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「気ままな鑑賞エクササイズ#19 ランブール兄弟「ベリー公のいとも豪華なる時祷書 」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール2.0>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後15〜20分、書籍やネットで作家
・作品について調べます。
・さらに5分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25〜30分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。(2021.8.31改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

すごく色が綺麗ですね。なんか澄んだ色で・・・何で描いてあるんでしょうか。今まで油絵とかねそういう絵が多かったけ、どこの綺麗さは多分それとは違う感じがしますね。

いろんな国の人が混じって・・飯を食べたりとか、なんか犬に餌をやってる人もいるのかな。馬に乗っているようなブーツを履いている人もいて・・それぞれの服の模様がすごく綺麗ですね。

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なんかヨーロッパ風味はあるんですが、このターバンを巻いてる人なんかは、中東とかそういう人たちなのかな・・ご飯を食べてる人たちの中で大きく描かれてる人は王様なのかなとか、一番左の綺麗な青い服を着てる人とかもちょっと目立つからなんか宗教関係の人なのかなーとか思ったり・・

後ろにはお城が見えて戦いが起こってますね。戦争してますね・・倒れてる人もいたりとかして・・で文字も書いてありますね。お話が。しかもそれがなんか空間に沿って書いてあるのがありますね左の方なんかは・・これはどういう世界観なんでしょうか・・

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そして上の方には馬車に乗ったこれも王様が・・光を放っている?みたいな・・さらにその上は星座っぽいですね。山羊座と水瓶座みたいな感じかな・・なんかちょっと時計みたいな感じもあるかな。この空間の切り替わりの部分とか・・

赤い右上のタペストリーには白鳥とか熊みたいなのは書かれているっていう感じですかね・・

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なんか楽しげではあるんですが・・何だろう、ちょっと交渉してるような・・そういうただ楽しいだけじゃないような雰囲気もあったりとか・・あとテーブルの上にものすごい小さい犬みたいなのいたりしますね。これは何なんでしょうか・・

・作品・作家について

ランブール兄弟
「ベリー公のいとも豪華なる時祷書 」1412〜16年


・調べたこと

中世フランス王国の王族ベリー公ジャン1世が作らせた装飾写本である。

羊皮紙206葉で、1頁のサイズが29x21cm。時祷書とはキリスト教徒が用いる祈祷文、賛歌、暦などからなる聖務を記した日課書のことである。それぞれ私的なものであり、各人が趣向をこらして作成することがあった。中でも本書は国際ゴシックの傑作でもあり、最も豪華な装飾写本として評価が高い。
多くの写本を集めたジャン1世の依頼で、15世紀始めにランブール兄弟によって制作が始まったが、1416年に両名が死去したため一時中断し、同世紀の終わりにようやく完成した。

ジャン1世が制作させた(または制作を開始させた)時祷書は6部以上現存している。他にメトロポリタン美術館所蔵「ベリー公の美わしき時祷書(Les Belles Heures du Duc de Berry)」というのもあり、この方が早く(1413年以前)制作され、ランブール兄弟が完成させている。また、「ベリー公のいとも美わしき聖母時祷書」は、トリノ市立図書館とパリ国立図書館に分蔵されているが、ヤン・ファン・エイク作の画を含むと推定され、美術史上重要である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%85%AC%E3%81%AE%E3%81%84%E3%81%A8%E3%82%82%E8%B1%AA%E8%8F%AF%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%99%82%E7%A5%B7%E6%9B%B8


フランスの王子ベリー公ジャンは、豪華で贅沢な本の収集者でした。

当時は印刷技術なんてもちろんないので、絵も文字も全て手書きです。

さらに羊一頭からごくわずかしか取れない羊皮紙を使い、顔料(インクの原料)は希少なラピスラズリなど宝石を砕いたものを使用した装飾写本は、ものすごく手間もかかるし、ものすごく高価なものでした。宝。

時祷書という、キリスト教徒が日課として決められた祈りを捧げるために用いた書物の装飾を依頼されたランブール兄弟は、『ベリー公の美しき時祷書』を作ります。

これを大変気に入ったベリー公から「さらにすごいのお願い!」と依頼されます。

それが『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』です。

http://omochi-art.com/wp/tres_riches_heures_du_duc_de_berry/#i-3

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・さらに5分の鑑賞で考えたこと

これは時祷書っていうもので、キリスト教の祈祷文とか暦とか聖書の場面とか描かれている書物でしたね。

いろんな人が自分用にすごく趣向を凝らして作ったりすることが多くて、今日見た作品が入ってるのが「ベリー公」って言う人が作らせた、その中でも一番豪華な時祷書・・「いとも豪華なる・・」ってタイトルについてますからね。「世にも奇妙な物語」的な・・

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世界で一番高い本なんじゃないかっていう事でしたけれども、すごいサイズが小さいんですね。A4サイズぐらいで200ページぐらいあると。

で、ものすごい細かい描写があって、今日見たのはその中のカレンダー的な、1月から12月まであるページの1月の部分みたいですね。だから星座も1月の星座になっていると。

やっぱりテーブル右にいるこのでかい人物がその「ベリー公」ってこの本を作らせた人でしたね。で、新年会的な宴をやっているというそういう場面らしいです。

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ちょっとこのページについて詳しいことを書いてある資料まで探せなかったんですけど、だから手前はそういう宴で、もしかしたら後ろの戦争だと思ってたのは、祭り的なそういう催しなのかもなっていう風にちょっと思いました。

で、これ12月分、12枚同じようなページがあるんですけど、この真ん中の上の方の馬車に乗った人の絵柄ってのは、その12枚どれも変わらない、共通の絵柄っぽくて、宴をしているところの画面部分が、いろんなその月にある行事、畑を耕しているところとかですね、そういうことがいろいろ描かれているって感じですね。

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↑3月

その中でもこの1月は一番派手ですね。なんかあの他の月は結構農作業とかまあ、こんなになんかこう華々しいところはあんまりないのかなーっていう感じでしたね。

12枚ざっと見たんですけど、なかでも9月ページのお城が・・お城はこの1月にも、他の月にも結構描いてあったりするんですけど、9月の城がめちゃめちゃカッコ良かったですね。なんか細かく描いてあって9月の城が良かったなと思います。

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↑9月

あと時代的に、以前鑑賞したたヤン・ファン・エイクとかと被ってるのかな?確か前見た「ファン・デル・パールの聖母子」って作品の中でも、その教会の人が信仰しているイエスやマリア様の姿を見てしまったみたいなシーンがあったと思うんですけども、その時の彼も手に確かこの時祷書っての持ってて・・

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でも、彼の時祷書はもっとちっちゃくて、普通の携帯ミニ辞書みたいな感じだったので、普通はまそういうものなのかなぁみたいな・・それに比べると今日のこれは相当豪華だったのかな〜ってみたいな・・

この青はラピスラズリって、相当高価な絵の具だったらしくてふんだんに使われてますね。基本この星座のところとか青で12ページ共通で、めちゃめちゃいっぱい使われてますからね。贅沢に作られたんだろうなーと思いました。

あと、ヤン・ファン・エイクでいえば、あの「アルノルフィーニ」夫妻の奥さんの服装と同じような服装を着てる人がこの時祷書の中にもいらっしゃって、あーなんかやっぱ国とか時代とかが、これが描かれた時期と同じなのかなっていうのをちょっと思い出したりしました。

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↑5月

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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