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人は腑に落ちた時に変化の一歩を歩む。且つ、腑に落ちるまでの過程が大事だったりする。

お客様)あ、呼吸が足まで届いている感じがあります。
私)いいですね。じゃ、ここ意識してみてください。
お客様)足が緩んでいく感覚があります。
私)ちょっと、足先触ってみてください
お客様)あ!あったかい。暖かいです。
私)つまりそれは?
お客様)…足先まで血が行くようになった?
私)(ちょっと違うけどここはスルー)つまりそれは?
お客様)…霜焼けになりにくい?
私)ピンポーーーン!

初めて施術をした時からお客様の主訴は
右肩が痛い・腕が上がらない、だった。

割と初期からこちらのお客様に伝えていた事は
本丸は左です、だった。

主訴には痛みがあるので
当然そこはケアしていく必要性はあるし
お客様自体もそこへのケアは力を入れる。
けれど痛みがほぼない本丸は結果おざなりに。

幾度となく伝え続けた本丸案件。
幾度となく流されてきた本丸案件。

人は目の前の出来事を見たいように見るし
聞きたい事は聞きたいように聞くものだ。

これは誰にでも起こりうることで
自分でそれに気が付くまで待つ必要がある。

セラピスト側は【お客様を信頼して待つ】
という器が問われることでもあると思うのだ。

冒頭の会話に戻るのだが…

呼吸が足まで入る感覚と
呼吸で足が緩む感覚を掴んだ時
右(主訴)は呼吸の入りも緩みも
しっかりあるのに対して
左(本丸)はどちらも右ほど来ない
という事を、この時初めて体感された。

そして改めて
言い続けてきた事を話した時
ようやく納得されて肚落ちしたのが
彼女の言葉(音)で分かった。

一見、遠回りに見えるこのやり方だけれど
腑に落とす為には必要な期間だった。

それからの彼女のセルフケア方法が
変わったからか緩み方が大きくなり
施術をしていてもその変化は歴然。

本丸をしっかり緩めるようになったので
影響を受けていた主訴も変化していった。

この肚落ちするための期間を
残念ながら待てない方が多く
早く早くと思ってしまいがちで。。。

人が行動を変える時って
真に肚落ちした時や心から願った時
だと思っている。

変わっていかない事には理由があって
その理由をご自身で気づいていく必要性。
気付いた時、真に肚落ちし真に願う事ができ
行動を変えていけるのだ。

そしてその肚落ちまでの過程もまた大事であり
それに気づくのは肚落ちした後だ。


勿論、ボディケアのお仕事としては
お客様の主訴改善は大切な事だ。
それと同じくらい
身体のケアを通してご自身と向き合っていける
そのサポ-トも大切な事だと考えているのだ。

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