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就職する前に知りたかった内向型の気質

 初めて就職した会社で営業事務員として4年半勤めた。どうしてこんなに疲れるのだろう?私は会社勤めが合わないと思いつつ、せめて3年ぐらい頑張ったほうがいいんじゃないか?いやいや、3年だとぎりぎり過ぎると思い、4年半粘った。

 疲れの原因は、マルチタスクの多い営業事務という職種、そして一店舗に数人という少人数の人間関係。一人の社員が複数の業務を並行してやらないといけない。そういう職種と環境が私に合っていなかったのだ。

 当時は漠然と自分は仕事ができないヒトだと情けなく思っていた。自分は要領が悪い、仕事が遅い、ケアレスミスが多い…自己肯定感は下降するばかりだ。唯一助かったのは、良いお客さんに恵まれていて営業成績はなんとかクリアできていたことだ。

 一体何が私をそんなに疲弊させていたのか?ふつうに定時で帰る日もぐったり疲れていて、毎日帰り道のスーパーで買ったお惣菜とおにぎりを食べていた。(お惣菜を選ぶ気力もなく、ほぼ揚出し豆腐と決まっていた)

 週末は何もなければ昼間まで寝ぼう。コンビニのパンを食べ、レンタルビデオ屋へ行き、ずっと部屋で映画を見ていた。夜はどうしていたのか?たまに近所の友人と居酒屋にいくぐらいだった気がする。付き合っていた彼とは遠距離だったので、いつもほぼ一人だったけど、疲れていたから大丈夫だ。運動もしていないし、栄養のバランスも悪く不健康な生活だったけど、どうしようもなかった。

一体何が私をこんなに疲れさせていたのか。さっきも書いたけど、営業事務という職種と働く環境だ。今思うと内向型HPSには全く合わない。

想定外のことが次々起こる・・・当たり前だけど来客や電話はいつも予告なくやってくる。上司や先輩社員に用事を頼まれることもある。いつ、何を求められるかわからないのはとても困ることなのだ。

職場が騒がしい・・・電話の音、接客の声、有線放送から流れる音楽。いろいろな声や音がある中で仕事に集中することができない。落ち着いて集中できる時間も空間もなかった。

マルチタスクが多い・・・入力作業をしていると電話や来客がくる。上司や同僚に話しかけられる。また元の作業に戻るのに時間も集中力も使う。(元に戻るときの切り替えが遅いんです)その繰り返しで消耗し、ケアレスミスも出てしまう。夕方まで気力が持たない。

 内向型とかHSPという概念を全く知らなかったものだから、20代の前半はただただ疲弊していた記憶しかない。

 今はこう思う。適材適所。その職種と環境に適した人がやればフツウにできることでも、自分には合わなかった。「自分に向いている仕事」を真剣に考えずに「フツウにやればできるんじゃないかな」という気持ちで就職したからだ。学生時代の私はフツウにやればそこそこできるんじゃない?という感触をもっていた。でも、勉強と仕事はぜんぜん違うんだよ。

 もう一度書きます。過去の私のようにならないために自分の気質・職種・環境が合う働き方をすることは大切です。自分と自分の人生に対しての満足感、充実感が全く違ってきます。

 最初の職場で学んだのは、私は営業は全く向いていないということ。人に何かを売り込むのは苦手だ。正確さをかなり要求される事務も向いていない。しかし副産物もある。気づいたことは、私は真面目な性分のせいかある程度お客さんの信頼を得ることができて、人の個人的なストーリーに興味があるということだった。営業の成績はそれでもっていたのかもしれない。

 この気づきと経験は今でも活きている。そう思うと、辛かったけど無駄ではなかったのかなと思えてくる。渦中にいたころは「仕事する限りこれが一生続くの⁉」って絶望していたけどね。

 20代の頃あんなに劣等感が強かった私でも今は「私が私でいることはなかなか良い感じだな」と思っています。自分最高!とまでは行かないけど、この「なかなか良い感じ」ぐらいがちょうどいいんです。



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