浪人って実際どう? 〜1浪して東大に入った私が現実的アドバイス〜


 この記事では、浪人するか迷っている・悩んでいる方、浪人しようと思っているが不安を抱いている方に向け、1年間浪人生活を送り東大に合格した経験を持つ私が、現実的なアドバイス及びエールを送りたいと思います。
 

 多くの悩める受験生に届けばと願い、魂を込めて踏み込んだ内容を綴ったつもりですが、私の発信力は微々たるものなので、気にいってくださった方はぜひ本記事を広めていただけるとありがたいです。


1. 差別等の心配はしないでほしい

 浪人を考える方は、大学に入って友達ができないんじゃないか、差別されるんじゃないか、色々不安になっているかもしれません。でも、大学というコミュニティーはそんな冷たいものではないので安心してください。

 確かに、高校生まではみんな同じ年齢で同じように歩んできたと思います。しかし、大学には浪人して入る人もいれば、留学生として外国から学びに来る人、社会人になってから改めて大学に学び直しにくる人、留年や休学する人、いろんな道の生き方をしている人がいます。いわば多様性こそが尊重されるコミュニティで、人を年齢や性別・国籍等で差別するというのは「ダサい」という価値観がある程度共有されるように思います。

 むしろ浪人生活はあなたにとって貴重な経験値・財産にさえなります。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」というのはよく言ったもので、この多感な時期に痛い目を味わっておくおくことで、大きな人間的成長を遂げることもできると思います。

 確かに浪人生は、高校生でも大学生でも社会人でもなく、社会的に一体何者なのか心理的に不安定になるとは思います。しかし、予備校の種類にもよるかもしれませんが、予備校生にも学割は認められますし、通学定期も買えます。社会的にも学生として一定の生きやすさはあるということです。


2. 金銭的負担はある程度長い目で見て考えよう

 予備校に行くと高くつくから厳しい・・・と金銭的事情から悩んでいる受験生もいるかもしれません。しかし、金銭的負担は目先だけでなくもう少し長い目で検討してみましょう。

 例えば、私立大学と国公立大学ではかかる学費にある程度差があります。4年間や6年間通うとなると、そこそこの金額差になるでしょう。自宅から通学圏内の大学に進むか、一人暮らしをするかによって出費もだいぶ違ってきます。
学費等を払うために借りた奨学金の返済で何十年も苦労する人もいます。こうした大学生活でかかるお金が進学する大学によって変わってくることにも意識を向けてみましょう。1年間浪人生として頑張った方が安くつくといった場合もあるかもしれません。

 というのも、世帯の収入によって割引制度を設けている予備校もあります。家が貧しいから予備校代出すのは厳しいと考えている方は調べてみてください。
また、模試の成績等によって授業料を返金してくれる制度を設けているところもあります。
 私自身、母子家庭で金銭的余裕はなかったのですが、こうした制度のおかげで、最初の授業料の3/4ほどが返ってくることになりました。珍しいケースであるとは思いますが1つの参考になればと思います。


3. 本当に浪人する必要があるか

 しかしながら、やはり、本当に浪人すべきかについては今一度考える必要があるとは思います。浪人生活はやはり相当つらいものなので、一過性の気持ちだけで背負うべき苦労ではないと思うからです。以下、志望校合格のために頑張ってきた受験生には気持ちの良くない話になるかとは思いますが、正直な今の私の考えを書きたいと思います。

 まず、広い視野で考えた時、「大学の価値は相対化」していると考えます。確かに、大卒の肩書きは必要だったり、有名大学出だったりすると就活で有利になるといったことはあるかもしれませんが、昔より実力主義で、個人個人がどんな能力を持っているかによって評価される時代になってきていると思います。この傾向は今後ますます強くなると私は考えています。大学がどこであれ、4年間や6年間でよく学び、様々なことを経験して実力をつけていくことこそが大切なんだろうと思います。

 また、コロナ時代はオンライン授業となり、キャンパスに行くことも、大学で友達を作ることもままならない現状があります。残念なことに、人と出会い・繋がるといった大学の価値は一部失われてしまっているとも思えます。皮肉的に言えば、どこの大学に進むかは現実としてどこのリンクの動画を見るかの違いくらいでしかないのかもしれないのです。

 そして、進む大学によって人生が決定されてしまうようなことはまずありません。私は東大生として4年間過ごしてきましたが、「東大生じゃないとなれない職業」というのは今の自分には思いつきません。テレビを見れば東大生になればクイズ番組で活躍できるなんて妄想するかもしれませんが、そんなのはほんのごく一部の人の話で、大半の東大生は、講義、サークル、バイトなど他の大学生とそう変わらない日々を送ります。

 念願の大学ではなかったけれど、とりあえず入れる大学に入ってそこで実力をつけていくというのでも十分に充実した学生生活が送れるかもしれません。


4.それでも頑張る受験生、応援します

 3で書いたことを受けてもなお、夢・目標を追ってもう1年頑張るぞという受験生もたくさんいるのを知っています。目標を下げたくないという情熱やどうしてもあの大学で学びたいという憧れかもしれません。そんな強い思いを持っている方はぜひそれを大事にしてほしいです。

 確かに、浪人しても成績が伸びない人もいます。一緒に頑張ってきたのに志望校を途中で諦めてしまったり、落ちてしまう友人もたくさん見てきました。受験は残酷です。私も身をもって経験しています。

 しかし、1年間本気で頑張れば、大きな成長をすることができるのも本当です。
私は現役時は東大模試はC判定しか出せず、受験でも惨敗してしまいましたが、浪人期に必死で頑張り予備校の先生方のサポートもあったおかげで、夏の模試で一気に全国8位にもなり、その後もA判定を安定してとって結果念願の東大文科一類合格することもできました。この時期の挫折・努力・成長は私の大きな財産だと思っています。
(浪人期の勉強法は様々な工夫してきたので、そうした内容も今後記事に書いて行けたらと思います。)


きっと、強い気持ちを持った皆さんも、大きな成長ができると思います。
頑張ろう、受験生。
私は応援しています。


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