見出し画像

さよならだけどさよならじゃない

君と一緒に仕事ができるのも春までだね
異動したって私たちの関係は変わらないわ
それともあなたは職場の同僚としてしか
私を見ていなかったの
#ジブリで学ぶ自治体財政
 
いよいよ令和5年度もラスト1週間を残すのみ。
全国の自治体職員さんがSNSで人事異動のことをつぶやいておられますね。
毎年繰り広げられる人事異動に関する悲喜こもごもについてはこれまでも何度も書いていますが、書き忘れた大事なことを今日は書き残しておきます。
 
人事評価が異動や昇任に反映されないことへの不満やそれに伴う人事課への不信についての私の受け止め方は以下の通りです。

 また、異動する際の前職への未練や異動先でやりたい仕事を担当できなかった場合の受け止めについてはこんな風に考えています。

しかしながら、人事異動にはもうひとつ、心にさざ波を立てる哀しい現実が伴います。
それは「お別れ」です。
誰しもこの時期経験し、心に大きな動揺を引き起こすのが上司や部下、同僚など、チームとして苦楽を共にしてきた仲間との別れです。
予期せぬ突然の異動はもちろんですが、異動適齢期、あるいは定年退職と言った予期できる別れであっても、これまで毎日のように顔を合わせてきた仲間とお別れするのはつらく寂しいものです。
しかし、宮仕えの宿命でもある年度での人事異動が避けられない以上、職場の同僚との別れは常に覚悟しておかなければなりません。
私は4月1日に必ず「このチームで仕事をするのはこの1年だけ。来年の3月末には解散します。その時を悔いなく迎えられるよう、一期一会を大切にしましょう」と訓示しています。
実際に、キツイ仕事場では離れがたい仲間ができることも多く、卒業する側も見送る側も涙なしではその場に居られないということもありました。
しかし毎年それだけの別れがあるということはそれだけ出逢いの機会が与えられているということであり、振り返ってみて10年、20年という時間の経過の中でたくさんの仲間、理解者、信頼できる友ができたというのは人事異動の賜物で、それは決して悪いものではないと感じています。
また人事は相性という面もあり、能力があってもそれが上司や部下、同僚との相性でうまく発揮できないこともあります。
そんな逆境も人事異動という機会に周りとの関係性がリセットされることで環境が変わり、そのおかげで再び活力を取り戻し、本来の能力を発揮できるようになるという事例も多数見てきました。
別れはさみしいですが、それがまた新たな出会いの始まりでもあります。
喜びと悲しみはいつもコインの裏表だと思って両面からみればいい。
そんな風に思います。
 
人事異動のお別れでちょっとしんどいのは、仕事で関係する機関や事業者、団体、住民といった、同じ業務領域でせっかくつながりを持てた役所外部のパートナーとの別れです。
(以下、2019年3月にfacebookに投稿した記事の再掲です)
私も経済部門で仕事をしていた時に、外部の民間事業者との懇親会でこんなやりとりがありました。
A「今村さん、異動は?」
私「来週内示なんでまだわかりません」
A「今村さん、来年も一緒に仕事したいから、今異動してもらったら困るんよねー」
私「私も同じ気持ちですけど、こればっかりはわかりませんからね」
この時期、外部の方といつもこんな会話になりなんとなく気まずくなるのが公務員の宿命。
外部の関係者たちはその業界でこれまでも生きてきてこれからも生きていく、そこに残る人たち。
2、3年の異動サイクルでその世界を少しだけつまみ食いして通り過ぎていくのはこちらとしてもなんだか失礼な感じですまなく思うことがたくさんありました。
 
そんなちょっと気まずい空気の中、隣にいた外部の別の方からかけていただいたひとこと。
B「今村さんはどこへ行っても今村さんだから。今と同じ立場でなくなっても、一緒に何かすることはできるよね?」
本当にありがたい言葉をいただきました。
立場としての自分を見ているのではなく、個人としての自分を見て評価いただき関係を築いていただいているんだと思うと、さっきまでの何となくすまない気持ち、気まずい思いが吹っ切れ、逆に異動があろうとなかろうと、どこに異動しようと、個人として関われるかたちで今後もこの分野に関わっていきたいし、異動でこの職責から離れたとしても、この仕事がいい方向に向かうよう残されたメンバーを陰から支えたいと思いました。
どこへ行こうと自分は自分。
個人として自分を見てくれていた人たちとは、きっと異動しようとすまいとその関係は続いて行くのだろうし、自分もその人たちをそんな風に見ておつきあいしていきたいと改めて思いました。(再掲終わり)
 
このエピソードがちょうど5年前のことです。
それから3回の異動を経験し、経済分野を離れ、地下鉄、教育、水道と全く異なる分野で新たな業務領域にチャレンジさせてもらいましたが、経済分野での仕事でいただいたたくさんの出逢い、つながりに助けられて、それぞれの場所で面白いことができました。
また、仕事ではなく個人として当時立ち上げたいくつかのプロジェクトに関わり、仕事を離れてもやりたいことはやれるという自信もできました。(最近、個人的な事情で少し活動が停滞してご迷惑をおかけしております<m(__)m>)
市役所の中も外もそうですが、結局は人事異動が「お別れ」を意味するかどうかは自分次第の面が大きいというのが私の実感です。
であれば、別れたくない人とは別れなければいい。
毎日のそれぞれの動向をSNSで確認し合ったり、たまには飯でも食って近況を確認しあったり、そんな付き合いが続けられたら、そうして異動した後も個人的におつきあいを続けていけば、またいつかどこかで何かを一緒にできる機会が巡ってくる。
それは自分自身の貴重な財産であり、人生を豊かにしてくれる宝物です。
相性の合わない人とのリセット効果を享受(笑)しつつ、新たな出会いに胸ときめかせ、多様なつながり、絆を得て自分自身の糧としていきましょう。
 
人事異動は、外部との人間関係の中での「お別れ」だけでなく、自分自身の現在からの「卒業」という意味合いも持っていると思っています。
人事異動で転出する人を送り、転入者を迎える際に、それぞれの方から異動者の決意をお聞きするこの季節は、異動者でなくてもその言葉に改めて心を打たれ、自分自身のこれからを考えさせられる貴重な機会だと毎年思います。
異動によって新しい環境に身を投じる場合は文字通り前職からの「卒業」で、新たな環境で新たなことを学び実践するという緊張感から否応なく自分自身の変化を意識しますが、異動しなくても上司が代わり、部下が代わり、置かれた環境は常に変化します。
異動しようとすまいと、今までと同じ自分であり続けることはできません。
環境の変化は、新しい環境に順応することで変わっていく自分自身の変化を楽しみ、それを成長ととらえることができる貴重な機会です。
それは、環境の変化に乗じて自分自身の過去、欠点、負の側面と決別し、未来に向かって新しい自分をデザインしていくことができる機会でもあります。
別れたくない友とは別れず、相性の悪い上司部下同僚とだけ決別する(笑)。
それと同じ要領でこれまで培った大事な宝物だけを持って新しい自分を目指し、要らないもの、捨てたいものを手放し、変わりたいこれまでの自分から「卒業」してみてはいかがでしょうか。
そうすることで、1年前、2年前の自分では考えつかなかった、思いもよらない自分自身をきっと発見できることでしょう。
そんな「別れ」と「出会い」の春がまた訪れたことを素直に喜び、満開の桜のもとでこれまでの自分からの「卒業」を祝いたいと思います。
 
★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
 
★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/
 
★書籍を購読された方同士の意見交換や交流、出前講座の開催スケジュールの共有などの目的で、Facebookグループを作っています。参加希望はメッセージを添えてください(^_-)-☆
https://www.facebook.com/groups/299484670905327/
 
★日々の雑事はこちらに投稿していますので、ご興味のある方はどうぞ。フォロー自由。友達申請はメッセージを添えてください(^_-)-☆
https://www.facebook.com/hiroshi.imamura.50/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?