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「詩 その他」から分離して、詩のテクスト情報を掲載します。
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#スキしてみて

ユリノキ

ユリノキ

いびつになりたい君達は
鋭利に尖って人を刺す
目立ちたいよと、羽根をはばたき
ところ構わず色落とす。

移動する。右と左と奥行きに
若い体を貼り付けて
若いからだとこの世を憎み
踊り狂って人待たす。

《僕達の痛みには意味なんてない》
君はふと、画面の枠組みつまずく
何かが消費されて行く音が聞こえて
すり減る靴に諦める。

明るい夜に凍えながら
今日も寂しさに訳を見出せない君達は
常に、いびつな秘

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椿

椿

君は私に椿を吐く、
右と左に左と右に、
赤と白とそのまだら模様に、真っ赤な椿が、
むず痒そうに溢れて行く。

その複雑な、幻想の様な躍動で、
何を絞り出そうと云うのだろう。
ああ、赤くなり、白くなり、腫れて色褪せて黒くなる、緊張は
死とも生とも云い難い振動に思える。

私たちは閉じ込められているのか?
開け放たれているのか?
裸なのか?或いは、幾重にも重なるベールなのか?
ひとひら、ひとひら色褪せ

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ギザギザ

ギザギザ

 「何を遊んでいるのか」、と問い詰められる沈黙の中で
 だらりと思考停止して、花火が飛び交うのを眺めている白昼、
 繰り返しタバコを蒸して咳き込んで思う、
 詩を書く方が大変だ。

 この世に対する不誠実さがなければ、惨状を真に受けるしかないではないか。
 Wordが赤い波線を引く、「御前の日本語おかしいよ」
 きっと、私はタバコをやめるべきなのだ。
 或いは、詩を書く事をやめるべきなのだ。

 

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月は僕らを隠している

月は僕らを隠している

月は僕らを隠している
震えるリンゴの発芽から、
狂えるヒントの悪魔から、
めくるめく謎々の嵐から守っている。

ママが死んだらどうしよう?
不安が夜を眠れなくさせるから、
不断な蝶がはばたき続けるから、
月は僕らを隠している。

目覚める前に何もかも終わっていたら、
僕に生きる価値などあるのだろうか?
月よ、問題を奪い去らないで、
僕らを恐怖に突き落としてくれ。

白百合の花粉

白百合の花粉

男は決めて進みたがり、女は決めずに止っている、これ等浮遊する百合の葉の如き平行線、君達は何を愛でるのか?女は演じ脱衣して、男は演じ着衣する、裸の上ですれ違い、アバラをぶつけて泡になる、花びらは幾何学。何色をときめくか、曖昧に取り出すか、今、縛り付けられて絞り出された烈火の滴が、舌先で奇妙な笑顔に沈む。この怒りにも憤りにも似た諸々を互いの額にべったりと塗りたくり、今にも弾けそうな感傷は、悪戯に時を混

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天秤

天秤

感情をねじ巻き
予測される残忍な行いと搾取の暴言を吐く。
あなたをなだめるのでない、ただ待っている、
話し合いはそれからだ。

二者択一は脅迫だ。言葉が首を締める、言葉は首を締める

そしてあなた方が許容してこなかったのと少し違う形で私はぶちまける。

大丈夫切り落とす指は二十本ある、または懺悔るする余地があり私には跪く両脚しかない。

二本と二十本それが差というモノなのか?

花を天秤に乗せるな

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