自分に優しく~ネガティブ・ケイパビリティ、衣食住&コミュニケーション~【全文無料】
世界各地にアッと言う間に広まり、終息の兆しが見えないパンデミック。1人1人の生活に変化をもたらして、心身にネガティブな影響を与えているかと思います。今回は、何かのお役に立つかもしれないしそうでもないかもしれない(笑)わたしなりのこの時期の過ごし方についての考えを書いていきます😊
今回、一部メディアやSNSで「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念が紹介されています。わたしはたまたま、昨年9月の上の記事でこれについて書いていました。「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉は、イギリス人詩人ジョン・キーツが考案したものだからです。
ネガティブ・ケイパビリティについては、尊敬する作家・精神科医の帚木蓬生さんが上記の素晴らしい本を書かれています。詳しく知りたい方はそちらをお読みください。
ネガティブ・ケイパビリティは直訳すると「否定的な能力」。そのままだとなんのこっちゃという感じですが、具体的には「物事の結論を即時に出さずに、あいまいかつ宙ぶらりんにして耐える能力」とでも言えるかと思います。つまり、突き詰めすぎない。
今、わたしたちに起きている変化は途方もなく大きなものです。社会的なルールがしょっちゅう変わって翻弄され、気持ちが暗くなるニュースばかりが流れ、収入を失ったり、したいことが制限されたりと、ストレスの溜まることばかりですよね。SNSなどで拝見していても、孤独感や家族との折り合いなど「ただ家にいるだけ」でもしんどい方も非常に多いと推察します。
そんなストレスフルな状況の中で、1ヵ月後にはどうなっているのか?1年後は?2年後は…?そんな風に考え始めるといくらでも悪い想像ができるし、ますます心が疲れてしまいます。みんなそれぞれに責任ある大人だから、考えざるを得ないのだけれど、考えてもしょうがないし、自分ががんばって何とかなるような規模の問題でもない。だから余計に苦しい。
そんな中で、まずは「こんな状況だからそりゃストレスも溜まるよ」と現状を認め、次に「じゃあ何ができるかな」と考えることは自分にとっても自分の周りの人たちにとっても非常に重要だと考えます。ストレスを和らげる具体的な方法を知っているのは、本人だけかもしれません。Aさんに有効なことが、Bさんにはむしろストレス…っていうことはよくあるはず。
ですから、以下には「衣食住」「コミュニケーション」を軸とした、わたし個人のストレスの緩め方を書きます。具体的に参考になるかならないかはわかりませんが、ネガティブ・ケイパビリティの姿勢の提示として。
【衣】
ほとんど着物で過ごしていましたが、自分でも驚くほど着物を着るためのエネルギーが落ちてしまいました。ロックダウン前は、毎朝「今日は何を着ようかな」と考えて、「うん、この着物にしよう~♪」と自然に選べていたのが、今はパジャマのままでいいじゃんとか着替えてもUNIQLOとか(笑)。
ただ、この気持ちはまた変わっていくようにも感じています。うっすら「着物が着たいかも」と思う日もあるから。でも、今はまだ、大好きすぎる着物を着るほどのエネルギーがわいてこないのでしょう。そこは無理をしない。「がんばってテンションを上げる」のは時によっては逆効果で、それは一時的には気分が良くなっても、その後にまた気分が下がったときの落差で疲れてしまうからです。気分が低空飛行なら、衣類も低空飛行でいいかなと。
【食】
これも無理をしないのが大事だと思っていて。食欲がわかないときは1日1食+軽食(バナナとビスケットとか)で暮らしています。料理が面倒なときは、缶スープ(イギリスの缶スープは種類豊富でおいしい…)をチンして食べる+苺を数粒だけみたいなことも。極端な多食または小食じゃない限り、多少ゆるくてもいいと思っています。そもそも運動量が少ないから、摂取カロリーは若干控えめでいいかなと。おかげで1キロくらい痩せました😆
水分はたっぷり摂るようにしています。わたしはカフェインを摂取すると興奮効果を感じるタイプなので、週に3回くらいすごく飲みたいときだけにして、その他のときはほうじ茶やたんぽぽコーヒーなど、カフェインが少ないものを。あと、心を落ち着けるのにミントティーとカモミールティーが重宝しています。ミントはその爽やかさ、カモミールはこの上ない優しさで、どちらも緊張を和らげ、心のささくれを取ってくれます。人によると思いますがわたしの場合は効果絶大なので、東京でのOL時代にストレスが溜まったときもよく飲んでいました。
【住】
基本的にほとんど家にいるので、住環境は大事だと思っています。ここが、今所属している小さな世界だからです。ベッドシーツをこまめに洗濯したり、お風呂や水回りの掃除をしたりするのは(ロンドンは硬水なので、放置するとすぐ水垢が溜まるのです…)、しんどすぎない小さな気分転換としてちょうど良い感じ。これもあくまでがんばりすぎず。1日1個やったら「おお、よくやった」と思う程度にゆるゆると(笑)。
食品を確保することももちろん大事ですが、日用品も少しずつストックを増やしています。具体的にはいつも使っているフランス製の化粧水やリップクリーム、キッチン用洗剤、UNIQLOのスリッパなどなど。行く末はわからないとはいえ、わたしは少なくともイギリス(ヨーロッパ)では、この先しばらくするといろいろなものの価格が上がったり、外国製のものはとくに入手しづらくなったりする可能性があると考えています。まあ、そうならなければそれはそれで良いので。半年~1年間の間に確実に使用するお気に入りの消耗品は、心の平穏のためにちょこちょこ買っておくつもりです。
【コミュニケーション】
わたしは基本的に内向的なので、ごく親しい数人の人を除き、自分から人に連絡することがもともとほとんどありません😅SNSではそれなりの人数の人とつながっていますが、今はお休みしています。やっぱり読んでいてしんどい話やニュースが多いし、まあそれは仕方ないとしても、わりと平気で外出したり人種差別的な発言をしたりする人が、知人でさえけっこういるからです。他人事だからスルーすればいいんですが、見ていると感情が動いて疲れちゃうから見ない(笑)。
ですから、親しい友達や家族とメッセージしたり、2~3日に1回くらい通話やビデオ通話をしたりという程度で、かなりコミュニケーションの間口を狭めて生活しています。それでも寂しくないのはやっぱり性格なのかな?友達はみんな穏やかで優しい人たちなので、精神的に支えられています。今日はイングランド人のお友達が、お庭の薔薇の花の写真を送ってくれました♪
あっ、もちろんここで好きなことを書かせていただいているのも癒しになっています。お読みくださっている方にはとっても感謝しています💓
上記は「とにかく心を優先して無理をしない。わりとだらだら暮らす」というわたしの例ですが、いろんな方がいろんなマインドフルネスの方法について書いていらっしゃいます。イライラや不安に押しつぶされそう…という方は、完全に解消することは無理でも和らげることは可能だと思うので、近しい感性や考え方の方がいれば、参考になさるのもいいかもしれませんね😊
また、わたしはライオンブリッジという世界最大規模の翻訳会社にフリーランス翻訳者として所属しているのですが、同社は「社員や翻訳者に心身の健康を守ってもらうために」と、上記のGrokkerというサイトを無料で使えるようにしてくれました。英語サイトですが、フィットネスやヨガ、料理、マインドフルネスのオンラインクラスに参加したり、動画を観たり、読み物を読んだりできます。会社員や団体所属の方は、日本でもこういう福利厚生がこれからできてくるかも?と思ったり✨
ともかく皆様が、この困難な時代に、ご自分に優しく接することを通じて心身の健康を守られることを願ってやみません。今日一日、明日一日を、どうぞお元気にお過ごしくださいね💞
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