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プラスチックと共に生きる。

最近テーマにしていたプラスチックとの共存について。
まずは、プラスチックとは何なのか。相手を知るところから始めてみませんか?
何となく環境や人体に良くない気がするプラスチックですが「プラスチックって何?」と聞かれたらあなたならどう答えますか?

基本的な知識は、プラスチックフリーを考えた時に最初に手にする参考書「プラスチックフリー生活」からです。
自分なりに要点をまとめ、足りない情報は追加で調べました。
もっと知りたい!そして始めたい!と思ったらぜひ本も読んでみてください。

この情報だけを信じずに、気になった事があればご自身で調べて頂き私にも教えて下さいね!
それではどうぞ。

・プラスチックとは
・プラスチックの現状
・プラスチックの問題点
 ー環境問題
 ー健康問題
・代表的な5つのプラスチック
・プラスチックフリーへの6つの「Re(リ)」アクション

プラスチックとは

ポリマー(高分子物質)が鎖状に繋がってでできた物質の内、その材料が人工的に作られた合成樹脂の事。
プラスチックは学術用語でレジン
・天然樹脂:セルロース、天然ゴム、たんぱく質、DNAなど
・合成樹脂:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、テフロンなど

2つに分けられるプラスチック

熱可塑性プラスチック…加熱で溶け、リサイクルできるが品質は低下する。(ダウンリサイクル)
熱硬化性プラスチック…形を保ち溶けない。高熱で焦げてボロボロになってしまう為、リサイクル不可。耐用年数後は廃棄物となる。

プラスチックの現状

プラスチックの年間総生産量は約3億1000万トン。2050年までにほぼ4倍の増加が見込まれている。
石油の年間消費量の4%がプラスチック原料として。さらに4%がプラスチックの製造工程で消費される計算。
プラスチックの内、パッケージになるのは26%
リサイクルされているのは14%
40%はゴミ処理場行き。

さらに、ゴミ処理場行きの内の32%(約2500万トン)はゴミ処理ルートを抜け出して毎年自然界に流れ込んでいるという。
※数字は2014年時点

プラスチックの問題点

環境問題

生分解性が無い(もしくは分解までに数百年から数千年を要する)為、地球上のさまざまな場所でゴミとなったプラスチックが蓄積し環境を汚染している。

土壌…地質学的にもプラスチックの層ができていることを発見されたり、プラスチックが混ざっているプラスチック礫岩が出現するほどの地球規模での変化にまで至っている。

空気…プラスチックが野焼きされる事で、BPA(※1)などの環境ホルモンや化学物質、マイクロプラスチックが大気中で検出されている。

…2015年時点で、数にして5兆2500億個、重さ24万5000トンのプラスチックが海に浮かんでいるという。
しかしこの量はこれまでに海に流れ込んだと推計されるプラスチック量のたったの「1%」に過ぎない。
つまり残りの99%は水面下に沈んでいるという事。

2025年には海中のプラスチックと魚の割合が1:3になる予測で、2050年には海中に魚よりもプラスチックの方が多くなるとも。
海に流れ出るマイクロプラスチックの問題→プラスチックは海に流れ出ると波や紫外線によって劣化し細かくなり5mm以下のマイクロプラスチックとなる。

マイクロプラスチックは魚が餌と間違えて食べてしまい、またプラスチックは他の化学物質(ダイオキシン、放射性物質、重金属など)を吸着していく為、食物連鎖を経て毒素が濃縮する生物濃縮が起き、それが健康被害へも繋がる。

※1 ビスフェノールAという名の女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を持つ化学物質の事で、その性質から多くの健康被害が確認されており各国で使用が禁止されていたり制限が設けられている。

健康問題

プラスチックだけでは実用性を伴わない為、製造工程で大量の添加剤も使われている。(プラスチックは添加剤がないとカビます。)

添加剤の種類には着色剤、芳香剤、可塑剤、充填材(カサ増し)、硬化剤、安定剤、滑剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、抗菌剤などがある。

これらの添加剤が人体に有害で、添加剤はプラスチックとは化学結合していない為容易に漏れ出てしまう。

プラスチックと添加剤をパスタソースに例えたお話

パスタの束が、ポリ塩化ビニルの長いポリマー。ソースが可塑剤のフタル酸エステル。
(ポリ塩化ビニルはその重さの最大55%が可塑剤でほとんどがフタル酸エステル。)

パスタとソースはどんなに混ぜても絡み合うだけで一体にはならない。可塑剤はこんな具合に不安定で、時と共に必ず漏れ出てくる。

特に摩耗や熱、さらには皮肉にもパスタとよく合うトマトやレモンのような酸に晒されると漏れ出す危険が高まる!

プラスチック容器に本物のパスタソースを乗せれば、油っぽい酸性のソースと容器の添加剤の間で相互作用が始まり、さらにそれを電子レンジにかけてしまえばあら不思議。プラスチックソースで出来たパスタの出来あがり♪

プラスチックについた油汚れが中々落ちにくい経験はありませんか?それは、油の一部が容器の一部に入り込んだから。そしてその逆もまた起きていると言う事なのです。

代表的な5つのプラスチック

ポリエチレン(PE)…シャンプーリンスの容器、コンテナ、バケツ、包装材(袋、ラップ、食品チューブ)など→酸に弱い、80℃以下であれば添加剤が溶ける可能性が少ない

ポリプロピレン(PP)…自動車部品、家電部品、包装フィルム、食品容器、キャップ、トレイ、繊維など→酸に弱い、80℃以下であれば添加剤が溶ける可能性が少ない

ポリスチレン(PS)…OA機器、CDケース、食品容器(発泡ポリスチレン)、梱包緩衝材、食品用トレイ、カップ麺容器、畳の芯→油で溶ける性質を持っているので危険度高め。耐熱温度が70~90℃なのにも関わらず、熱湯を注いで更には油も使うカップ麺の容器に使われているということは?!

ポリ塩化ビニル(PVC)…上・下水道管、継手、雨樋、波板、サッシ、床材、壁紙、ビニルレザー、ホース、農業用フィルム、ラップフィルム、電線被覆など→ケトン、エステル、芳香族炭化水素で膨らむまたは溶ける。にも関わらず製造工程でフタル酸エステルが約半分は添加されているということは?!

ポリエチレンテレフタレート(PET)…衣料、ベットボトル、惣菜・佃煮・フルーツ・サラダ・ケーキの容器、飲料カップ、クリアホルダー、写真フィルム、包装フィルムなど→非耐熱のペットボトルで50℃、アルコール濃度は20%が限界値。酸にも非常に弱い。ペットボトルは内面をコーティングされている物も多い。使い捨てを前提とされている為、繰り返し使うと危険度が増す素材。酸性に弱いのにフルーツなどのカット果物が切られて汁気のある状態でこのカップに入っているという事は?!

こういう話をすると、考え過ぎなのでは?とか普段口にしているけど、自分には健康被害がない。という人もいると思う。化学物質や環境ホルモンを体内に取り込む事で影響が出てくるのは、自分から先の子や孫の世代。
人から人が生まれる時、物凄く小さい世界から始まる。その小さな命が、自分の体に蓄積された化学物質の影響を受けないと言えるでしょうか。

それから、少し話は逸れるかもしれませんが食品添加物が毒物と大きく違うのは普通毒物は体内に取り込まれれば取り込まれるほど、比例的に体に影響が出てくるのに対して、食品添加物はそうではありません。
少量でも発症することもあれば、大量に摂取するとむしろ体が異物だと反応して受け入れずにシャットダウンし排泄してしまう事もあるとの事なのです。もちろん、個人差もあります。

例えばの話ですが、カップラーメンを1日1個一週間食べるよりは、一週間分のカップラーメンを1日で食べてしまう方が体への影響が少ないと言うことなのです。

現在私たちはプラスチックとは切っても切り離せない生活環境にあります。
なので、大事なのは目を背けずに向き合いそしてその後にどう行動するのかではないでしょうか。

そして、プラスチックだけが悪者な訳ではありません、その責任は生み出して使っている私たちにあり被害を受けているのは地球全体です。排除する事を考えるのではなく、課題は今後どうやって「共存して生きるのか。」共に考えアクションしていきましょう。

プラスチックフリーへの6つの「Re(リ)」アクション

Refuse(受け取らない)…現在の日本では買えば必ずと言って良いほど包装として付いてくるプラスチック。何も考えずに普段の生活をしていれば受け取らないことはほぼ不可能です。少しずつ増えているプラスチックに対する意識の高い個人・団体・企業の情報をキャッチしながらマイバッグやタンブラーなど出来る事から始めてみましょう。

これ以上未来にプラスチックを蓄積しない為にも1日1改善。ネットショッピングの際は、備考欄に過剰包装不要などの要望を書いてみると対応してくれるところもあるみたいですよ♪

Reuse(繰り返し使う)…究極は家庭内でのリサイクルやリユース。家からプラスチックが出なければ、自然界に流出する事も防げます。プラスチックだからと言って排除せずに使える場所では使い続けましょう。また、自分の家で不要になっても他の家では必要かもしれません。知人友人に譲ったりフリーマーケットを利用したりなど自分以外の人の手で繰り返し使ってもらう事も考えてみてはいかがでしょうか。

Repurpose(他の目的に使う)…整理収納アイテムに変身させたり、使う場所を変えればこれまでとは違った使い方が出来るかもしれません。1つのアイテムを様々な角度から見る事で新たな発見があるかもしれません。

Repair(修理する)…安く買ったものや、使い捨て前提と思っているものは壊れてしまえば「また買えば良いや。」となりがちです。ヒビや割れが入った物も買い換えず、同じ用途で無くてももう一度使えないかを一度考えてみても良いのかもしれません。

Reinvent(作り変える)…修理した結果別の用途になった場合はこちらに当てはまります。それから、PPP(precious plastics project)は他の項目にも当てはまりますが作り変えることが出来る物の幅が広いので、最もこの項目に当たるのではないでしょうか。知らない方はぜひリンク先もご覧ください。

Recycle(資源化する)…これはある意味最終手段で、家庭ではどうにもならいなと思ったら資源としてリサイクルしてくれる所に回収してもらうのも1つの手です。ただし、やはり資源化してもリサイクル率のことを考えると未来のゴミとして蓄積してしまうものも少なくはないので安易に利用しない心持ちで居たいものです。

最初は途方も無いように感じた問題も、少しずつ紐解けば解決の糸口も見えて来たのではないでしょうか。

こんな私達もまだまだ実践出来ていることは一部です。知って勉強する事で改善すべき事も見えてきました。また、何度も繰り返し自分に問いかけたい事なので繰り返し自分自身でも読み返して都度生活に生かしてアップデートしたいです。私達とプラスチックとの共存生活にお役立ていただけたら幸いです。

ではまた。

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