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勇者・4ルール ~勇者になるために必要な最低限のルール~


はじめに ~勇者とは誰か~

 これを読んでいるあなたは勇者になることを志している人、もしくは勇者に興味がある人だろう。
 
 そんなあなたに、これを読み進める前に一つ聞いておこう。
 
 どんな人が勇者なのか。
 
 現代には勇者と呼ばれている人はいるにはいるが、明確に勇者という職業は無い。この質問に答えられないのに、定義不明の職業の勇者になりたいというのはいささか不思議である。
 
 この問いかけに答えられなくても落ち込むことはない。私が書いているこれは、そんなあなたを勇者の道へと進む手助けをするものなのだから。
 
 ひとまず勇者という言葉の成り立ちから見ていこう。 


 一昔前の時代、魔物に立ち向かう人はそういなかった。鋭利な爪、獰猛な牙、灼熱なる炎、激烈な毒......。対抗するものをなにも持ち合わせていない、非力な人間たちは逃げ惑うことしかできなかった。
 
 そんな日々怯えていた人々の光であったのは 、並々ならぬ正義感のあって魔物に立ち向かう勇気のある人物、であった。
 
 彼あるいは彼女らは決して剣術の達人でもなく、武術の師範でもなく、当時発展していなかった魔法を扱えるわけではなかった。彼ら、彼女らはそこら辺にあったヒノキの棒を手に取り、逃げる人々を背に魔物に立ち向かった。少しでも救える命を救うため。魔物が町に襲撃するたび、誰かが立ち上がり血を流した。立ち上がった者は必ずとまではいかないがその多くの者が亡くなった。
 
 戦いの後、荒れ野原となった町を再建したのは生き残ることのできた人々であった。復興された町には二つの碑石が建てられた。

 一つは魔物の襲撃を忘れないように建てられたもの。

 もう一つは、人々を守るために戦った者を悼む石碑であった。彼、彼女らの功績を忘れないようにと人々は祭りをしたり、伝承物語を作ったりした。
 
 そのうち、人類の平和を願い命を散らした人々を敬意をもって「勇者」と呼ぶようになった。


 ざっくりとした説明だったが、これが勇者の始まりであった。
 
 今や魔物を撃退または討伐する技術は発展し、特に魔法学の進歩やポーション効果の向上は多大なる影響を与えた。剣士や魔法使い、僧侶、武道家、といった魔物と戦う職業(よく魔闘業と総称して呼ばれる)も専門化され高度になっていった。
 
 また魔闘業に従事する人口も増加して、魔物との戦闘は魔闘業常日頃行われ、人々が魔物から逃げ惑うことは珍しいこととなった(町の外の森なんかに無断で行く人はいまだに襲われるが)。
 
 そんな現代の世の中。もう一度問いかけるが、勇者は誰を指す言葉なのだろうか。
 
 一昔の定義に従えば魔物に立ち向かう者が勇者なのだろうか。そうだとしたら魔闘業従事者全員が勇者になってしまう。でも町の人に、魔闘業全員が勇者ですよね、と聞けば首をかしげるだろう。
 
 そう、現代を生きる私たちにとっての勇者は違うイメージなのだ。だからといって、じゃあどんな人が勇者なのか、と聞くとボルランやミラストといった有名な魔闘業の人物を挙げるだけだろう。具体的にこういう人とは言えないだろう。言えたとしても強いやつと言うだろう。
 
 強い人が勇者なのかといえば、強いことは勇者になるための必要最低条件なだけであり強いからと言って勇者になれるわけではないと考えている。
 
 私は勇者と呼ばれる人は、人を助けようとする心を持ち、人を助けることの出来る人だと思うのだ。
 
 これを読んでいるあなたは、人を助けようとする心が少なからずあるのだ。そこは胸を張っていい。あとは人を助けられるようになるかである。
 
 そこで勇者を目指す人のために、人を救うために必ず知っておいて欲しいことをここにまとめた。タイトルの通りこれから私は勇者になれる4のルールを説明する。これさえ知っておけば勇者になるための階段を大きく上ることができる。
  
 自己紹介が遅れてしまったが、私は約40年にわたって国営魔物戦闘対策研究所でパワーポジションについて研究したのち、今はパーティー・フォーメーション・コンサルティングをしているグウデンである。パワーポジションは魔物と戦闘するときにどのような人数構成で戦うと効率がいいかを研究する学問である。この研究をしている中で強い勇者パーティーは何かは理解したと思っている。

 そのためあなたは安心して読み進めてほしい
 
 先に4つのルールを説明すると以下のとおりである。
 
   ① 何かのエキスパートになる
   ② 経済の仕組みについて知っておく
   ③ 表情を豊かにする
   ④ クエストは1つ

 
 これを見ただけで大体内容がわかってしまった人はここで読むのをやめてもいい。ただこれを読めばさらに自分の力を高めることができると、このグウデンが保証する
 

① 何かのエキスパートになる

 この小見出しを見てあなたが思ったことは、「はじめに」に書いてあったことと違くないか、ではないだろうか。私は「はじめに」に、勇者は強い人ではないと断言してしまった。

 いや見返してみたら「強いことは勇者になるための必要最低条件なだけ」としか書いてなかった。語弊のない表現だったと思うが、なんか引っかかる表現をしたことは認める。
 
 何かのエキスパートになる。これは勇者になるための基礎中の基礎
 
 考えれば分かることだが勇者は戦闘職である。そんな勇者が剣術の素人だったらどうだろう。十中八九、魔王城に行く前に死ぬ。仲間に指示を出そうにも自分がエキスパートでなければ仲間が従わないだろうし、具体的な指示も出そうにも出せないと思う。(仲間に指示を出すことについてはルール②にて深堀するのでそこを参照してほしい。)
 
 もちろん、あなたはカッコイイ勇者を目指しているだろうから何かのエキスパートになるというルールを守れないなんてことは無いと思う。
 
 エキスパートになるメリットは他にもある。エキスパートになるということは自分に実力が付くということである。この身に着けた実力は物差しとなって魔物や人の強さをなんとなく分かるようになる。

 自分の実力を高めれば高めるほど、自分の実力に近い人物と会える確率が上がる。実力者と交流すると他分野のどんな人が強いと言われる人物なのかが分かるようになる。
 
 そして人間の強さがわかるようになると魔物の強さが分かるようになる。身のこなし方や魔法の強度。魔物にも実力の物差しが活躍する。エキスパートになるメリットは実力の物差しが手に入ることである。
 
 捕捉になるのだがここで言ったエキスパートは剣士や魔法使い、武道家などなどの魔闘業の内のどれかを極めてその職業でやっていけるようになるということである。料理人や研究者のエキスパートではないということだけは気を付けてほしい

 私は研究者をやっていた上、剣術を習い最終的には親衛隊に選ばれるほどの実力をつけたため分かるのだが、研究者になったからと言って実力の物差しを手に入れることも誰かに指示を出すようなこともできるようになれる要素は一つもなかった。
 
 勇者を目指す人の中でも僧侶(プリースト)のエキスパートになる予定やもうなっている人には注意が必要である。僧侶(プリースト)は魔闘業の回復担当であると共に宗教職である。信仰している神様が違う人に自分が信仰している神様を押し付けたり否定することで、パーティーが解散されたり、村の人や王国との交渉が決裂したりする事例が多いと国営魔物戦闘対策研究所の調査から分かっている。実に僧侶(プリースト)がリーダーだったパーティーの約7割が宗教対立によるトラブルがあったという。
 
 私は一応ドルバロ教を信仰しているが僧侶(プリースト)ではないのでどうすればいいとはわからないが気に留めておいてほしいとは思う。


② 経済の仕組みについて知っておく

 勇者といえども経済について何も知らないままでいると後々痛い目に合う。そのため痛い目に合わないための保険として経済については知っておくとよい。
 
 まず経済について学ぶ上で一番最初の前提条件として「勇者は慈善事業でありながら利得事業である」を心得ておくこと。そう。勇者は人助けをしながら利益を上げていないとやっていけないのだ。人を助けて名声を上げるのは勇者として当然だろうが、資金援助は少なからず国や村がしてくれることもあるが、武器防具、ポーション、食料で使うお金は自分で稼がなければならない。

 下世話な話になってしまうが余生が極貧生活になりたくなんてないだろう。将来の老後、勇者だからと言って周りにいる人が良くしてくれるとは限らない。周りに見返りを求めるのも勇者らしくない。さらに言えばあなたの仲間・パーティーメンバーも同じようなことを思っているだろう。魔闘業を続けるため、貯金を作っておくために経済を学ぼう。
 
 もしかしたら、ここまで読んできて「自分が学ぶのではなく、経済学を学んだ人にアドバイスをもらえばいい」と思うだろう。確かに良い経済学に精通したアドバイザーがいればいいが、アドバイザーが騙していたらどうする。そもそもアドバイザーに会えるのか。異国の地でアドバイザーからどう意見をもらうのか。
 
 まだ経済学を学ぶメリットを感じられないからこそそう思うのかもしれない。そのため少し我慢して経済学について少し学んでほしい。また説明するときに、あなたに向けて魔闘業の人を勇者として説明する。こうすれば将来の自分を想像しやすいだろうと思う。

 さて上図は勇者を取り巻くモノとカネの動きを表したものだ。お金の流れは特に赤色で示してある。勇者の収入源は主に2つしかないことがわかる。

・ギルドからのクエスト達成報酬
・素材買取店に素材を売却

 
この二つの収入源のウエイトは、勇者を目指して独り立ちするであろう、あなたのような駆け出しの魔闘業者にとっては、素材を売ることで得た収入のほうが多い。
 
 理由としては駆け出しだと大きなクエストが受けられない。その理由としては数千万G(ゴールド)単位の報酬を手に入れられるクエストは難度が高い。
 
 図を見ると分かる通り、魔物によって被害を受けた村・国、時には宗教団体などの組織がギルドに委託金を払ってクエストを作成して魔闘業の人を集めてもらうよう依頼するのだ。

 ここで肝となるのは、普通は村・国にも魔物との戦闘を受け持つ機関や委託組織があるため、ある程度の魔物の襲撃の処理は大丈夫なようにできていることだ。

 しかしながら、村・国だけでも対処できない古竜といった敵も現れる。古竜といえば村・国に甚大な被害を与えて人命だけでなく村・国の存続すらも怪しいほどである。過去にも古竜バジェラが大小あったが国を4つ滅ぼした。

見やすさ向上のための再掲1

 最悪な事態にならないためにも村・国はギルドに依頼が出される。村・国の存続がかかっているため多くの委託金が払われる。この時にギルドが仲介手数料を取るため、クエスト達成報酬は村・国の出した委託金よりは若干少なくなるが高額であることには変わりない。

 こうしてできた大きなクエストは駆け出しが受けたら死にに行くようなものだろう。小さなクエストをちまちまこなすのが駆け出し勇者のやるべき仕事なのである。
 
 しかし残念なことに、小さなクエストであれば魔闘業者ならだれでもできるような素材回収や小型モンスターの撃退などだが、いかんせん日雇いの酒場バイトと似たり寄ったりである。そこでもう一つの収入源の素材の売却である。
 
 素材収集は魔物と戦っていれば自然とできる。また小さなクエストをこなしているうちにも並行してできる。どんな素材でも集めておいて素材買取店に出せば必ず収入となるのだ。
 
 だからこそ勇者を目指しているあなたは、堅実に地道に魔物と戦闘したり鉱石や植物を拾い集めたりして素材を集めて貯金をして資金面の土台を固めるべきである。小さなクエストをこなして実力を伸ばしたら、大きなクエストも受けられるようになるため始めは我慢が必要だ。先述のとおり貯金をしておかないと勇者にとって大事な職業道具の武器や防具が買えなくなる。
 
 ここまでで勇者になることに少し不安を覚えたかもしれない。稼ぐのが難しいのに続けていくことができるのだろうかと。確かに勇者の仕事は続けていくのが難しい。実質フリーランスであるため、親衛隊や戦団に入っているほうが給料も地位も安定する。でもあなたは地位やお金に縛られることなく人を救いたいから勇者を目指しているのだろうよ。私はそう信じている。
 
 この悩みの解決のメソッドは素材買取店に依存しないことである。どういうことを言いたいのか分からないと思うが読み進めてほしい。 

見やすさ向上のための再掲2

 今一度図を見てほしい。チマチマと集めた素材は買い取られた後、どこに行っているだろうか。そう道具店である。道具店は素材買取店に仲介してもらって素材を買うのだが、その値段は素材買取店のマージンが約3割ほど含まれている。その素材を使って道具店はポーションや武器を作る。付加価値が付いた道具たちは魔闘業者に売られる。 

 ここで気づくだろう。素材買取店はかなりの利益を上げている。素材買取店に何でもかんでも持って行ったとしても安い値段で買いたたかれるだけである。素材買取店はなんでも買い取ってくれるメリットはあるが手に入るG(ゴールド)は少ない。

 私が提案することは素材買取店だけに依存して素材全てをそこで売らなければいいということだ。道具店は求めている素材が店の種類(武器屋、ポーション店、魔法店等々ある)によって異なるが、素材を買い取ってくれることがある。あなたは色々な店の店主と繋がりをもって素材を素材買取店より高い値段で買い取ってもらう。もちろん店主にとっても素材買取店で買うよりは安くなるようにする。

  こうしてwin-winな関係を道具店と持ちつつ素材買取店とはどこにも売ることのなかった素材を売る。これが素材買取店に依存しないということである。こうすることで駆け出しの勇者でも資金の不安はなくなるだろう。  私のこのアドバイスに必ず乗っ取れとは言わないが勇者になったときは経済の流れを意識して収入の安定を意識してほしい。


③ 表情を豊かにする

 「②経済について知っておく」にて道具店の店主と繋がりを持つとあった。このつながりは勇者のコミュニケーション能力によるものである。
 
 そもそも勇者はコミュニケーション能力が必須である。村や町の人に話しかけて魔物の情報を集めたり、時には為政者と交渉したりと、活用機械の高いスキルである。また勇者パーティーをつくりあげる仲間と出会うためにも必要なスキルでもある。
 
 勇者を志しているあなたなら、コミュニケーションスキルが重要なのは重々承知だと思う。コミュニケーション能力を高めるには他の著書を参考にしてほしいと思う。私は表情の豊かさの大切さをお伝えしたいと思う。
 
 私は普段パーティー・フォーメーション・コンサルティングをしている。そのため様々なクライアントと会うこととなる。クライアントと課題点とそのソリューションを洗い出して考えていくのだがクライアントによってうまく進むこととうまく進まないことがある。

 人によって問題の大きさが異なるからではない。クライアントの表情が豊かかどうかで変わるのだ。

 もちろん私はクライアントに表情豊かに、楽しい話題の時は笑顔に、ソリューションについて考えているときには真剣な顔で、うなずいたり首を傾げたりしている。それに応えるようにでクライアントが私と同じように表情豊かに会話してくれる方はスムースに話が進む一方で、無表情で淡々と話す方とは意思疎通ができているのか分からなくなり話が進みにくくなる。
 
 表情が相手に与える効果というのは、私の言う通り、不安を払拭し安心感と好印象を与える。

 大手ギルド「フィオル」を運営するウィザルト会社の調査によると、話しやすい人の特徴として多かったのが「表情が豊かな人」で実にアンケート回答者の9割が挙げていた。


株式会社ウィザルトの調査(複数回答を含む)

 小難しいコミュニケーションスキルを学んで実践するより少し笑って話をするほうが効果的であろう。表情が豊かなだけで相手に話しやすい印象を与えるのだからこれほどお得なことはない。
 
 それに加えて表情を豊かにできるようになることで表情を自在に操れるようになる。表情を操れることで本心と異なること相手に悟られることなく話すことができるようになる。
 
 ありていに言えば嘘をつくことができるということなのだが。悪意をもって嘘をつくことは勇者云々の前に人として問題である。
 
 しかし時には嘘も方便ということもあるだろう。人を守るために嘘をつかなければならないこともあるだろう。嘘をつかなくても人を安心させられればいいのだが、そうもいかなくなった最終手段として用いることもあるため心の隅に留めといていいと思う。

④ クエストは1つ

 最近の魔闘業者に多いのがクエストをいくつも受けて同時並行でこなすというものだ。一度の出先にやることが何個もあればそれだけ移動費が少なくなり効率的に仕事をこなすことができる。ある人はマグリヒトを討伐しながらシクラソウを集めるなんてこともしているそうだ。
 
 確かに費用削減の意義はある。費用の面で見たらもっともであるのだが。しかし単刀直入に言おう。クエストは1つずつ受けるべきである。一度に何個も受けるべきではない
 
 理由としては2つある。その内の一つがマルチタスクは作業効率を低下させるという理由だ。人間の脳は一つのことだけをするように出来ている。厳密にいえば、脳が五臓六腑を動かすこと以外にできることは一つぐらいしかないということである。もし同時に何個もやろうとすると、脳のキャパをゆうに超えてしまう。同時並行できたとしても脳がやっている作業を変えるために多大なるエネルギーを消費している。
 
 最近のミラティ・リプア大学の研究でも5つのタスクを同時並行にした人よりも、1つの作業に集中することを5回した人のほうが作業を終わらせるのが早かったという。マルチタスクは効率が悪いということをこの結果からもわかるだろう。
 
また脳にストレスがかかり機能が低下し始めると作業の質が下がり労災につながる指標も出ている。脳の体力管理のためにもマルチタスクは避けるべきである。
 
 2つ目の理由としては予定が詰まってしまうということだ。クエストにも達成期日や素材の納期があるのだが一気にクエストを受けると締め切りを守るために予定を切り詰めるケースが多くある。どうしても間に合わなくなると、休息時間を短くしたり、近道をするために危険地帯を通り抜けたりと労災待ったなしのことをやってしまうのだ。
 
 労基の調査によると魔闘業がすべての職業の中で職務中の死亡事故の割合が最も高く、労災と判断されたものが8割越えと判明している。その労災の原因はスケジュール過密による過労が一番多く、全体の約7割を占めていた。
 
 先ほども述べた理由の一つ目の、作業の詰め込みすぎによる脳の疲れからの判断ミスは職務中の死亡事故の原因に挙げられていた。これは全体の2割を占めていたためクエストの詰め込みすぎは死亡事故を引き起こす唯一の原因といっても過言ではない。
 
 長く勇者を続けるためにもクエストの詰め込みすぎを避けるべきだ。それについで仕事のように人を魔物から守ると緊張感を保てなくなり救える命も救えなくなる状況がいつかきっと来る。一つのクエストに緊張感を保てるため複数クエストを同時に受けないようにしよう。

おわりに ~目的を忘れない~

 ここまで読み進めルールを心に刻んだ、あなたは確実に勇者になる大きな一歩を踏み出せたと思う。

 私は、あなたがここまで読んでくれたことに感謝しており、これから勇者になることを心から応援している。だけど最後に私から一つだけ伝えさせてほしい。私のワガママだが聞いてほしい。
 
 あなたはどうして勇者になりたいのか
 
 あなたが勇者になりたいと思うのは名誉のためか。地位のためか。富のためか。
 
 あなたが勇者に憧れたのが、「人を助ける」のがかっこいいから、「人を助ける」優しいからであって欲しい。
 あなたが勇者になりたいのは「人を助けたい」から、であって欲しい。
 
 かつての「勇者」のように。


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