眼〈fetishism31の為に〉〈4,眼〉

一方の眼は突き刺し
一方の眼は受け取る、
その激しい葛藤の為に、
桃色の鏡は裸になる。

流される煙の幾つかを、
御前は呼吸して巡回させ、
タバコで恍惚とする天井が
逆様になるのを待っている。

真っ黒な点滴で満たされる水槽に銀色の帯が泳いでいる。神経の様な筋繊維の様な伸縮と緊張、丸で一滴の毒で軟体動物になってしまった自我である様に、魂は液体と化して水中を泳ぐ。どれだけ舐められれば満たされ、どれだけ愛でられれば満足して、如何なる視線を拒絶して、如何なる副作用を嫌悪しているのか?だが、どちらにしても盲目ではいられない。眼精疲労で目眩を覚えようと弛まなく注がれ、注ぐこの活力の酩酊から覚め切る事は出来ない。或る種の呪いとなって、私達を刺激する読むに耐え難いよこしまで凡庸な文面を、舌を噛み切りそうになりながら読んでいる御前は、成しているのか?成されているのか?成し得ない限り成されている何かなのだろうか?

お前は凝結した痛みなのか?

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