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第1回:たった一人を熱狂させる

初めまして、株式会社TO YOUの岩下です。

ちょっと出遅れた感も否めませんが、noteを始めることにしました。

株式会社TO YOUは、「たった一人を熱狂させる」をコンセプトに、渋谷・神泉で最旬の国内デザイナーズブランドを中心に取り扱うセレクトショップR for DやファッションメディアDEED FASHIONを運営しています。

ゆるっと脱力感漂うTO YOUという会社名には、一直線に「あなた」を熱狂させるんだという思いのほか熱量高めのメッセージが込められています。

「たった一人を熱狂させる」
「たった一人を熱狂させる」
「たった一人を熱狂させる」

覚えていただけたでしょうか。

全4回でなんとかまとまりそうなので、今回は「たった一人を熱狂させる」というコンセプトについて、個人的な思いを含めてお話しできればと思っています。
次からの3回では実際にセレクトショップR for Dをスタートさせて熱狂を具体化するためのしくみを書いています。

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)

「冷静と情熱のあいだ」という映画をご存知でしょうか。

辻仁成と江國香織による恋愛小説を原作とする、フィレンツェと東京を舞台に竹之内豊が演ずる順正(じゅんせい)のダメ男ぶりがたまらない、2001年に公開された大作映画です。ここ1年でもNetflixで3回は観ました。おすすめです。

熱狂について話そうというとき、個人的に一番しっくりくるのは「冷静と情熱のあいだ」というフレーズです。
映画のロマンチックさとはかけ離れたイメージで使っているのが恐縮ですが、大学生の頃の私が自分の成長について目標を定めようというときに思い至った言葉でした。

直感と論理、感覚と思考、理論と実践、基礎と応用、計画と実行、右脳と左脳、過去と未来、経緯と結果、個人と組織。
そういった二項対立しがちな概念を両立させる力が欲しいと思いました。
ドイツ人哲学者のヘーゲルが弁証法の中で提唱したアウフヘーベン(止揚)を起こしたいと思いました。
今の時代でいえば、イノベーションという概念と近いかもしれません。
当たり前じゃないことを当たり前にしたかったのです。

私は天邪鬼な子どもで二項対立とか善悪二元論が生まれつき嫌いだったようで、仮面ライダーやウルトラマンどころかアンパンマンでさえ好きになれませんでした。いつもアンパンマンが正義でバイキンマンが悪なのが腑に落ちなかったのです。
その点でポケモンは偉大です。戦った相手が仲間になっていくのですから。

私の世界観では、こういった二項対立の概念はグラデーションに近いもので、ハイブリッドな感覚です。
悪は100%悪ではないし、逆もまた然り。
直感も論理も両方大切にしたいし、過去を尊重することも過去にとらわれないこともどちらもできるようになりたい。
数学をやっているときには、最も美しい証明プロセスで結論を導きたい。

要は欲張りで小難しいのが私だと思います。

こういったことをまとめて表現するときに一言で言うとしたら「冷静と情熱のあいだ」だなと思いました。

冷静と情熱のあいだを右往左往して、熱くてかつ冷たい存在になろうと。
誰よりも熱くてかつ誰よりも冷たい存在になろうと。
冷静と情熱を同居させて、ぬるくないハッピーエンドを描きたかったのです。

それは非常に抽象的ながら私の人生の目標となりました。
そんなことを考えた大学生時代から10年以上たった今でも、この目標は変わらず私の中に掲げられています。

コンピューターが信じられないくらいの進化をみせ、大衆はどこかに消えさり、個人の集合として社会は認識される。
好きかどうか、わくわくするか、という判断基準がこれまで以上に重要となるでしょう。論理的なだけではコンピューターに勝てないし、画一的なメッセージで個人の心を動かすことは難しくなってきています。いよいよこれから人間は何をすれば良いのだろうと漠然と社会が危機感を抱いている今、この目標は時代にも合ってきているなと感じています。

だから共同創業者で弊社代表取締役でもある近藤が打ち出した「たった一人を熱狂させる」というコンセプトに私は共感しました。
逆説的ながら、たった一人の熱狂こそが社会に伝播して新たな時代のうねりを生み出すのではないでしょうか。
そうだとしたら、熱狂の存在とそれをスムーズに伝播するメディア(媒体)を冷静にデザインし、実行していくことが今もっとも求められていることなのではないかと考えています。

ちょっと間抜けで、でも印象的なのは、私が「たった一人を熱狂させる」というコンセプトの存在を知ったのはR for Dがオープンしてからだったことです。
プロジェクトとしてチームで動き始めて1年以上経ってからです。
そこについては直接話してはいなかったにも関わらず、かなり近いイメージを共有していたことは嬉しい誤算でした。

こういったことが私にとっての熱狂であり、熱狂が熱狂であるほど、そのそばには必ずそれに対抗できる水準の冷たさが必要だと思っています。

長い文章を読んでいただき、どうもありがとうございました。

株式会社TO YOUでは、それぞれの「たった一人を熱狂させる」を実現したいビジネスパートナーを募集しています。
ファッション業界でも、そうでなくても、どちらでも大丈夫です。
私たちはより多くの人が熱狂を形にできる社会がいい社会であると考えています。

あなたの熱狂を私たちに教えてください。そして一緒に実行しましょう。
反対の場合もあるかもしれません。
ビジネスのバックグラウンドがあるあなたであれば、そこでどんな熱狂を起こせるのか、私たちにも一緒に考えさせてください。

ご興味をお持ちいただけたら、Twitterのフォロー、DMやメールでのご連絡もお気軽にお願いします。

Twitter: @Iwashitayusuke

Mail: iwashita@deedfashion.com

第1回:たった一人を熱狂させる
第2回:たった一人を熱狂させる/R for Dの場合
第3回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(前編)
第4回:たった一人を熱狂させる/R for Dの仕組み(後編)


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