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どこまでも道にはみ出すカフェ&レストランの「外の席」と、その活用方法_パリ節約自炊生活番外編

パリの人は外の席が大好きです。暑くても寒くても日差しが強くても雨でも、外の席を好んで座ります。夏は、店内ガラガラ外満席という事もザラです。しかしこの「外の席」、法律上どうなっているのかわからないのですが、日本では考えられないくらいどんどんはみ出していきます。という事で今回はどこまでもはみ出すカフェ&レストランの「外の席」と、冬の寒さ対策についてお伝えします。


◆店の前にはみ出す:初級編

初級編は「店の前にはみ出す」。この程度は、ほぼ全てのカフェ&レストランがはみ出しています。最も通りが狭いところでは、写真下のように横並びの席と小さめのテーブルというのが一般的です。さらに通りが広くなると、テーブルが2列、3列と増えていきます。

◆歩道いっぱいはみ出す:中級編

中級編は「歩道いっぱいはみ出す」。もちろん歩道を潰すわけには行かないので、初級編の「店の前」と歩道の奥側の間に細い通り道を残しています。歩行者は、店のテーブルを両脇に見ながら、店の久の下を通行します。食事をしている人の間をぬって歩くのは結構大変ですし、犬の散歩も頻繁に通るのでなかなか騒がしいです。
しかも「歩道いっぱいはみ出す」お店の幾つかは、写真下のようにお店の外枠?を歩道に打ち付けてお店のスペースを確保しています。歩道に釘で枠を打ち付けて良いのかどうかわからないのですが、このように完全に歩道を占有しています。

◆車道まではみ出す:上級編

上級編になると「車道にまではみ出し」始めます。歩道が狭いためか、車道側に席を作り、枠や植木で囲ってお店のスペースとしています。写真真ん中のお店は歩道と仕切るカーテンもあり、ディナータイムにはカーテンを閉めて歩道を遮断、完全に外もお店として活用しています。ここまではみ出すと圧巻です。

◆外の席、冬の寒さ対策

前述の通り、氷点下でも外の席が人気です。そんな地元のみなさんの要望に応え、ほぼ全ての外席には写真のような赤外線ウォーマーが設置されています。屋根に設置できないお店は、写真下のようにスタンド式も活用。冬は朝から閉店まで、ずっと赤外線ウォーマーはフル稼働、寒風吹きすさぶパリで軒下だけは暖かい状態を保っています。

ずっと付けっ放しなんて電気代がもったいない!と思うかもしれませんが、日本人がお風呂にお湯溜めるのがもったいない!というフランス人の感覚とおそらく一緒で、必要性が無いとその利便性もわからないという事だと思います。フランス人にとって暑くても寒くても外で食事をする事が何よりも重要だからこそ、赤外線ウォーマーが各レストランに完備されているのでしょう。

◆外の席は覚悟が必要

パリの外席でお茶したり食事をしたりするのはおしゃれだと思うかもしれませんが、かなりの覚悟が必要です。

まず、パリの道はめちゃくちゃ汚い。タバコの吸い殻も犬の落し物も放置され放題です。さらに風が強い日はその汚れを巻き上げる風が吹きます。私も外で食事をしている時に、綿毛やらホコリやらが舞ってくる事はしょっちゅうなので、衛生面を気にさせる方は店内席のほうが無難です。

次に、季節によってはものすごく暑いしものすごく寒いです。おまけに、夕方にもなると強い日差しが襲ってきます。みなさん冬はコート着たまま食事してますし、体調面で自信がある時のみ外席をお勧めします。

また、外席にいるとカフェ&レストランとは関係無い物売りや似顔絵書きが寄ってくる事が多々あります。毅然とした態度で無視していれば問題無いですが、気の弱い方は店内席をお勧めします(たまに花売りは店内にも入ってきますが…)。

最後に、冬に赤外線ヒーターの下で食事をした場合、写真が全て真っ赤になります。写真上のパスタはアーリオオーリオですが、見た目は完全に真っ赤です。食事の内容をSNSにアップしたいのでしたら、断然中の席のほうがおすすめです。

と、注意事項は色々書きましたが、パリのカフェ&レストランの外の席に座り、街行く人たちを見るのはとても得難い経験だと思います。事前に注意事項をご覧いただき、それでも大丈夫!という方はぜひ地元のみなさんに混じって外の席でお茶や食事を楽しんでみてください。



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