半年間の四つの節目
今年ももう半分か思いながらふらりと7月に入った。
何気なく過ごしてきたようで、振り返ると濃厚な半年間だったように思う。
人生の節目が四つもあった。
どれも私にとって大きな変化だった。
一つ目は、結婚したこと。
去年のクリスマスにプロポーズを受けて、1月には入籍した。
2年以上同棲していたので生活は大きく変わらなかったけど、愛する人と結ばれて永遠を約束するというのは本当に幸せなことだった。
夫と出会う前の私は結婚願望もほとんどなく、恋人も8年いなかった。
底を這うようにのろのろ生きてきた私にも幸せな日々が待っていた。
生まれて初めて、生まれて良かったと思った。
この人となら長生きしてみたいと思った。
何となくでも生きていれば温かい巡り合わせがある。
夫婦で長生きするという、人生の目標ができた。
二つ目は、猫を家族に迎えたこと。
猫と暮らすというのは私と夫の夢だった。
去年の冬に話が進み、保護猫の譲渡会に参加して、入籍前に迎えた。
猫を迎えたことで生活が変わった。
旅行や帰省は難しくなったけど、日々の何気ない瞬間がますます愛おしいものになった。
不調な体で夫の帰りをじっと待っていた毎日が、猫たちがいることで楽しい時間になった。
ソファにふたりと2匹で寛ぐ時、夫と猫の温もりのなかで眠る時、家族を感じて胸がじんわりとする。
私たちは子供が欲しくない分、たっぷりの愛情でこの子たちを育てていきたい。
三つ目は、遠い田舎町へ引っ越したこと。
夫の転勤は決まっていたので、引っ越すつもりで気持ちは整えていた。
道内ならどこでも可能性があったのでドキドキはしていたけれど、まさかこんな遠くの田舎町に住むとは思わなかった。
田舎育ちの私もびっくりの田舎で、北海道に住み続けていても行かないような場所だった。
転勤先を聞いた時はどこ?から始まり、ふたりで笑うしかなかった。
何もないけど静かで長閑な町で、住み慣れてきた今では気に入っている。
のんびり屋の私たちには合っているかもしれない。
しばらく田舎暮らしが続きそうだけど、こぢんまり暮らせたら十分だ。
四つ目は、30歳を迎えたこと。
そろそろ20代もおしまいか、とはぼんやり思っていた。
特別なことはしなくても、29歳の最後のひと月は少しだけ大事に過ごした。
29歳から30歳になるというのは、年を重ねるのはひとつでも、階段をいくつも上るような感覚があった。
三十路という響きの強そうなこと。
ハタチの響きは柔らかいのに。
30代に入ったから何かが大きく変わったというのはないけれど、もう若さは武器にできない。
若いというのはそれだけでチャーミングだった。
剣にもなるし盾にもなる。
今私に残された武器を考えても浮かばなくて、年齢に臆さず色々なことに挑戦してみようと思った。
強い武器じゃなくても世を渡り歩けるくらいの剣と盾は持っておきたい。
大きな節目が4つもあった2024年の前半も、気持ち穏やかに過ごすことができた。
どの出来事も私の人生の良い転機だと信じているし、明るい道に繋げられるよう努力していきたい。
後半の半年も、大きな出来事があってもなくても、穏やかに日々を守っていけたら良い。
優しい秋、温かな冬を迎えられますように。
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