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気ままな鑑賞エクササイズ#17 マザッチオ「楽園追放」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール2.0>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後15〜20分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに5分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25〜30分を目標に記事を編集します。・気ままに不定期で続けます。(2021.8.31改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

縦に長い絵ですね。「楽園追放」っていうタイトルを読んだので、まぁ追放されちゃった人達っていう感じなのかな。アダムとイブですかね。

画面が結構痛んでいるのかなっていう感じがしますね。切り取られた後みたいなのが少し・・その男女の周りにあったりしますね。あとこの左にある門から2人は追い出されたのかな。この黒い線がシャッシャッシャッと入って・・これ何なんだろう・・光なのかな、それとも何かこう追い出された導線・・ではなさそうだし・・

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上には天使みたいな人がいて、赤い服、赤い羽根、そして剣を持って、2人の行き先を指差してるから、この人が追い出してるのかな、それとも誰かに指示を受けて、さらに2人に指示を出してるのか・・剣が黒くて強そう。ブリーチの卍解を思い出します・・

天使はなんか絨毯の上に乗ってるようにも見えるけど・・これは着物の裾なのかな?どういう感じなんだろう、雲かな?雲の上に乗ってるのかな・・

女性はすごい嘆いているっていう感じで、男性は泣いてるけどちょっと口元なんかは笑うというか・・泣いてるときこういう口元になる時もありますけどね、口角が上がった泣き方をしてますね。

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女の人の体のプロポーションがちょっと微妙だったりとか、男の人の手が短いのか、すごい足が長いから・・例えばなんだろう、見る位置が特殊なところの絵で、わざとそう描いてるのか・・なんかそんな気がします。例えば高い位置にあって、下からを見上げた時にプロポーションが合うようにしてあるのか・・

ちょっと異常に足長な感じだから、なんかあれですね進撃の巨人に出てくる無垢の巨人みたいな、ちょっと気持ち悪い体型にも見えるかな。嘆いている表情とかからそんな気がしますね。

で、女の人はよくこういう裸の絵で隠す箇所を隠してるんですけど、男の人は丸出しですね 。

・作品・作家について

マザッチオ
「楽園追放」1425年頃

・調べたこと

マザッチオについて

ルネサンス初期のイタリア人画家。

ジョルジョ・ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』によれば、まるで生きているかのように人物とその身体の動きを再現する能力と自然な三次元描写能力から、マサッチオが当時最高の画家であったとされている。

マサッチオは短命な画家だったが、他の芸術家たちに多大な影響をあたえた。マソリーノの画風が中世・ゴシック風を色濃く留めるのに対し、マサッチオの画風は現実的な人物表現や空間把握、人物の自然な感情の表現など、初期ルネサンスの画風を革新した。作品に最初に透視図法を使用した最初の画家の一人であり、絵画に消失点などの概念を導入した最初の画家だった。それまでの芸術で主流だった国際ゴシック様式のイタリア人画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノたちが描いていた複雑で装飾的な表現ではなく、遠近法やキアロスクーロなどを用いることによってより自然で写実的な絵画を描いた。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%AA

楽園追放について

『楽園追放』(らくえんついほう、伊: Cacciata dei progenitori dall'Eden)は、イタリアの初期ルネサンス期の巨匠、マサッチオによるフレスコ画である。フィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ教会の壁面にマサッチオ、マソリーノなどが描いた1425年頃の連作のうちの一つである。それは、エデンの園からのアダムとイヴの追放 (楽園追放)、聖書の創世記第3章に描かれている追放を描いているが、正統な記述とはいくつか相違がある。

フレスコ画が描かれてから3世紀後、コジモ3世メディチは、同時代の装飾の考えに沿って、人物の性器を隠すためにイチジクの葉を追加するように命じた。この補筆部分は絵画が完全に復元され、洗浄された1980年代に最終的に取り除かれた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%BD%E5%9C%92%E8%BF%BD%E6%94%BE_(%E3%83%9E%E3%82%B5%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%AA)
マザッチオはジョット以来の革命児として、絵画を”人間の視点”から描いた画家として知られる。彼は、建築家ブルネレスキから遠近法を、彫刻家ドナテッロから人体構造を学び絵画空間に取り入れた。彼は他にもジョットによってすでに登場した「感情表現・人体把握・空間性」というルネサンス美術に必要な3要素を完成させる。
彼の描いた<楽園追放>のアダムとエヴァを見てほしい。禁断の実を食べて神の怒りを買い、楽園を追放される場面である。このサンタマリア・デル・カルミネ教会礼拝堂全体の壁画は、先輩画家マゾリーノとの共作だが、そこにマザッチオのレベルの高さがうかがえる。
様式的には中世末期に分類できるマゾリーノの作品<原罪>と比較すると、マゾリーノのアダムとエヴァは、まるで人形のようなプロポーションで無表情な顔をしているが、マザッチオの二人は楽園を追放された悲しみと絶望感に溢れている。
そしてそれは身体全体でも表現され、実際にモデルを使って描いたことがわかる自然な脇腹や筋肉の付き方をしている。
そして遠近法を用いた背景に、建物と天使の位置を前後に描くことで奥深い空間を表現し、二人の足元から伸びる影も大地の確かな存在を感じさせる。「一番親切な西洋美術史」
下はマゾリーノ「原罪」

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・さらに5分の鑑賞で考えたこと

資料によると、前に何枚か鑑賞したジョットさんの特徴を受け継いでる画家っていう事なんですね。感情表現とか空間の表現とかを特徴的に描いたってのが革新的っていう感じでは解説とか資料にもたくさんそういう説明がありましたけど・・

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でも、そのジョットさんの時にも思ったんですけど、まぁその時代ではっていう感じと言うか、昔の時代に比べてこういう風に変わりましたよ!っていうのを強調するために、ちょっと彼らのことを資料で褒めすぎじゃないかなとも少し思うんですけどもね・・

確かに先輩のマゾリーノさんの絵と比べると陰影もしっかり付いていて、奥行きもあって・・とは思うんですけど、なんか解説全部褒め褒めすぎていて・・なんか逆にぴんとこないようなところもあるので・・

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でも確かにそのジョットとかの感じで言うと、表情の描き方とかも共通するとこありそうだし、あと建物をこう無理やりというか・・画面の中に入れ込んで、そこに遠近感を出すとかっていうところとかは、確かに共通してるし・・あと天使の布のシワを一所懸命描こうとしてるところとかもちょっと似てるなーっていう風に思いました。

確かにそのマゾリーノさんの絵は、場面は全然違いますけど、アダムとエヴァのを見るとやっぱりちょっと人形ぽいっていうのは少しうなずけるかなと思うんですが・・革新的だってちょっと持ち上げ過ぎな感じもしますけど・・

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そうですねマザッチオさんの方は、女性が胸を隠してますけど、そのこうなんか胸が潰れている感じってのはすごい立体感があるし、あとこの男性の上半身のボリューミーな感じとか・・確かに特徴的かなっていう風に思います。

あとあのちょっと資料で直接言及しているのは見つけられなかったんですけど、 Wikipedia の写真でこの絵自体が見上げる角度から写真を撮られていたものを見つけたので、やっぱり高い位置にあって、下から見上げるような感じを考えて描かれてるんじゃないかなっていう風に思いました。ちょっとはっきりしないので推測の域を出ませんが・・

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この時代の絵を見ると、ルネサンスへの影響っていうことですごいこう革新的だっていう風に資料の中で持ち上げている熱量があるんだけど、僕自身の中での感動と言うか、すごいリアルだな、表情が豊かだなっていう感覚が・・今まだちょっとそことマッチングしていなくて、ちぐはぐな感じなので、今後もう少しこの時代の絵、ジョットやマザッチオとかを見ていくと、もう少しそこら辺の感動と言うか、資料との熱量がマッチングしていくのか・・どうなんだろうかな、みたいなのは少し思うところがありました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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