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#自由律
眼〈fetishism31の為に〉〈4,眼〉
一方の眼は突き刺し
一方の眼は受け取る、
その激しい葛藤の為に、
桃色の鏡は裸になる。
流される煙の幾つかを、
御前は呼吸して巡回させ、
タバコで恍惚とする天井が
逆様になるのを待っている。
真っ黒な点滴で満たされる水槽に銀色の帯が泳いでいる。神経の様な筋繊維の様な伸縮と緊張、丸で一滴の毒で軟体動物になってしまった自我である様に、魂は液体と化して水中を泳ぐ。どれだけ舐められれば満たされ、どれだ
まぼろしは寂しくない
だるい肉体が十月の雨にくたびれて
血液が重たい塩分で満たされている様な疲れだ。
雨は衣類に纏わり付き、汗がベタベタとして、
思考はムズムズとした痛み。
欺瞞なき正義と振りかざす事が出来るか?
他人を通して自分を傷付けてゴソゴソと咳をする、
イライラとした詩人が、
「御前は間違っている」と云われた時にやっと言葉を掴み、
雨は憔悴した意志を溶かしてしまう。
「私は何者であり、何処