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あの崖は?!【ジオ散歩vol.1:仙台市No.1-3】

仙台市の西の段差を見に行くジオ散歩。
前回は崖面が保護されていたため、残念ながら地層を見ることができませんでしたが、今回は広瀬川の対岸で地層を見られるかもしれません。

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

北西の大橋を目指して緩やかな坂道をのぼり、広瀬川を渡ってひたすら南へと歩いていきます。

前回を見ていない方は、↓をドウゾ!

大橋から広瀬川と対岸を眺める

北西へ約500m歩くと、大橋に到着しました。

大橋の解説看板:筆者撮影

橋の途中から周囲を眺めてみます。

大橋から南方向(広瀬川下流)の風景:筆者撮影

大橋から南方向を眺めます。天気も良いし気持ちの良い風景ですよね。
ムム??
正面の山の斜面に見える薄茶色、でしょうか?
拡大してみます。

大橋から南に見える崖:筆者撮影

おおお!地層の縞々が綺麗に見えますね♬

大橋から南に見える崖の位置推定図:筆者一部加筆

大橋(上図赤丸)から南の方角(正確には南南東)に見える崖と言うことは、おそらく上図赤点線で囲った場所だと思います。
今回はここへは行きませんが、今後見に行ってレポートしますので、楽しみにお待ちください。

大橋から見える南南西方向の風景:筆者撮影

今度は南南西方向を見てみます。広瀬川を挟んだ対岸です。
またしても、写真の真ん中あたりに崖っぽいものが!
分かりにくいと思いますので、拡大!

大橋から南南西に見える崖:筆者撮影

灰色の崖、見えるでしょうか?

大橋から南南西に見える崖の位置推定図:筆者一部加筆

今度の崖は、おそらく青点線で囲った場所です。
まさにこれから行く場所なので、間近で観察できそうです♬

対岸を南下!

大橋を渡り切って交差点(T字路)に差しかかると、目の前に大きな看板が見えます。

青葉山公園仙台城跡の案内看板:筆者撮影
青葉山公園仙台城跡の案内看板(地図拡大):筆者撮影

今回は青葉山公園ではなく、青葉山公園テニスコート(写真右上に表記)方面へ行きます。現在地マークから左(南方向)へ伸びている道です。

そして、ここからの道中を「タイムシフト動画」として撮影し、youtubeにアップしています(※以前の「ゆるく楽しむ日曜地質学」でも紹介しています)。まだ見ていない方は、ぜひご覧ください。
またチャンネル登録いいねしていただけると嬉しいです!

あの崖は?

1km弱歩いて、崖の下に到着しました。

仙台城下の崖:筆者撮影

逆光ですが、地層の縞々が綺麗に見えますね。しかし、この崖の手前には柵があるので近くでは見られませんでした(;^_^A
危ないので一般的にはそれで良いのですが、熱い地質魂を持つ身としては、残念でなりません(笑)

5万分の1地質図幅「仙台」(北村ほか1986)より(※筆者一部加筆)

地質図によると、この崖は茶色の「Mk」がピンク色の「Mkt」をサンドイッチするような分布になっているようです。
この地質図の「Mk」とは向山層(むかいやまそう)のことで、はじめに見た崖周辺の地名である「向山」から名付けられました。
「Mkt」は向山層の中でも特徴的な分厚い凝灰岩の層で目印になるため、特別に「広瀬川凝灰岩部層」と呼ばれています。
「Mkt」はM(む)k(かい)山層内の凝灰岩(英語でtuff)という意味でしょう。

仙台城下の崖の地層区分(筆者推定)

地質図の解説書から、地層区分を上の写真のように推定しました。

では、この地層からどのような過去が読み取れるのか?
次回に続きます!

お読みいただき、ありがとうございました。


参考文献

北村信・石井武政・寒川旭・中川久夫(1986) 仙台地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所,134p.

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