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だいたいは扇状地??:北西部平坦地域【都道府県シリーズvol.35香川県part1】

香川県は地形的特徴から8の地域に分けられます(※筆者個人の見解です)。今回は北西部平坦地域の地形と地質を見てみましょう!

場所は?

再確認します。

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香川県は四国の北東部で瀬戸内海に面した県です。

中国四国地形図_香川県_都道府県名

周辺はこんな感じ。

地形区分

北西部平坦地域はです。

地域市町村もと
地域市町村位置図

宇多津町の全域と、坂出市・丸亀市・多度津町・善通寺市・琴平町・まんのう町それぞれの一部地域です。


地形を見る

では行ってみましょう!

地形図01

香川県は全体的に扇状地が発達しています。

扇状地

赤点線を引いたように扇のカタチが見えますよね。

画像8

そして北西部平坦地域はほぼ全体が扇状地といった雰囲気です。

⑦地域

地域の範囲を描いてみました。
扇状地の中に、ポツポツと山が島状に残っているような感じです。


大地の成り立ち

この地域一帯がどのような歴史をたどって現在に至るのか、地質図を見ていきましょう。


〇ステージ1:中生代白亜紀中期~後期
恐竜がまだ生きていた約1億年~8400万年前、日本はまだユーラシア大陸の一部でした。このとき、大陸縁辺部でドロドロのマグマが貫入し、地下深部でゆっくり冷えて固まりました。
そうして花崗岩花崗閃緑岩が形成されます。

地質図01

図の赤で囲った範囲のうち、ピンク色が花崗岩、赤色が花崗閃緑岩です。
同じ色の地質は周囲の地域にもありますよね。
細切れになってるように見えますが、上を新しい地質が覆っているだけで、地下ではつながっています。

〇ステージ2:新生代新第三紀中新世の中期~後期
恐竜やアンモナイトが絶滅した後の約1600万年~700万年前
この時期に大陸の端っこが引きちぎれ、少しずつ南へ移動し、徐々に日本列島が出来上がります。
花崗岩・花崗閃緑岩は長い年月の間に隆起して地上に出て、海や川に浸食されて山や谷として大地を形成していました。

その上に、火山が噴火して、安山岩や玄武岩マグマが流れます。
こうして安山岩溶岩や玄武岩溶岩ができました。

地質図02

赤丸で囲った黄土色(安山岩)や青灰色(玄武岩)です。
地域内では小規模ですが、安山岩は周囲の地域で広く分布しています。

〇ステージ3:新生代第四紀更新世後期
また時代が飛んで約13万年前~1万年前
花崗岩の上に載った安山岩や玄武岩も浸食され、その谷を埋めるように段丘堆積物が溜まります。

地質図03

赤線で囲った黄緑色です。

〇ステージ4:新生代第四紀完新世~現在
約1万年前から現在。この間も段丘堆積物などが浸食されつつ、河川堆積物(扇状地)が低い地域を埋め尽くし、平坦な地形を形成しました。

地質図00

地域の大部分を占める薄灰色~薄水色~薄緑色の一帯です(もとは薄灰色ですが、透過色なので地形図の色が混ざってしまっています)。
また沿岸部の薄茶色は人工的につくられた埋立地です。


以上、香川県の北西部平坦地域は中生代白亜紀の花崗岩類や新生代新第三紀の火山岩類の上を、第四紀の堆積物が覆って平坦な地形がつくられているのですね。

お読みいただきありがとうございました。


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