【岩の動きで津波を予測!!】ゆるく楽しむ日曜地質学:2022年12月4日号
先週は「眠いし腰痛いし」と愚痴モード全開でしたが、おかげさまで今はスッキリと良くなりました。
月曜から金曜まで低空飛行続きの末、土曜に目覚めたら、頭も身体も超スッキリ!と、久しぶりに軽快な生活に戻っています。
岩を調べて津波が分かる?
面白い研究成果を知りました。
皆さんは「橋杭(はしぐい)岩」をご存じでしょうか?
和歌山県串本町の海沿いにある岩で、まるで岩の杭を並べて橋にしたかのよう見えることから、名付けられたのでしょう。
貫入岩の周囲(泥岩)のみが侵食で失われ、侵食から残った貫入岩が壁のように並んでいます。
上図のように、北北西-南南東方向に島が並んでいます。
シームレス地質図V2によれば、新第三紀中新世ランギアン期~トートニアン期(約1600~700万年前)のデイサイト~流紋岩とのこと。
元ネタの産業技術総合研究所の画像です。このように、海に面して岩が並び、その陸側に無数の岩塊が転がっています。
この岩塊は橋杭岩の岩石です。
例えば、同じ「流紋岩」だとしても、異なる火山活動(マグマ)で生じた流紋岩は、詳しく分析すると成分や鉱物種の割合が違い、区別することができます。同じ日本人でもそれぞれ違いがあって区別できるのと同じです。
詳しく分析すると、陸側に散らばっている岩塊と橋杭岩は同じ岩石でした。
しかし周辺、特に上流側には橋杭岩と同じ岩石は分布していません。
ということは、散らばってる岩塊群は橋杭岩から落石したと考えられます。
でも、ちょっと待ってください!
ではなぜ「陸側」に散らばってるの?
川の流れで運ばれたとすると、陸側へ動くはずはない。
では海の作用と考えられますが、普通の波では、あんな大きな岩は運ばれない。
ということは、津波や高潮などで運ばれたハズ!
そこで各岩塊の位置と大きさを片っ端から測り、「どのくらいの強い波で運ばれるか?」をシミュレーション計算したそうです。
すると、現在知られている過去の最大の津波(1707年宝永地震による津波)でも動かないほどの大きな岩塊もありました。
つまり、もっと大きな津波があった可能性があるということです!
詳細は以下リンクをドウゾ👇
今週の予告
土曜からやっと本調子に戻りましたが、今週は静岡出張の準備等で時間を捻出しにくいため、水曜日に1記事の投稿にします。
記事は既に執筆済みですので、ウッカリがなければ、下記のとおり投稿予定です。
それでは、今週もよろしくお願いいたします。
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