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『奇跡の保育園』から学ぶ、クライアントが勝手に成功するコミュニケーション法

『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』と言う本を読んだ。

これは栃木県にある保育園で92歳の現役おばあちゃん保育士が書いた子育て本である。妻が見つけてきたのを借りて読んだのだが、コーチやコンサルタントがクライアントに接する際に活かせることがたくさん書いてあった。

この保育園は「奇跡の保育園」と呼ばれているのだが、何が奇跡かというと、卒園する頃には園児が4,5歳とは思えないくらいしっかり自立をするらしい。

秘密は、この園が取り入れている2つの教育法にある。1つは将棋の藤井聡太さんが受けていたということで有名になった自立を促すモンテッソーリ教育。もう1つは未だにベストセラー『嫌われる勇気』で有名になった人を対等に扱うアドラー心理学である。

この2つの教育法のいいとこどりをしているこの園の方針は「ほったらかし」にするということ。とくにカリキュラムもなく、1日中同じ遊びをしていてもOK。3000坪ある敷地内を自由に行き来してOKなど、園児の好きなようにさせていて、かなり自由度が高い。

給食はバイキング形式で、自分で食べたいものを食べたい量だけ食べるというスタイルで食べたくなかったら食べなくてもいい。

お昼寝も強要しない。お昼寝タイムはあるが、眠たくなかったら寝なくていい。

字を教えるのも、強要はせず、書きたいと言ってから。すべてお膳立てして教えるのではなく、したい!と思わせる機会や環境を作ることに力を入れている。

これらは、保育園を運営する側からしたら大変なことも多いと思うが、園児を1人の人間として扱い、自主性を重んじていることを表していると思う。

おばあちゃん保育士の大川繁子さんには、戦時中に軍国主義の影響を受けてみんなで竹ヤリの稽古をした過去を振り返って「教育はとても怖いもの」という意識がある。人を殺してしまうことが当たり前だと思わせてしまうような影響力があることを体験したからこそ、教育のマイナスの部分も知っている。

私も、とても共感する。教えることには、マイナス部分もある。

・気づく機会を奪ってしまう可能性がある

・自主性を奪ってしまう可能性がある

・依存させてしまう可能性がある

だからこそ慎重に行いたい。

「可愛がりすぎはなくても甘やかしすぎはある」と大川さんも書いているが、愛があるからこそ、人の可能性を信じて任せるというコーチ、コンサルタントのあり方が自立して勝手に成長するクライアントを育てるんだろう。

私もクライアントに対して、ついつい過保護になってしまうことがあるのだが、それは自分の心の弱さだなと思う。

私が思う、理想のコーチ、コンサルタントは、こんな感じだ。

・クライアントを信じて任せる

・クライアントが「やりたい」「学びたい」と思う機会や環境を作る

・仕事や遊びに夢中になり、楽しそうに生きている自分の背中を見せる

こういうあり方を意識していきたい。子育て本を読んでそう思った。

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