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ひつじ製菓の材料•ここだけの話

とても久しぶりに書きますよ!
忙しいといえば「言い訳だ」と言われそうですが実際に忙しくて疲れて書く気力が無かったんです。
もっとマメにnoteが書けるような体力と脳みそが欲しい今日この頃です。
働き方改革考えなくては。

そんな中、今日はちょっと元気だったので!

先日、とある取材を受けました。
その後、記事のチェックをお願いされ目を通したのですが、自分が思ってもいない事や言ったつもりがない事がいくつか書かれていたので、修整をお願いしました。

こういう事はインタビューとかでもよくあります。
多分、私の喋り方や伝え方が下手なんだと思います。

今回の取材記事の中で一番気になったのは、ひつじ製菓で使っている材料がある程度こだわって厳選しているその理由が
「私の作るお菓子で健康に害が及ぶのは嫌だから」
というような事が書かれていました。

そこで私は「?」となった訳です。私は自分のお菓子を食べれば健康でいられるなど、1ミリも思った事が無かったので。

オーガニックや厳選素材を使う事=健康の為という先入観が取材の方にあったのか、私が誤解を招く表現をしてしまったからこういう記事が仕上がったのかもしれません。

私は、常日頃から「罪悪感のない」とは言っていますが「健康の為」とは言っていません。

そもそも、お菓子なんて健康の事を思ったら良いわけなんてないですから!それなら食べないのが、健康には一番いいと思います。

でも、やっぱり甘い物って精神的に必要な人は多いと思います。私もそうです。心と脳がほぐれるような、幸せな気持ちになります。

とはいえ、やはりカロリーが気になったりトランス脂肪酸やら何やらかんやら…甘い物を食べる時に少なからず罪悪感がよぎる人もいると思います。

そんな時、マーガリンやショートニングを使っていなかったり、お砂糖は化学精製ではなくオーガニックの甜菜糖だったりしたら少しは気が楽になるのではないか、と私は思ったのでなるべく罪悪感のない材料でお菓子を作ろうと思いました。

そういったこだわりの材料で実際お菓子を作っているお店は私の友人をはじめ、沢山いらっしゃいます。

唯一差別化出来る事といえば、私の経験でしょうか?
こんな私ですが一応、世界的にも名の知られる「本格パティスリー」という現場でも働いてきたので、ある程度の技術レベルの物は作れるつもりです。
(辛い事も沢山ありましたがなんとか乗り越えてきて良かった!!)

いわゆるパティスリーで並んでいるような繊細なケーキを罪悪感のない材料で作れているのでは、と思っています。

ただ、人それぞれ味の好みはありますし、素朴なお菓子にもそこにしかない魅力があるのでどちらが美味しいと比べるつもりはありません!

話はそれましたが…。
という訳で私はけっして健康を考えて作っているという事ではありません。こういう材料を使っていると、作り手もさぞかしヘルシーな食生活を送っているのだろうと思われがちですが…すみません、私は特にこだわりはありません。

ジャンクフードや下町の薄汚い酒場のおつまみからミシュラン星付きの高級料理まで幅広く好きです。
ちなみに、嫌いな食べ物は煮魚、ギラギラした魚、豆腐、豆類です。蕎麦は最近克服しました!

とまぁ、色々書きましたが、、、
材料について今まで書いた事は嘘ではないのですが実は表向きの理由なんです…。

なぜ、この材料を使っているのか今から本当の事を書きたいと思います。

私は歴史が好きです。フランス史は特に興味深く好きな時代がいくつかあります。
そんな私がパリに住めた事はこの上ない喜びでした。
お菓子〈 歴史 でしたから。

そんな中、中世の頃に生まれたお菓子が今なお残っていたり、あの歴史上の有名人が生きた時代に作られたお菓子が、これなんだ!!食べたのかな??などと考えると、とてもわくわくします。

そして、その時代の菓子職人の事を考えるのです。
冷蔵庫のない時代、パイ生地を作るのは大変だったんだろうな、とか計量とか適度だったんだろうな、さぞかし不衛生だったんだろうな、とか。

当然、その時代はまだ化学的な農薬など無かった訳ですから、砂糖も小麦粉も全てオーガニックだったという事ですよね。

ならば、数百年前のその時代に生まれたお菓子を当時と同じような材料で作ってみたい!!と思ったのです。

それだけです。

今までの取材でも一応、その事をボソボソと話したものの、一度も記事にして頂けた事はありません(笑)
内容が自己満足過ぎて面白くないんでしょうね。
共感も得にくそうだし。

でも、それが私の本音です。
そして、私は全然ヘルシーな女ではありません。
ただの食いしん坊です。

健康には気をつけながらも食べたい物は食べて、病気になったらちゃんとした医療機関でちゃんとした治療が受けられるように準備して、なるべく長くお菓子作りが出来るような人生を送りたいと思います。

おわり

にしやまゆみこ

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