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それ、水平?それが問題なのよ:巨大地すべり×ダム=大惨事?!:仙台市泉区七北田ダム周辺地域part4【御当地ハザードマップvol.1】

トップ画像はスーパー地形(カシミール3D)より抜粋。
3D機能で空中写真をかぶせた画像です。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト


断面図を考えてみる

前回からの続きで、七北田ダム地すべりの断面形状がどんな感じになるのか?を考えてみます。
地質の情報から、0~20度で想定します。

画像1
スーパー地形アプリの機能を用いて筆者作成

この断面図をもとに検討を進めます。

まず、頭部から地下へ切れ下がる部分
下図の、荒砥沢地すべりで言うところの、右の青丸の部分ですね。

荒砥沢地すべり断面図_C2

この角度の手掛かりは、その直上の崖面の傾斜です。
こう言う面は節理面(地層にできた割れ目)をもとにしていることが多く、連続性があり周囲にも同様の節理面があるので崖の面と同じと考え、そのまま延長しています。

七北田ダム地すべりの場合、断面図上の頭部は崖が低く参考にしにくいので、やや手前の分離小丘の崖を参考にします。


七北田ダム地すべり断面図04


コレですね。
真ん中の山の斜面が一番急でしたので、その傾斜を地下へ引っ張り・・それと同じ線を頭部に。

そしてまずは、すべり面の底面が水平だった場合を仮定してみました。

七北田ダム地すべり断面図01

お!これは荒砥沢地すべりと雰囲気は似ています。
あり得そう」ではあります。
(※末端部分(左)は今はダム水位が高いので、現地形を下に延長して、昔の谷地形を想定して黒線を引きました)

では5度だったら?

七北田ダム地すべり断面図02

う~ん・・。
特に頭部が薄すぎますよね。
日常生活からも想像できるのですが、モノって上が大きく重い方が不安定ですよね。下が大きく重い方が安定します。
これ「地面=地すべり」も同じなんです。
ですので、こういう頭部が薄い地すべりは考えにくいです。(※無いとは言い切れませんが)

そもそも3つの尾根を結んだ線(赤点線)はほぼ水平。これらの尾根は地すべりが動く前に1つの尾根だったとすると、やはり水平に動いたのでしょうか?

七北田ダム地すべり断面図03

今度は2度だった場合です。
あ!これはシックリきますね。これなら、頭部の厚みや3つの尾根の高さなどなど考えても違和感はなくバランスが取れてる雰囲気です。

と!いうことで、七北田ダム地すべりは、そのすべり面傾斜水平2度程度だったのではないか?と想定されます。
一般的な地すべりのすべり面として水平は論外として、2度でも緩すぎます。これはやっぱり、地震で動いた地すべりだった可能性が高そうです。

ではこの周辺に直下型地震を引き起こす可能性のある活断層はあるのか?
そして万が一地すべりが動いて起こる最悪の事態とは?

次回は仙台市の活断層と万が一の時に想定される被害についてお話しします。

お読みいただき、ありがとうございました。

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