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#NHK交響楽団

NHK交響楽団の2024/25シーズン定期公演の詳細発表に思ういくつかのこと

本日、NHK交響楽団の2024-25シーズンの定期公演の出演者および曲目が決定しました。

形式面では、最も大きな変化があるのがCプログラムとなります。

新型コロナ感染症の感染拡大を受けて2021-22シーズンから公演時間を60-80分とし、休憩を設けないでいたCプログラムが、従来の「休憩あり、2時間」の形式に復帰します。

また、楽団の欧州楽旅の実施に伴い、2025年4月のCプログラムは実施さ

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「NHK交響楽団の定期公演の放送体制の変更に思う

2月15日(水)に行われたNHK交響楽団の第1979回定期公演の実況中継では、番組の最後に2023年4月からの放送体制の案内がありました。

すなわち、現在はAプログラムは土曜日、Bプログラムは水曜日、Cプログラムは金曜日と、それぞれ第1日目の公演の様子が実況中継されています。

今後は、Aプログラムが公演日の翌週木曜日の『ベストオブクラシック』内で、Bプログラムが土曜日16時からの『N響演奏会』

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NHK交響楽団の「2022-23シーズン定期公演の詳細発表」に際して思ったいくつかのこと

去る3月25日(金)、NHK交響楽団が2022/2023楽季の定期公演の詳細を公表しました[1]。

今季から首席指揮者にファビオ・ルイージ、名誉指揮者にパーヴォ・ヤルヴィが就任する新体制とA・CプログラムがNHKに戻り、各公演の特徴をより明確にするなど、意欲的な内容となっています。

特に注目すべきは2022年11月11日(土)、12日(日)に開催される第1968回定期公演に登場する予定の井上道

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NHK交響楽団ベートーヴェン「第9」演奏会について思ったいくつかのこと

昨日行われたNHK交響楽団の「NHK交響楽団『第9』演奏会」の寸評は、本欄でご紹介した通りです[1]。

そこで、今回は今回の演奏会に関する所感を紹介します。

昨年1月から始まった新型コロナウイルス感染症の感染の拡大により、NHK交響楽団は2020年4月から6月までの定期公演が中止となり、2020年9月から2021年3月までは定期公演を各月の演奏会に変更するなど、「コロナ禍」の影響は大きなもので

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NHK交響楽団の「2022-23 Season定期公演日程・指揮者決定」の一報に接して思ったいくつかのこと

去る12月21日(火)、NHK交響楽団が2022-2023年の定期公演の日程及び指揮者を公表しました[1]。

来季は改修工事を終えるNHKホールがAプログラム及びCプログラムの会場として利用されるとともに、2022年9月に首席指揮者に就任する予定のファビオ・ルイージや桂冠名誉指揮者のヘルベルト・ブロムシュテット、正指揮者の尾高忠明、さらに現在の首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィなどが登場する予定です

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「『クラシック音楽館』のブロムシュテット」が持つ大きな意味

去る11月21日(日)、21時から23時までNHK教育テレビの『クラシック音楽館』でヘルベルト・ブロムシュテットの指揮の様子が放送されました。

今回は、今年10月16日(土)に東京芸術劇場で行われたNHK交響楽団の第1939回定期公演と2013年9月11日(水)にサントリーホールで行われた第1760回定期公演の実況録画が紹介されました。

第1939回定期公演については、公演当日の実況中継に基づ

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NHK交響楽団の2021/2022シーズンの開幕によせて

明日、NHK交響楽団の2021/2022シーズンが始まります。

NHK響は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて2020年4月から6月までの定期公演を中止するとともに、9月から今年6月までは定期公演の代わりに月例公演として実施することを余儀なくされました。

「コロナ禍」という不可抗力によるとはいえ、1926年に前身の新交響楽団が発足して以来、太平洋戦争中も継続して行われた定期公演が中止となっ

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NHK交響楽団"Music Tomorrow 2021"

去る8月15日(日)と本日、NHK FMの『現代の音楽』では、2回にわたりNHK交響楽団が今年6月22日(火)に東京オペラシティ・コンサートホールで行ったMusic Tomorrow 2021の実況録音を放送しました。

今回紹介されたのは以下の4曲でした。

[2021年8月15日(日)]
細川俊夫/オーケストラのための「渦」(2019年、第68回尾高賞受賞作品)
西村朗/華開世界~オーケストラ

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「1996年のMUSIC TOMORROW」で思い出したいくつかのこと

今から25年前の1996年6月18日(火)、私はNHK交響楽団が主催する現代の音楽作品を特集する公演"MUSIC TOMORROW"を初めて鑑賞しました。会場はサントリーホール大ホールでした。

この時は、前半に第44回尾高賞の受賞者である野平一郎の室内協奏曲第1番と林光のヴィオラ協奏曲「悲歌」、後半にクシシュトフ・ペンデレツキの交響曲第3番が演奏されました。ピアノ独奏は木村かをり、ヴィオラ独奏は

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外山雄三さんの卒寿を祝して思い出した「『管弦楽のためのラプソディー』の誕生を巡る経緯」

昨日は、作曲家で指揮者の外山雄三さんの誕生日でした。

今年で90歳となった外山さんは現在も音楽家として第一線で活躍しており、日本の現役の指揮者の最年長者として斯界に重きをなしているのは周知の通りです。

私にとって、外山さんはNHK教育テレビの『N響アワー』やNHK FMの『FMシンフォニーコンサート』以来馴染み深い存在であり、指揮者としても1995年3月31日(金)のNHK交響楽団の第1258

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『N響ザ・レジェンド』の終了に際して思ったいくつかのこと

昨夜は、19時20分から21時まで、NHK FMで『N響ザ・レジェンド』に耳を傾けました。

この日をもって放送が終了するため、今回は聴取者からの支持の高かったロヴロ・フォン・マタチッチやNHK交響楽団の指揮研究員から出発して1960年の世界一周音楽旅行を成功に導くなど、NHK響を長く支えた岩城宏之、さらに逝去直前にNHK響と最初で最後の共演を果たしたイーゴリ・マルケヴィチらの演奏が紹介されました

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「NHK交響楽団2021/2220シーズン定期公演詳細発表」で思ったいくつかのこと

本日、NHK交響楽団が2021年9月から022年6月までの楽季の開催日時と演目及び出演者を公表しました[1]。

2021/2022楽季は従来の定期公演に加え、9つの定期公演のうち1回券を1度に3校円以上まとめて購入すると1回券の一般料金より約8%割り引かれる「WEBセレクト3+」や「休憩なし・60-80分程度の公演」などが導入されます。

私が定期会員となっているCプログラムについては、「休憩な

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NHK交響楽団NHKホール12月公演にまつわる雑感

昨日と本日の2日間にわたり、NHK交響楽団はNHKホール12月公演を開催しました。

この公演については、NHK FMの実況中継を聴取した結果に基づく寸評を昨日の本欄で取り上げています[1]。

そこで、本日は今回の公演にまつわる雑感をご紹介します。

まず、この日の公演で最も注目されたのは、NHK交響楽団が伊福部昭の作品を取り上げたという点です。

定期公演においては1982年3月の第865回が

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「いま届けたい希望の第9」と「音楽になにができますか」で思ったいくつかのこと

昨日は、21時から23時までNHK教育テレビで『クラシック音楽館』を視聴しました。

今回は、前半に2011年4月10日(日)に東京文化会館で行われたNHK交響楽団による慈善演奏会、後半に仙台フィルハーモニー管弦楽団による復興コンサートを記録したドキュメント『音楽になにができますか』が放送されました。

NHK響による慈善演奏会は、ズービン・メータさんの指揮により、ベートーヴェンの交響曲第9番『合

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