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フランス最大のBIO展示会“Marjolaine le Salon Bio”潜入レポート (パリ節約自炊生活番外編)

少し前ですが、フランス最大のBIO展示会“Marjolaine le Salon Bio”に潜入してきました。最近展示会おばさんと化しています(笑)日本ではなかなか馴染みのないBIOですが、欧州では大人気、どこのスーパーでも見かけるし専門店もそこかしこにあります。BIOの人気の理由や背景について、展示会を通じてご紹介したいと思います。

◆BIOって何?

BIOとは Biologique の短縮で、日本で言うオーガニックや有機栽培の事です。上の写真の「AB」マークはAgriculture Biologique(有機栽培)の短縮で、フランス農業省の認可を得た製品につける事ができます。その下の星で葉っぱを描いたマークが欧州基準のBIOマークで、フランス国産品は並記、輸入品は欧州マークがつけられている事が多いです。ちなみに、フランスの基準の方が欧州基準より厳しいそうです。

フランスではとにかくこのBIOが人気で、専門店もあちらこちらにあります。2006年のJETROのレポートによると、

・フランス人の 84%はビオに対して肯定的なイメージを持っていて
 ・フランス人の 42%が最近 4 週間の間にBIOを購入ていて
・消費量は年率7~8%で増加している

という事で、日本のオーガニック市場に比べてフランスのBIO市場がいかに大きく、市民権を得ているかがお判りいただけるかと思います。

上の写真は近所の「Bio ´c Bon」というオーガニック専門店。最近日本にも進出し、麻布十番や中目黒などハイソなエリアを中心に東京・神奈川で6店舗出店しています。専門店だけあり、食品は言わずもがなですが、ペットフードから化粧品から殺虫剤まで、あらゆるBio製品が売られています。

◆個性豊かなBIOの食品

この展示会は即時購入もできるため、様々な食品が展示即売されています。上の写真は希少なりんごを生産している農家の方。通常のスーパーでは見かける事ができない個性豊かなりんご達が可愛らしいですね。

BIOと言えば肉製品もかなりの出店者が出ていました。写真には写っていませんが、この右側には頭の付いた子豚さんが丸々1頭横たわっていて、お尻の方から徐々にカットして販売されていました。

BIOと言えばチーズも有名。カビのつき方が本格的、というかギリギリ、というか崩壊寸前…でも美味しそう。

生牡蠣もBIO!生牡蠣がどうBIOなのか勉強不足でわかりませんが、フランスの食品展示会恒例、ブース内では午前中から酒盛りが始まっています。

ワインはもちろんビールもBIO!フランスの食品のBIOの範囲が非常に広い事がお判りいただけると思います。

◆個性豊かすぎる出店者

「フランス最大のBIO展示会」という事で参加しましたが、BIOという言葉が含有する意味や価値観が広いなぁと実感しました。ここからは写真で個性豊かな出店者をご紹介します。写真上は植物コーナーで、植木や種や球根もBIOの展示会で1コーナー出来ていました。

こちらは最近日本でも話題の布ナプキン。布がBIOという事ではなく、ゴミが出ないエコなライフスタイルの提案のようです。

こちらはブースの一角で行われていたスローライフセミナー。BIOとスローライフはもちろん別物ですが、そういう事に関心のある人が集まっているという事のようです。

こちらは家具コーナーにあった畳のあるライフスタイルの提案。畳もまた、フランスの方から見るとエコでサスティナブルなライフスタイルなのかもしれません。

こちらは「Kaizen」というライフスタイル雑誌。自動車工業系の雑誌かと思いきや、エコでサスティナブルなライフスタイルを提案する雑誌のようです。kaizenという言葉の意味に足枷をはめずに上手く活用しているのは、欧州の方が一歩上手かもしれません。

ここまでくるともうだいぶBIOから離れている気がしますが、このようにマインドフルネス的なグッツも会場のあちこちで売られていました。

という事で、「フランス最大のBIO展示会」には、エコやサスティナブルやスローライフや健康や長寿や気功やホメオパシーやマインドフルネスなど、様々なキーワードの出店者が集まっていてとても不思議な雰囲気を醸し出していました。

◆Bioとは「生き方の積極的選択」である

個性豊かな出店者を紹介しましたが、一つだけ共通していること、それは「生き方を積極的に選んでいる」という事です。BIOもエコもサスティナブルも、興味関心があるという事は自らの生き方に積極的に関与しているからこそ選べる選択肢なわけです。

パリで生活していて気づくのは、フランス人は自分の口に入るものが、どこでどのように作られたかにとても強い関心があるという事です。スーパーでもマルシェでも、どこでどのように作られたものか、誰が作ったものなのか、表示や会話を通じて情報を得ようとしていて、非常に関心が高いと感じます。日本に住んでいた頃は、例えば「オメガ3系の油が良い」とか「トマトのリコピンが良い」とか「○○菌が入ったヨーグルト風味のキャンディ」とか、日本人が健康に、そして特に“栄養素”について関心が高いと感じていましたが、それと同等かそれ以上に、フランス人は産地と生育方法に関心があると感じます。

この違いがどこから来るのか、今はまだ勉強不足でわからないのですが、この背景に歴史や文化的な違いがあるとすればそれはとても興味深い事だなと、BIOでエコでサスティナブルでスローライフで健康で長寿で気功でホメオパシーでマインドフルネスな会場をうろうろしながら思うのでした。

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