【男の人は奥に座ってもらいなさい】
年頃になり、男性とレストランやカフェに行くと、男性をソファ席、もしくは通路側ではない席に座るよう勧める。これは、父の教えだ。
「男の人と外食する時、奥に席を座ってもらうよう、勧めなさい」
父の理由として、男性の方が体が大きく、足を広げて座るので、ソファ席の方がゆったり座れるから。また通路側は、人の往来で落ち着かないので、自らが率先して座れということだ。
人へ配慮という点ではとても優しい。なので、男性に限らず、一緒に食事やお茶を飲む人には、奥の席に座ってもらう。
ただ、そんな単純なことでは済まない場合もある。ソファ席が破れていたり、汚れている場合や、「トイレが近いから」とあえて通路側を好む人もいる。そうすると、私の中で若干の混乱が起きる。
父は、男尊女卑的な考えは確かにあった。それと同時に、他者への配慮を重んじ、「我、先に」という振る舞いを嫌った。いつ何時、自分のことよりも、まずは人を気遣える余裕を持てる人間になってほしかったのかもしれない。
「どうぞ、先にお好きな席に座ってください」
追記:lazy_planetさんの写真を使わせていただきました。ありがとうございました。
「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。