見出し画像

営業における「愛」と「技」について

もう2020年も終わりが近い。メンバーと年の振り返り、Qの振り返りをする時期になってきた。
彼らと会話は自分への通信簿のようなイメージである。彼らに授けたものがどのように身になっており、成長に繋がっているか。

自分の思っていることを(ナレッジ
→どのようにうまく伝えられるか(表現力
→相手を動かせているか(動かす力
→その上で相手がどのようになっているのか(動かした上での相手の成果/感情

この「動かした上での相手の成果/感情」はナレッジ/表現力/動かす力に繋がり、ブラッシュアップされていく。このプロセスはすごく大切だ。
今回は自分の営業におけるナレッジを授けた上での「動かした上での相手の成果/感情」について興味深い気付きがあった。

営業における「技」とは

営業において「技(テクニック)」は重要だ。
例えばMECE。思考する上で「モレなく、ダブりなく」で考えることは重要。(参考
例えば「課題解決のフレーム」。現状とあるべき姿から問題を抽出し、課題に分解する。(以下図)

例えば「アイスブレイク」。商談の始めに雑談を入れることで親近感を持たせて本音を引き出しやすくなる。

これらはたくさんあるし、メンバーに授けた。そして一定の成果を出せるようになった。しかし、あと一歩何かが足りない。
会話した上で商談同行をし、いろいろ考えた結果足りないことが何かのかがわかった。

」である。

営業における「愛」とは

彼は商談は器用にこなせることができており、商談の型としては問題なくできている。ただ伸び悩んでいた。
これは商談プロセスの「」は習得できているが、深くないことが原因であり、その深くない原因はお客様に対しての「」が足りていないことにあった。

」とは難しい。あまりビジネスで使わない表現かもしれない。
私は「営業とは悩み相談と同じだ」と思っている。お客様が困っていて、一緒に頭を悩ませながら、それに対しての課題を見つけ、解決に導いていき、相手を幸せにする。この一連のプロセスが「営業」だと思う。
しかし、このプロセスにおいて「」がないと取り組みが浅くなってしまうのだ。

例えばメンバーとの1on1(悩み相談)でもそうだ。
彼らが悩んでいることを業務的な、事務的な対応で会話をしても解決できることは少ない。一方でメンバーに「」を持って本気で取り組むことで話している内容は大したことがなくとも解決に向かっていく。

例えばキャリアカウンセリングもそうだ。
面談者が悩んでいることを「」の無いフローチャート的に、機械的に接してもそれっぽい答えは出るが心動かされるいい提案にはならない。

例えば友達の悩み相談もそうだ。
友達が本気で悩んで落ち込んでいるのを、その友達のことを理解していて、「」をもって接することができれば、友達は救われるだろう。

営業においても「」が必要なのだ。この「」がないと課題解決のフレームも、アイスブレイクもドライで寂しいものになってしまい、お客様が最終的に心動かされることはない。

「愛」があれば、
・相手の理想の姿(目標)に対して本気で目指せる
・今起きている問題に対して本気で原因を探せる
・相手の予算に気を使いながら最善の提案を導き出せる
・本気で相手の成功を喜べ、失敗に対して避けようとできる

じゃあどうやって「愛」を持てばいいの?

」を仕事に持ち込むことがイメージが持てない人も多いと思う。そもそもその感覚自体が奇妙に感じる人もいるかもしれない。私は「」を持つためには「事前準備をすること」「妄想すること」が大切だと思う。事前に準備をしてその企業に対していろいろ想いを馳せるイメージだ。(B to Bの場合)

・この企業はなんでできたのだろう(沿革/代表のメッセージの確認
・どうやって売り上げを立てているのか(ビジネスモデルの確認
・お客様の競合/お客様のお客様は何か(3Cの確認
・今後どのように発展するのだろう(業界やニュースの確認
・この企業が発展すると世の中はどう良くなるのだろう(上記から妄想

どの企業も意味があって創業しており、熱量を持っている。
世の中に必要とされているから売り上げが立っており、成長している。
その企業が成長することで僕らの住んでいる世界はもっと良くなる。
そう考えると相手の企業のことを応援したくなり、愛おしくなるのではないのだろうか。

そして営業はそのような企業の悩みに対して最前線に立って接する仕事である。こんな素晴らしい仕事は他に無いのではないだろうか。

このように事前準備をしっかりしてその企業を好きになることで「」は持つことができると思う。そしてこれらを経ても「」が持てない企業に対しては本来であれば取引すべきではないと思う。

「愛」を持つと仕事に「本気」になれる

」を持つと相手のために「本気」になれる。
本気」で取り組むと相手のために頑張る意識が働くので「」を身に着ける意欲が湧く。そして「」が身に付き、成長する。
愛が本気を生み、本気が技を生む。そして成長に繋がる。

私はメンバーに対して営業としての「」を先に教えていた。そしてその「」が身につかないことに悩んでいた。挙句に身につかないことをメンバーのやる気と捉えていたかもしれない。しかしそれは愚かな考えだった。
重要なのは順番だったのだ。

【誤】
(1)メンバーに「技」を教える
(2)「技」を使うが上手くいかない(「本気」じゃないので上手くいかない)
(3)「技」に問題があると思い、違う「技」を試す
(4)やっぱり上手くいかない
【正】
(1)お客様に対して「愛」を持たせる
(2)仕事に対して「本気」になる
(3)「本気」でやっても力が足りずに貢献できない「挫折」を味わう
(4)「挫折」を糧に「技」を学ぶ
(5)「愛」と「技」を持ってお客様に接することで成果を残す

まとめ

自分の考えを他者に授け、FBをその人からもらう事による気付きは大きい。
その環の中で、日々メンバーから成長させてもらえている。今の仕事の良さはここにあるかもしれない。

そして営業において「愛」が必要なのと同様に
マネジメントにも「愛」が必要だ。
最近はインプットが多く、マネジメントにおいても「技」に偏っていたかもしれない。改めて「愛」に立ち返ることを忘れないようにしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?