夕菅 星奈(ユウスゲ セナ)

SFショートショートが好きな人。 小説家になろうでも同じ名前で活動しています。(ht…

夕菅 星奈(ユウスゲ セナ)

SFショートショートが好きな人。 小説家になろうでも同じ名前で活動しています。(https://mypage.syosetu.com/1890668) 「問答無用に未来無用。世界の果てまでノーフューチャー」

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    10秒で楽しめる小説、百字小説。その総集編となる「いっき読み」だけを集めてさらに読みやすくしたものです。10作品ごとに「いっき読み」を作成していくので更新頻度は遅めです。

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勇者・4ルール ~勇者になるために必要な最低限のルール~

はじめに ~勇者とは誰か~ これを読んでいるあなたは勇者になることを志している人、もしくは勇者に興味がある人だろう。  そんなあなたに、これを読み進める前に一つ聞いておこう。  どんな人が勇者なのか。  現代には勇者と呼ばれている人はいるにはいるが、明確に勇者という職業は無い。この質問に答えられないのに、定義不明の職業の勇者になりたいというのはいささか不思議である。  この問いかけに答えられなくても落ち込むことはない。私が書いているこれは、そんなあなたを勇者

    • 百字小説(70)「インターネット」

      インターネットでは自分の存在を偽れる。だからこそ身分を詐称し人の反応を楽しむことが出来る。まあ、本当のことを言っても中々に面白い反応を見れるのだがね。UFOが不時着して人目を忍んで地球に暮らしているから。 (100字)

      • 百字小説(69)「アイツ」

        「勉強が全くできない。良い点とれないし、理解も遅いし」と言い放ったアイツは偏差値高いくせに卑下して嫌味な奴だ。私なんかアイツに追いつけないのに。そんなことを友人に話すと「嫌味な奴だ」と吐き捨てられた。 (100字)

        • 百字小説(68)「癖」

          私は癖を治すことに特化した精神科医だ。今日来た患者が話すには、すぐ昼間に寝てしまう癖があるため上司に怒られて遅くまで残業を強いられるから直して欲しい、とのことだった。私は患者に退職の手引きを処方した。 (100字)

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          7本

        記事

          百字小説(67)「勉強」

          勉強、勉強、言われるから机の前に向かう。とりあえずワークを開いて、ペンをもって。……。このサイン有名になったら使おう。……。練習しても二回転が限界だな。……。お、一時間たった。今日もよく勉強できたな。 (100字)

          百字小説(66)「参列」

          そろそろ式が始まる時刻に彼は遅れて教会に黒のタキシードを着てやってきた。彼以外の参列者は驚いて彼を見つめていた。彼はそんなことにお構いなく「今日はお日柄もよく……」そう頭をかいて葬式会場登場したのだ。 (100字)

          「カタルシス?」 ~百字小説のプロローグ・5740字~

           日曜日の朝、早く起きたものの特にやることもないのでその辺をぶらぶらしようと思った。なんでまたそう思ったのか。春めいた空に惹かれて外に出たくなったのかもしれない。お気に入りのスカートを引っ張り出して身支度をした。そして勢いよく出かけた。  しかし衝動的に行動してしまうのが悪い癖だと自分でも思う。私は散歩に出ても何もすることがなかったことに家を出て数歩で気が付いた。この時間はまだコンビニぐらいしかやってなくて、本屋も飲食店も洋服屋も何も開いていない。だからと言ってせっかく家か

          「カタルシス?」 ~百字小説のプロローグ・5740字~

          百字小説(65)「晴天」

          朝起きると雲一つ無く晴天であった。今日は楽しみにしていた運動会なのにガッカリだ。これでは直射日光が照りつける校庭では出来ない。熱中症対策とはいっても地下体育館がある学校じゃないから中止で授業だろうな。 (100字)

          百字小説(64)「空間」

          私は肝臓に栄養生成装置を入れたので食べる必要はなくなった。だから排泄物を作り出す大腸以外の消化器官は不要なため取り除いた。空いたスペースは活用しないともったいない。私はそこに栄養生成装置を入れている。 (100字)

          百字小説(63)「ビニール傘」

          コンビニバイトも慣れてきた頃だが、さっきの客は珍しかった。ビニール傘を十本近く買っていくなんて。一本で十分ではと諭しても「今日はにわか雨の予報でして」と言っていた。さてと。奥から傘の在庫出してこよう。 (100字)

          百字小説(63)「ビニール傘」

          百字小説(62)「くち」

          口は情報を漏らす元だから私のスパイ達には声帯を取ってもらっている。完全無欠な存在である。しかし今日私の一人のスパイが眉間をつり上げ殴りかかってきた。訳が分からない。こういうのは口で言ってもらわないと。 (100字)

          百字小説(61)「桜」

          散り際を知らない今年の桜は七月になっても満開で葉を出す気配もない。原因究明中だが桜が散らねば風流でないことは確かで、桜は雑草に成りかけている。危機感を覚えた風流人は今週末に薬を撒いて桜を散らすらしい。 (100字)

          百字小説 51~60 いっき読み ▶話題

          (51)「アナウンス」 アナウンスが入る。「本日はご搭乗頂きありがとうございます。只今ウェイストゲージが最大値に達し、化粧室のご利用が出来なくなりました。ご了承下さい。」東京発NY着のフライトの道半ば、私は水を飲む手を止めた。 (100字) (52)「ご自由に」 住宅街の道端で「ご自由に」との張り紙のついた箱。通りがかりの人が中をのぞく。しかし中には何もなかった。その人は苛立って箱を蹴っ飛ばして歩き去った。その箱をご自由に使っていいということは知らない様子で。 (10

          百字小説 51~60 いっき読み ▶話題

          百字小説(60)「街角」

          ミュージシャン目指して、今日も街角で冴えない曲を一人ポツンと演奏してる。何も無く今日も終わると思った時、一人の子どもが母の後を歩きながら拍手をくれた。これだけで目が潤む私はきっと明日も歌ってるだろう。 (100字)

          百字小説(60)「街角」

          百字小説(59)「内見部屋」

          内見した部屋は天井が低く、シーリングライトの暖かみを感じるほどだった。間取りもかなりの圧迫感。縦長3畳のリビングと洗面所とトイレだけ。そもそも部屋が地下9階だから窓も無い。やっぱり火星移住辞めようか。 (100字)

          百字小説(59)「内見部屋」

          百字小説(58)「トンネル」

          無限トンネルと呼ばれる崩落したままの末崎トンネルをかれこれ一時間突き進んでいる。いまだ出口は見えない。繋がっている先を記事にしたいが噂通り道路は無限に続く。もう少しで何か得られそうだが引き返すべきか。 (100字)

          百字小説(58)「トンネル」