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2021年5月の記事一覧

時間ほど平等なものはない

時間ほど平等なものはない

『ルパン三世カリオストロの城』が公開されたのは1979年だそうだ。ということは『エイリアン』と同年で『スターウォーズ帝国の逆襲』の前年だったんだなあ。

ならば、ぼくは小学五年生だったことになる。たしかに、そのくらいだった。ある日、友だちが目を輝かせて近づいてきて、「カリオストロの城を見に行った」と満足そうに言ったのである。それ以上なにも言わない。まるで「マイケルジャクソンと握手した」とでも言うか

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ストリーミングの買い切りが性に合う

ストリーミングの買い切りが性に合う

持ち物の少ないタイプの人にあこがれる。それは、ぼく自身が持ち物が多くて困っているからである。引っ越しがあっさり終わる人がうらやましい。

メルカリやヤフオクに出品する癖をつけなければいけないな~思っている。思っているけど後回しにしているのはめんどくさいのもあるけど、発送の早さについていけそうにないことがいちばん心配だ。

出品者は、みな注文から発送までが早い。ぼくは落札したときには、いつもも通信欄

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剣豪の風格

剣豪の風格

何年か前に、深夜のテレビ番組で「本好き芸人さん集合!」といった企画をやっていた。ゲストはたしか、又吉直樹さん、光浦靖子さん、カズレーザーさんだったとおもう。都心の巨大書店のなかをめぐりながら、それぞれの芸人さんに、本に対する思い入れや、おすすめの本を聞いていく内容だった。

又吉さんが芥川賞をとったあと、しばらく小説に焦点があたった時期があったけど、そういうながれの中で生まれた番組なのだろう。

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だいじなものが抜けているマンガ

だいじなものが抜けているマンガ

問題解決の思考法には、足し算と引き算がある。たとえば、お金が足りないばあいは、もっと稼ぐ(足し算)か、倹約する(引き算)しかない。

気候変動もそう。温室効果ガスを減らす(引き算)か、冷却材をまいたり、太陽光をふせぐなどハイテクを使う(足し算)か、どちらかだ。

ぼくのすきなマンガ『深夜食堂』には引き算のネタがおおい。というか引き算の料理が多い。さいきん気づいた。

深夜食堂は「客の要望に応じて何

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それが気持ちよいのだから、しかたがない

それが気持ちよいのだから、しかたがない

長年「どこかおもしろいのかわからない」とおもっていたマンガ、映画、小説、音楽などのおもしろさが「ある日とつぜんわかった!」という経験はないだろうか?たぶん、だれでも一度や二度はそういう経験があるでしょう?

ぼくも今年デカい経験があったのである。1991年にCDを買い、即後悔したクソアルバムがあった。しかし、それから30年を経て、今年はそのアルバムにハマりにハマっている。スティーヴ・コールマン・ア

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気持ちよくさせるのはテクニック

気持ちよくさせるのはテクニック

1980年代の映画で『スニーカーぶるーす』(81)というのがあった。ジャニーズ事務所の近藤真彦さんの初主演作品だ。当時、マッチといえばおそろしいほどのスーパーアイドルであり、マッチの雄姿をスクリーンで見られるということで熱狂的なファンが劇場におしかけた。

まだビデオデッキすら普及していない時代である。いつでもなんでもYouTubeで見れるいまのファンとは気合がちがう。見のがせば二度と目にすること

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メジャーな人ってタイヘン

メジャーな人ってタイヘン

メジャーな人ってタイヘンだな~と思うのである。

どの世界でも、メジャーな人が「ぐうぜんメジャーになった」などということはない。最初はたまたまラッキーパンチが当たったのかもしれないが、それだけで勝ち続けることなどできない。メジャーに残り続けるには、それ相応の鋭さ、才能が必要なはずだ。

しかし、ここでジレンマが生じる。「類は友を呼ぶ」であり、メジャーに残り続けるほどの鋭さを持つ人は、同じような鋭さ

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