百字小説(61)「桜」

散り際を知らない今年の桜は七月になっても満開で葉を出す気配もない。原因究明中だが桜が散らねば風流でないことは確かで、桜は雑草に成りかけている。危機感を覚えた風流人は今週末に薬を撒いて桜を散らすらしい。

(100字)

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