私たちは渦巻く水の中で生きている:今田裕子『Metamorphoses of Water』@Sway Gallery
「水」というものに惹かれる方は多いのではないでしょうか。たとえば日本人であるわたしたちにとって、湯船のお湯のように手なずけられた親しみのもてる水や、音を立てて流れる清冽な川の流れ、そして誰にも制御不可能なおそろしい津波などは、それぞれに心情をゆすぶるものがあると思います。
一方で、芸術作品にも「水」が重要な主題やメタファーとして登場することが多々あります。文学作品ならたとえばいしいしんじさんの『みずうみ』や村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』には「水」が欠かせません。絵画ならば…?イギリスでは『The Great Wave』と呼ばれている葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。
昨年11月のお話ですが、その『神奈川沖浪裏』にインスパイアされた作品を制作されている、ロンドン在住のアーティスト・今田裕子さんの個展がSway Galleryで開催されました。彼女が生み出す渦巻く水の中で、わたしもぐるぐると流されてきましたよ😄
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