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「古都・鎌倉」には切り立った崖が良く似合う【ジオ散歩vol.2:鎌倉市No.1-1】

「市街地を実際に散歩しながら地形・地質を楽しむ」シリーズ、ジオ散歩。
JR鎌倉駅の東口から鶴岡八幡宮を抜けた後は、ひたすら東へと歩いていきます。東へ行くほど平野が狭くなり、丘陵地が迫ってくると目立つのが切り立った崖です。

崖が多いと言うことは?

まず地形図を見てみましょう。

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

地形図を見ると山地は比較的小規模ですが、ニョキニョキッとしたイメージで端っこが急傾斜になっていますよね。
そして山に近接した場所にまで建物が建っています。

鎌倉市の風景:筆者撮影
鎌倉市の風景:筆者撮影

メインストリートから少し中に入ると、このように道が狭めで緑・山がすぐ近くにある環境です。
東京から1時間程度のところにこういう場所があるのはいいなぁ・・と思いつつ、山が近いと言うことは良いことばかりではないわけで・・。

鎌倉市の風景:筆者撮影

右に見えるのは高さ10m弱程度の切り立った崖。
道路を挟んだ向かい側には民家があります。
このnoteではたまに「土砂崩れは落差の2倍の距離まで到達する」と言う経験則があると紹介しています。
そしてこれは、急傾斜地土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の範囲を決める際のルールにも適用されています。

急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)
  傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
  急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
  急傾斜地の下端から急傾斜地の高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域

東京都建設局ホームページより

おそらくここは急傾斜地の危険区域に指定されているのではないかと思います。なお上述の土砂災害警戒区域・特別警戒区域に関しては、ハザードマップを見る限り「特別警戒区域」であるようです。

特別警戒区域に指定された箇所には様々な制限が課されますが、ここの場合は対策工事が施されそうです。

鎌倉市の急傾斜地:筆者撮影

写真では分かりずらいですが、この一帯は綺麗に伐開されていました。おそらく対策工事のためではないかと思います。

鎌倉市の急傾斜地:筆者撮影

付近には防護ネットが張ってある崖がありました。

鎌倉市の急傾斜地崩壊危険区域:筆者撮影

さらに歩くと、こんな看板を発見。
急傾斜地崩壊危険区域とは、上記の警戒区域・特別警戒区域とは別で、背景になっている法律は古く、土地の改変などを制限するためのものです。
詳細は国土交通省のホームページをどうぞ。


古都・鎌倉には綺麗な崖が良く似合う?

緑が身近にある素晴らしい環境である反面、災害と背中合わせなのが、日本という国です。でも事前に知って準備しておけば、安心して自然も楽しめますよね。
そんなことを思いながら歩いていくと・・・お!イイ感じの崖発見!!(笑)

鎌倉市の風景:筆者撮影

写真の真ん中よりやや左上の崖、見えますかね?
実際にその場にいると目立つハズ・・・イヤ、私自身がもともと崖に目が行きやすい人間なので、誰にでも当てはまるかは分かりませんが(;^_^A
マップを見ると、どうやらお寺があるらしい!

明王院の入り口:筆者撮影

え?鳥居っぽいんですけど・・・??

明王院入り口の看板:筆者撮影

なるほど・・不動明王は知ってましたが、仏教には五大明王という仏さまがいるのですね。大威徳明王・・そういえば、秋田県の横手盆地内にゆかりの地がありました。

明王院:筆者撮影

残念ながら崖のすぐ近くへは行けませんでしたが、だんだんと分かってきましたよ♪

明王院背後の崖:筆者撮影

フムフム!!
なぜ鎌倉市には切り立った崖が多いのか?
次回で検証していきましょう♬

ジオ散歩ルート(鎌倉市No.1):スーパー地形より抜粋した画像に筆者加筆

なお明王院の場所は青丸のあたりです。


今回はここまで♬
お読みいただき、ありがとうございました。


次回はコチラ👇


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