ko-koa

ショートっぽいものから日々思うことまで適当に呟いています。 映像、写真、その他模索中

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最近の記事

鳥は夏の夢をみる

 走り始めてからどのくらいたったのだろう、周りの景色は身体を鍛えていくにつれて早く過ぎていくのが心なしか少し悲しい。  ドロドロとしたまどろみをもがきながら進んできた毎日は、いずれもただ、消費に過ぎないだけだったかもしれない。それでも、ここまでこれたのは、まあ運としかいいようがないのだが。  間違えてしまったことを考える。夕焼けの中目も暮れず飽き飽きと考えていた事。落としてしまった財布のこと、消えてしまった虹の事、あの人の泣きそうな顔。日々良ければ全て良いはずがない。真実は歪

    • 呼吸

      明るく日差しの強い日だった。 窓からカーテンに靡かれて暖かい春の匂いと日差しが差し込んでくる。目を開けて体を起こしてみる。体はまだだるい。布団から出るのにはまだ早いと体が言っている。しかし太陽はそれとは違う場所まで登っている。残念だが今日はそんな気分ではないんだ。気持ちの良い日はできれば他の日がよかった。 「今日はダメだよ」 「そんなことを言われても」 私はただ今日という日に縛られていたくはなかった。しかし仕方ない。運命はめぐってくる。 20年の私へ。すべてを受け入れて、抗え

      • 今日の後で

        ここ数日晴れの日が続いている。今年の暖冬は過去最高を記録しておりやけに世間は行動的な日を過ごしているらしい。風になびくカーテンをぼうっと見つめながら過ぎていく時間を消費していた。朝の気温は10度を超え、動物全体的にも過ごしやすい気温だろう。柔らかな少しだけ冷たい風が頬を伝っていく。肺いっぱいに空気を吸い込みゆっくりと吐き出す。冬の匂いが少しだけした。私はそのまま仰向けになり天井と向き合う。本日130回目の寝返りを終えたところで体を起こすとするか。そうして体を起こし、出窓から青

        • 誰そ彼

          あれからどのくらい経ったのだろう。足取りの重いのはあの日から変わらない。彼女がこの世をさってから僕は色のない世界を見てきた。青い空に眩しい太陽、蝉の鳴き声や噂話、子供が親を呼ぶ声。それらは眩しすぎるので遠ざけるように生きてきた。味気のない人生をビーフジャーキーのように噛み続け時間だけが通り過ぎて行く時間が過ぎた。もういいのではないか。 電車を降りて旅行代理店の横を通り過ぎると、三年前に彼女と行った長野のパンフレットが見えた。僕は思わず手に取り中を開いて見る。三年も変わるとポイ

        鳥は夏の夢をみる

          眩しい光がカーテンを貫いて部屋の中から青い空が見えるほどの日。心地いい風が僕の方を撫でていく。こんなにいい天気なのに僕は家に引きこもったっきりだ。お金がないわけではない、その気になればアホみたいに遊ぶ事だってできる。それをさせないのは良すぎる天気に嫉妬しているのか、ただの怠惰なのかまあそこら辺だろう。なぜだろう、天気がいいと人間は未来の事をかんがえる。どこかへ行こうとか、遊びに行こうとか。どうしようもない僕はさらに先の未来を考えてしまう。本当しょうもない事だ。このご時世明るい

          私はノートを開いた。そこにはみたくもない数式の羅列が永遠に続いていた。論理的な考え方、計算力、またそのような言葉でまとめられたものたちは私にとって目の敵でしかなかった。親や先生は将来の為と言うが本当にそうだろうか、未来なんて誰にもわかるはずないのにそのように言うのは嫌いだ。いらない苦労をするのはごめんなんだ。 ふと窓から外を見た。そこには文系に進んだ子達が部活前で暇だからと言って馬鹿騒ぎをしている。私だって遊びたい。バイトだってしたい。お金を自分で稼いでたくさん使いたい事があ

          私の価値

          『それで、icoがすごい可愛かったんだ!』 私は友達に送りつけ、話題になる事を考えながら送信した。すると 『そうなんだー』 こんな短文で済ませやがって。そんな思いでまた送る。 『好きだったよね!今度一緒にいこうよ』 『気が向いたらね』 ため息をつき、ベッドに寝返りを打つ。量産系自称カースト上位の層はいつもこうだ。かといってサブカルに生きている者たちとも気があうわけでもない。教室でも私は声をかけても交わす言葉は挨拶と巷で流行っているicoについて話す時だ。流行りに乗っかってるの

          私の価値