初からサラリーマンになりたい個人がいくら集まっても強い組織にはならないのではないでしょうか。

改めて麦わらの一味的なチームは強いなぁと思います。普段はそれぞれやりたい放題でもやるときはバシッとやる。みんな自分の考えを持っていて判断力があり、ときに衝突するけれど、最終的には船長が決め、一致団結できる。成熟した個人が集まったチームのお手本のようです。ルフィのすごいのは、「俺に任せろ」も「お前に任せた」もどっちも言い切れるところ。そんな人はなかなか現実にはいません。

漫画ってキャラを創造できるので、漫画のキャラとして選ばれるって現実よりよほどシビアかもしれません。ということは参考になりますね。

あと余談ですが、まだ能力や経験でチームの役に立てること少ないなと思うなら、雑用って言われちゃう仕事をしてもらえるのがチームとしては一番ありがたいというのは真理な気がします。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

株式会社TO YOUでは、それぞれの「たった一人を熱狂させる」を実現したいビジネスパートナーを募集しています。
ファッション業界でも、そうでなくても、どちらでも大丈夫です。
私たちはより多くの人が熱狂を形にできる社会がいい社会であると考えています。

あなたの熱狂を私たちに教えてください。そして一緒に実行しましょう。
反対の場合もあるかもしれません。
ビジネスのバックグラウンドがあるあなたであれば、そこでどんな熱狂を起こせるのか、私たちにも一緒に考えさせてください。

ご興味をお持ちいただけたら、Twitterのフォロー、DMやメールでのご連絡もお気軽にお願いします。

Twitter: @Iwashitayusuke

Mail: iwashita@deedfashion.com

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)






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