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【短編】男雛と女雛の末路

ひな祭り翌日に出された資源ごみ。
女の子が生まれた時に、誰かがそれを喜んで送った雛人形。
ガラスケースに入った男雛と女雛は、毎年、女の子の健やかな成長と幸せな結婚を願い続けた。

ひな祭りの翌日。
その雛人形は粗大ゴミに出された。
粗大ゴミ回収のシールを貼られて。

昭和時代、団地の狭い部屋の中で、ガラスケースの男雛と女雛が祈り続けた少女たちの幸せな結婚。
もう、それでは満足できないのかもね。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!