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気ままな鑑賞エクササイズ#31  雪舟『秋冬山水図』(冬景図)

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール3.0>
・作品を3分鑑賞して気づいたことを話し、文字起こしします。
・その後15分を目安に、書籍やネットで調べます。
・再度作品を3分よく見ます。
・5分て調査の結果や、改めて気づいたことを話し、文字起こしします。
・30分を目標に記事を編集します。
・上記の作業を1時間で完成させ、毎日続けます。
(2021.9.改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

再び雪舟ですね。この絵は見たことあったんですけど、この真ん中の天に向かっている線が何なのかずっとよく分かんなかったんですよね・・でも改めて見てもやっぱりよく分からない・・

何なんですかね。なんかこの線の右側の方は#16で見た「慧可断臂図」の洞窟の中みたいな感じもあるんですけど、でも空間の切り替わりがよくわかんなくて・・なんですかね時空の裂け目みたいになってるのが・・どういうことなのかちょっとよくわからないんですよね。これがこの絵のポイントなのかな・・


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下の方には川みたいなものがあって、船ですかね右端の方に船があって・・で、そこから画面中央にお家が何件かあるんですけども、そこに向かって山道の坂・・階段みたいなところを帽子をかぶった人が腰を曲げて登っていくような・・そういう光景なのかな。

さらに家の奥にはもう少し高い山々があって・・でもすごく険しい山で、なんかあんまりこの山の形を見ると日本の山って言うか、大陸の・・中国とかの山なんだろうかっていう・・左上の方はね結構そんな感じがします。

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すごく上の方は余白が空いているんですが、微妙に・・こうなんかグラデーションなのか、これは絵の経年変化的にこういう色になってたのか・・その作者がどこまで色を置いてったのかっていうのはよくわかんないですが、筆跡みたいなのがなんとなく残ってるんですけど、結構雑だっていう感じが・・

この余白の部分でも、ささって薄いのが描いてあるんですけど、このやっぱり中心の線の周辺の線の右の辺りの感じとかね・・これ何なのかちょっと気になります。他の部分の線は、まだこうなんか描いてある山肌とかに沿っているような、そういう線で、何かしらモチーフになろうとしてるような筆跡なんですけど・・

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この中央の線前回りの余白の部分の筆跡とか、この岩肌なのかよくわかんないですけど、縦の線、横の線が・・もうなんか結構生っぽい線がそのままのところが気になりますね。


・作品・作家について
雪舟
『秋冬山水図』(冬景図)1470年頃

・調べたこと

室町時代の禅僧画家、雪舟(せっしゅう)によって描かれた山水画の傑作です。もとは京都の曼殊院(まんしゅいん)に伝来しました。雪舟は如拙(じょせつ)や周文(しゅうぶん)など、日本の先輩画家の画風を学ぶとともに、明時代の中国にも留学し、当時の様々な絵画様式を学んでいます。その結果、独自の構築性と力強い筆致を持った画風を確立し、以後の山水画に大きな影響を与えました。

2幅のうち、「秋景」は、川沿いに道が奥へと伸び、遠くに楼閣が見えます。モチーフは画面の下半分にまとめられ、上部の空間は秋空の広大さを感じさせます。一方「冬景」では大胆に切り立った崖を中心に据え、対照的に建物を小さく見せることで、厳しい冬枯れの様子が描き出されています。

どちらの画面も下の方から見ていくと、近いものから遠いものへ、モチーフを順にたどることができ、それぞれの位置関係が明確に描き分けられていることに気付きます。そこには雪舟以前の山水画には見られない絵画の理知的な構築性が強く感じられます。小さな画面にあらわされた広大で奥深い世界をお楽しみください。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/533772
この線と周囲の描写との関係は一見わかりにくい。しかしこれは,中国の山水画によく現れる,オーバーハングする断崖の輪郭線が極度に強調されたものなのである。
https://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=A1398


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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この真ん中の気になってる線はやっぱり崖の輪郭線だったみたいですね。

画面の右側か左にかけて、こう大きくせり出してる岩山がものすごいでかいのがあって、それの上部をあえて描かないみたいな、そういう技法がもともと中国の山水画にあるみたいですね。

解説を読むと「オーバーハングする断崖の輪郭線」なんていう風に書いてあって・・「オーバーハング」っていう言葉を改めてしっかりと今日認識しました。

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こういうせり出した壁のことをオーバーハングする壁って言うんですね。クライミングとかものすごい崖を素手で登ってく人とかいますけど、そういう壁がグワッと出てきていて、その上部をわざと描かない手法ということで・・

振り返ってみるとやっぱり「慧可断臂図」は、ここまでは全然省略してないですけれども、やっぱりこれも洞窟の右側の崖と言うか壁面が、グッとオーバーハングしてきてる感じがあって・・なんかそれとちょっとかぶって今日の絵も感じられたんですけども・・


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何かそうですね・・でもこの「慧可断臂図」の方がだいぶなんだろう丁寧と言うかね、今日のこの山水図はもっとざざざって描いてあるような気がしますね。半ばこれは抽象画的なところがあるんだという解説がありましたが、まあそう感じないとちょっと受け止めきれないようなそんな描きかたなと思いました。

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あとこれ冬の絵なんですね。冬景画ということで・・なんか全然そう思わなくて・・言われてみればまあそうだなっていう・・ちょっと雪の感じとかもね、感じられるし・・でも何かあれなんですよね、この階段を登ってる人の服装がなんか全然冬に見えなかったんですね。なんか麦わら帽子と短パン半袖みたいな風に見えてしまって・・

下に川があるし船があるし、ちょっと涼しげな雰囲気があって・・その下の方の風景でそんなふうに思ってしまったので、そこからこれが雪山とか思わなくなっちゃったんですけど・・いま見ると確かに白いところがあって、雪かかってるって言うのはそうだなという風に思いました。

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でこれ、もう一セットと言うか秋の図があるんですけど、それとセットで見るとより冬っていうのはわかりやすいなっていう感じがして・・秋の図も多分同じ風景を違う角度から見ていて、中央に同じような建物が写っていて山に囲まれてるんですけど・・空がまたこの秋の図も大きく開いていて、すごい空気が澄んでる感じがしていろんなものがはっきり見えてるんですね。

この秋の図ってパキッとして良くピントが合って、色んなものがすごいよく見えてるんですが、今日見たこっちの冬の図ってのは、それに比べてやっぱりちょっと雪深い感じと言うか、モヤがかかっているのか・・なんだろうな半透明のレイヤーかかってるような感じがして・・

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だからとそういう意味で、このオーバーハングしてる崖がちょっと見えにくくなってるとかそういうことだったりするのかなってのも少し思いました。

これがもし夏とか春の図とかでも、こんな風に崖を描いたのかな・・なんかその崖の線なんだっていうのは分かるんですけど・・まぁ単純にこの絵の中の構成ということでこの線が大きな役目を果たしていたのかな・・

「慧可断臂図」でもね、なんかその崖の所の岩の切り切り替わりのところが、なんかやっぱり人物に目が行くように仕向けられているような感じであったりとか、こう達磨大師が天啓を受けてるのか・分からないですけど、インスピレーションを受けてる様子にも見えるような感じがして・・

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なんかやっぱりこの今日の山水画の線も、そういう意味合いとして残したというか周りの岩肌を描かなかったりしたのかなーっていう風に思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!



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