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パリこでかけ パリ三大老舗百貨店編

タイトルが中国語っぽいですが、今回はパリにある3つの老舗(しにせ)百貨店についてお伝えします。名だたるブランドが集結していてお買物に便利な点もさる事ながら、パリの百貨店は建物が美しく、それ自体が観光する価値があります。旅程に時間が無い時ほど、観光とお買物が一緒に楽しめる百貨店はおすすめ、そんな百貨店の中から今回は老舗の3箇所を紹介します。

◆ギャルリー・ラファイエット (Galeries Lafayette)

1912年に建設された建物は、何よりもその内装が圧巻です。鉄とガラスを用いて優美な曲線を描いたドーム、その下に波打つように広がる上階の床、そしてその床の天井に彩られた花々のモチーフは、これぞアール・ヌーヴォー様式!という美しさで息を飲みます。歴史的建造物として保存されてても良いくらいの傑作ですが、普通に百貨店として営業しているのがフランスの良い所で、内装だけでも観る価値がある百貨店です。

別棟の地下にある食品売り場は広く、彩り豊かでとても美しいです。大量のチョコレート・調味料・瓶詰・缶詰が並び、お土産探しにもぴったりです。上の写真は製菓コーナーのトッピング、彩りが超絶かわいいです。フロア全体が彩り豊かで、見ているだけで気持ちがワクワクしてきます。

◆プランタン(Printemps)

1865年に開業した老舗百貨店で、ギャルリー・ラファイエットの隣に位置しています。ちなみにPrintempsはフランス語で“春”と言う意味だそうで、名を表すように華やかなブランドのお店が軒を連ねます。ギャルリー・ラファイエットより規模は劣るものの、こちらも美しいガラスドーム天井があります。日本ではダイエーと提携して銀座で展開していましたが、現在は撤退し跡地はマロニエゲートに改称して営業しています。

プランタンの特徴は、地下ではなく7階にレストランと一体化した食品売り場がある事。食品売場と連結したレストランからは、遮る建物無しにエッフェル塔やパリの街並みが一望できます。エッフェル塔近くのレストランと比べても空いていてリーズナブルなので、プランタン7階はパリの街を一望する穴場スポットです!

◆ボンマルシェ(Le Bon Marché)

こちらはパリ7区に位置し、1838年創業で世界最初の百貨店と言われているそうです。1887年には現在の建物が完成、エッフェル塔で有名なギュスターヴ・エッフェルも設計に加わったそうです。
上記2つが観光地のオペラ座周辺に位置するのに対し、ボンマルシェはパリ左岸の落ち着いたエリアにあるため、地元の奥様向けのハイソな品揃えが特徴です。特に注目すべきは1階の食品フロア。高い天井の1階全体に可愛らしく設置された棚に、フランスらしいスイーツ・チョコ・瓶詰・加工品が所狭しと並び、売場を巡るだけでトキメキが止まりません。奥には売場に面した角打ち的なカウンターもあり、地元のパリジャン・パリジェンヌが昼からカウンターで一杯引っ掛ける様子が見られます。パリの食べ物系お土産をゆっくり見たい時はこちらがオススメです。

◆オペラ(舞台)としての百貨店

ギャルリー・ラファイエットとプランタンは、オペラ座のすぐ近くにあります。この2つの百貨店内で気付いた事、それはお客さんの7割が中華系の方だという事。とりもなおさず店員さんも中華系の方が多勢で、百貨店の中にいると上海に居るのか銀座に居るのか分からなくなってくる程です。ヴィトンは入場規制されるほど、街で見かける以上に高濃度に中華系の方がお買物されてまいた。

振り返れば、時代や地域に関わらず、百貨店は小売業として“モノを売る”以上の役割を求められ、時代の先端を行き文化を啓発する役割を求められる存在でした。それはオペラ座も同様で、常にその時代の新しい芸術を発信し文化を啓発する場だったのです。
そして今の時代、百貨店は“爆買い”という時代の先端の消費行動を受け止める消費装置となり、中国系の方向けに中国系の方が接客するというオペラ的な舞台装置となっているわけです。このフランスの百貨店のオペラ的有り様や、腹の括り方やオペレーション戦略は、日本の小売業及び観光業にも、見習うところがあると感じました。

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