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闇シリーズ~細胞の傷 ☆躁からの鬱日記

真っ暗な暗闇の広い平野の中を
一台の車が静かに走る
たまに窓に映る光が蝋燭の光みたいで
怖くて 怖くて…
幼い私は耳を塞いで縮こまった
そして
車の後部座席で震えながら寝たふりをした
暗い山々に囲まれた
真っ暗な細いその道は   
まるで地獄の谷底を走っているようだった

腰の曲がってきた白髪混じりの"あの人"の
一生続く背中の重みを…

あの伝えようのない暗さを 
いったい誰が理解出来るのだろうか        
誰が救えるのか?
そして

たまに始まる私の心の硬直

あの恐怖心   言葉では言えぬ不安を
誰が理解できるのだろうか

なぜ自分がこの暗さを
背負わなければならないのか?

あの一族の心からの笑みを見たことがない
暗さの積もった苦しみは いつの間にか
怒りとなり破裂する   そして 萎んでまた
膨らみ破裂する
いつまでたっても
この無限の暗さからは抜け出せない

だれが どうこの狂った歯車のような
運命の苦しみを慰めようか

だれが理解できるのか?

死ぬまで終わることの無い暗さを
抱えながら
"あの人達"は孤独の中を生きてゆく

そしてお互い許しあっても
運命を受け入れても 私の心の細胞は
あの恐怖を一生覚えているのだろう

だから私はこれからも
世の中の人々の怒りと向き合い
それを消しながら
生きて行く運命なのだろう

世界の怒りが1つでも消えるように
暗いながらも
なんとか明るく生きて行こうとするのだろう

《おしまい》


















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