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気ままな鑑賞エクササイズ#5 ヤン・ファン・エイク 「アルノルフィーニ夫妻像」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。


では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。

今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

何か大きそうな絵ですね。一番後ろの壁に何か文字が書いてありますが、なんだろう、作者の名前なのかな?

二人の人物が描いてありますが、すごくこうディフォルメと言うか、体型がちょっと変な感じですね。顔が大きかったりとか、手がでかいのかな?左の人の帽子もすごく大きく見えますね。

右の人は角が生えてるようにも見えるけど、これどういうかぶりものなんだろうな?で、お腹が膨らんでるようにも見えますが・・でもまあスカートをたくし上げてるようにも見えるし・・何なんでしょうね。

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奥行きを結構感じるような気もするんですが、でもなんか正確なパースが取れてるかって言うと、そうじゃないのかもしれないなぁ。いろんなとこ歪んでいると言うか、強調されているようなそんな気がしますね。

あの左の人のマントみたいな、下から被るような服だと思うんですけど、それがすごく色合いが何か綺麗と言うか、複雑ですね。毛皮がこう縁についてますね。

犬がいますね。なんかでもちょっと置物っぽい感じの体が・・こうちょっと生き物っぽくない感じもあります。

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後ろの床の絨毯とか、女性の人のスカートの下の方の細かい飾りのところが、めちゃくちゃ細かく描き込まれてますね。シャンデリアもすごい細い。一本だけろうそくがついてますね。たくさんろうそくを差せそうなんですけど、一本しかろうそくが立ってないっていうのがちょっと意味深な感じかな。

うしろのほらすごく不思議な・・壁にかかってる鏡ですかね。これに何かこうこの二人の後ろ姿が映っていて細かいですね。なんだろ凸面鏡でいいのかな?この鏡自体はちょっとこう歪んでます。

後は窓辺にちょっとオレンジが・・オレンジかな?果物が何個か置いてあったりとか、全体的にすごく細かく丁寧に描いてある。そんな印象をうけますね。

鏡の横にあるこのガラスビーズみたいな数珠とかも、めちゃくちゃ綺麗だし、右側にあるなんか手箒みたいなのとか、そういうのも・・木の飾りとか、シャンデリアとかすごく細かく描かれてますね。

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・作品・作家について

ヤン・ファン・エイク
「アルノルフィーニ夫妻像」1434

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・30分調べたこと

ヤン・ファン・エイクについて

初期フランドル派のフランドル人画家。
15世紀の北ヨーロッパ[1]でもっとも重要な画家の一人と見なされている。
ウィキペディア「ヤン・ファン・エイク」より抜粋
カンピンが生んだ初期ネーデルランド絵画独自の特徴を完成させたのが、ファン・エイク兄弟である。とくに、弟のヤン・ファン・エイクによる油彩技法は、高い完成度を見せる。

油彩画は、テンペラと同じ要領で、油を定着剤として顔料大分に定着させる技法である。塗り直しやぼかしなどが可能となり、ヤンは油彩の薄い色素を何度も重ねることによって、透明感のある色彩を生み出していった。彼らの作品に描かれたガラスや宝石、金属の本物と見紛うばかりの輝きは、この油彩技法ならではである。

艶出しと表面保護のために仕上げの際に塗るニスの変色により、時間が経つにつれの発色が鈍くなってしまう難点はあったが、今日まで用いられている油彩画は絵画表現の世界に大きな飛躍をもたらした画期的な技法だった。
池上英洋「いちばん親切な西洋美術史」参照

「アルノルフィーニ夫妻像」について

合計3枚のオークのパネル(板)に油彩で描かれたパネル画である。日本では『アルノルフィーニ夫婦像』、『アルノルフィーニ夫妻の肖像』などと呼ばれることもあり、精緻な油絵の嚆矢として、西欧美術史で極めて重要視されている作品である。作品は、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

二人の人物の全身像が描かれた絵画で、イタリア人商人ジョヴァンニ・ディ・ニコラ・アルノルフィーニ (en:Giovanni Arnolfini) とその妻を、フランドルのブルッヘにあった夫妻の邸宅を背景として描いた作品だとされている。作品にこめられた寓意性、独特の幾何学的直交遠近法、背面の壁にかけられた鏡に映し出される反転した情景など、西洋美術史上でも極めて独創的で複雑な構成を持った作品で、婚姻契約の場面を記録するために描かれた珍しい絵画であると見なす美術史家もいる。

ファン・エイクは半透明で艶のある薄い顔料を幾層にも塗り重ねる手法で『アルノルフィーニ夫妻像』を仕上げた。生き生きとした色調はこの作品に現実味を与え、アルノルフィーニの世俗的な財産と富裕さを描き出している。ファン・エイクは、それまで主流だったテンペラよりも油彩のほうが乾燥時間が長くかかることを利用して、まだ濡れている絵具層のうえから新たな絵具を乗せて混ぜ合わせる技法を用いた。この技法によって、微妙な陰影を作り出し、三次元の形状を絵画に表現することに成功したのである。さらにファン・エイクは油絵具の使用によって、様々なモチーフの表面が持つ質感を正確に描きあげた。

二人とも豪奢な衣装を身に着けている。季節は夏であるにも関わらず男性はタバード(袖なし、あるいは袖の短いショートコート (en:Tabard))姿、女性は厚いドレス姿で、しかも毛皮で縁飾りが施されている。縁飾りに使用されている毛皮は男性がセーブル(クロテン)、女性がアーミン(シロテン)で、どちらも非常に高価なものである。男性は夏に用いられることが多い、黒く着色された麦藁帽子を被っている。短いコートは経年変化で退色してしまっている現在の色よりも紫に近い色で、シルクベルベッドのような高価な素材だと考えられている。コートの下にはシルク織と思われる模様のついたダブレット(襟と袖のある身体に密着した上着 (en:doublet))を着用している。女性のドレスの袖には手の込んだ波状の飾りが施され、長いトレイン(ドレスの後ろに引きずる部分)がついている。ドレスの下に着ている青い服にも白い毛皮で縁取りがされている[10]。

画面左に描かれたオレンジは富を象徴している。オレンジは当時のブルゴーニュでは非常に高価な果物であり、アルノルフィーニが取り扱っていた商品の一つだったのかもしれない。

床に敷かれた小さな東洋のカーペットも富裕を表している。このような高価なものは、床ではなくテーブルクロスに用いるのが普通であり、ファン・エイクの故郷オランダでも同様だった

凸面鏡にはアルノルフィーニ夫妻像と対峙して、ドアのすぐ近くにいる二人の男性が映し出されている。手前の赤い服の男性はファン・エイク自身だと考えられているが、ベラスケスが、絵画制作中の自身の姿を描き入れた『ラス・メニーナス』とは違って、ファン・エイクは絵を描いている姿で描写されてはいない。研究者たちが、この赤い衣服を身につけたこの男性像をファン・エイクだと考えているのは、ファン・エイクの自画像だとされている『ターバンの男の肖像』(1433年、ナショナル・ギャラリー(ロンドン))や、『宰相ロランの聖母』(1435年ごろ、ルーヴル美術館(パリ))の遠景に小さく描かれているファン・エイクの自画像だと考えられている男性などが、赤いターバンを巻いていることに因っている。

鏡の上に「ヤン・ファン・エイクここにありき。1434年。 (Johannes de eyck fuit hic. 1434 )」と日付つきの署名がある。この署名は当時の格言や箴言を大きな文字で壁に書いたかのようにも見える。

美術史家エルヴィン・パノフスキーは1934年に、美術学術誌『バーリントン・マガジン』に「ヤン・ファン・エイクのアルノルフィーニ夫妻像」という、背後の壁に記された装飾的な署名などを扱った論文を寄稿した。この記事でパノフスキーは、『アルノルフィーニ夫妻像』がアルノルフィーニの婚姻契約を記録する法的証明書として描かれたものであり、二人の立会人を夫妻とともに描き、立会人の一人であるファン・エイクが「ヤン・ファン・エイクここにありき。1434年。」と署名することによって婚姻が成立したのだと主張した。さらにパノフスキーは、この作品の室内に描かれているあらゆるモチーフが、この夫妻に関することの象徴であるとした(後述)。『アルノルフィーニ夫妻像』が婚姻証明であるという、パノフスキーのこの説には異論も多いが、描かれているモチーフに対する象徴的解釈は広く受け入れられている。

パノフスキーが発表した論文以降、パノフスキーが唱えた説が正しいかどうかについて多くの議論が巻き起こった。

ジャン・バプティスト・ビドーはパノフスキーの説にある程度賛同しており、1986年の「象徴の真実 - ヤン・ファン・エイク作アルノルフィーニ夫妻像に隠された象徴性 (The reality of symbols: the question of disguised symbolism in Jan van Eyck's Arnolfini Portrait )」で、『アルノルフィーニ夫妻像』は婚姻契約書として描かれたとしている。しかしながら、パノフスキーがさまざまなモチーフに見出した象徴性については否定している。「それほどまでに大量の象徴性が隠されているとは考えられない。描かれているモチーフは当時のありふれたものばかりで、この作品に見られる写実性と調和している。画家が本当はどのような意味を込めて描いたのかなどを証明しようとするのは無意味だ」としている

クレイグ・ハービソンは、パノフスキーとビドーの「隠された象徴性」と写実表現をめぐる議論の中間的立場をとった。ハービソンは「ヤン・ファン・エイクは、全ての事情を知る語り部として作品に登場している。描かれているさまざまな物は、多くの関連性をもって描かれている可能性がある」とし、この作品が何のために、どのような意図で描かれたかについては、無数の解釈ができるとしている。この作品を本当に理解しようとすれば、当時の風俗、ブルゴーニュ公宮廷での男女間の事情、婚礼に対する宗教的あるいは礼典的背景など、価値観の異なるあらゆる要素の検証が必要不可欠だとした

美術史家ローン・キャンベル (en:Lorne Campbell) は、自身がキュレータをつとめるロンドンのナショナル・ギャラリーのカタログで、『アルノルフィーニ夫妻像』には特別な意味合いはこめられていないとしている。「この作品に何らかの物語性があることを示すものはほとんど存在しない。わずかに、不要な火が灯されたロウソクと、意味ありげにも見える不思議な署名だけだ」とする。

一見すると女性は妊娠しているかのようだが、おそらく正しくない解釈であると考えられている。美術史家たちは、これは女性の聖人を描いた絵画には非常に多く見られる装束で、当時女性の間で流行していた着こなしだったと指摘している。アルノルフィーニは布地の商人だったこともあり、衣服の流行を重要視していたと考えられている。

背景の壁に掛けられた凸面鏡のフレームに刻まれた小さな円形の飾りはイエス・キリストの受難を表現した彫刻で、凸面鏡に映る人々を神が救済することを意味している。

7本のロウソク台を持つ華美なシャンデリアに1本だけ灯されたロウソクは、おそらくフランドルの結婚式の伝統的な習慣である。昼間に教会祭壇のランプのように点灯されたロウソクは、聖霊の来臨と神の目が絶えず存在するということを表している。一方、この絵画が死者に対する追悼画であるとするマーガレット・コスターの説によれば、1本だけ灯っているロウソクには別の意味があるとする。灯っているロウソクは男性側にあり、燃え尽きたロウソクは女性側にある。これは文学で使われるメタファーでは、男性が生存していることを、女性が死亡していることを表している。

窓の外に描かれている桜は「愛」を象徴しているとされている。窓際のオレンジと棚は、人類がエデンの園で暮らしていた頃のような純真無垢の象徴である[37]。これらはオランダでは貴重なもので富裕を示唆するが、イタリアでは結婚における豊穣・多産を意味するものである[47] また、オランダではオレンジが非常に高価な輸入品であり、アルノルフィーニ夫妻が裕福であることを意味している。
ウィキペディア「アルノルフィーニ夫妻像」より抜粋

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・さらに3分の鑑賞で考えたこと

調べたところ、ちょっと Wikipedia の作品についての情報量がものすごく多くて・・自分が気になった点しか上には抜き出してないんですけど、なんだろう、あまりこの絵がどういうものだったのかっていうのが、まだ決着がついてないと言うか、よく分かっていないのかなーっていう感じでしたね。

描かれたそれぞれにすごくこう意味が込められていて、寓意的なものがちりばめられているのか、もしくはまあそんなでもないよというような意見・・普通にその場にあったものとして描かれているんだよっていう意見みたいな感じで・・その中間の意見あったりして。

僕は個人的には中間の意見な感じですかね。なんかそこまで全部に意味が込められているのかなと・・まあそう読み取れるのかもしれないけれども、気になるのはやっぱりあの一本だけのろうそくと、オレンジくらいかな・・

あとはまぁそのなんだろうなこの2人の手の事・・いろんな解説でも書いてありましたけど、2人が取り合ってる手が意味している事、それぞれのもう一方の手が意味していることなんかが書いてありましたけど、まぁ確かにこれには何かこう意味があったりしそうだなぁとかっていうのはちょっと思ったんですけど・・

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ある程度何かの記念だったりとか、証明のために描かれた絵っていうのは・・説は割れていましたけど、そういう絵ではあると思うので、まぁ多少何か演出的にいろんなものをわざわざ着たりとか、部屋のしつらえをしたりっていうのはあると思うんですけど、それが何かすごくこう・・意味を強く表しているのかなーっていう感じはちょっとわからないというか、あまり感じないですね。

寓意画っていうのに詳しくないので、分からないところがあるんですけど、まあ意味というよりは画面的に物としてこうそういうのがあった方が、画面が良くなるって言うような、そういう演出はあったのかもしれないなあとは思うんですけど・・

なんだろうなあ・・なんでそう思うのか、ちょっとそれはうまく言葉で言えないですけれども・・そうですね、なんかそんなにギチギチに意味が入り込んでる絵とは何故か僕は思わなかったですね。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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