映画『CATS』で感じた違和感。(※個人的見解です)
2020.2.14【毎日投稿#45】
こんにちは。
そういえば今日はバレンタインデーなんだね。
すっかり忘れていて、こんなテーマで書くことになってしまったことに若干の申し訳なさを感じています(笑)
映画レビューは基本的にしないのだけど、最近観た映画の中でダントツに引っかかる何かが自分の中にあったので、今日は敢えて残しておこうかなと。
注意:超個人的レビューです。(これから観る!という人は読まない方がいいかも。)
色々と書いていく前に。
この記事は超個人的レビューであるということをご了承ください。
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私はもともとミュージカルをやっていた身なので、もちろんCATSという作品に嫌という程(笑)触れてきました。
そして純粋に昔からCATSが好き。
私が一番お世話になったジャズダンスの恩師は劇団四季の初代CATSメンバー(これマジすごい)でもあるので、思い入れが強いのもあるのかも。。
そんな経緯もあり、正直一般的なレビューより主観的になっているかもしれないので、読みたくない人は本当に読まないで下さいね!!
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CATSに出演できる=誰もが認める一流ダンサー
いろんなミュージカルがある中で、圧倒的にダンスシーンが多いのはもちろんのこと、バレエやジャズダンスの技術だけでなく、猫を演じる上での勘の良さや身体能力、表現力が必要になってきます。
もちろん歌唱力も。(踊らない役もある)
そういったことも踏まえて、今回の映画キャストに敬意を払わずにはいられません。
というか、だからこそ、映画を観た後に残った違和感が悔しかった!!(泣)
…本題へ。。
ぶっちゃけ序盤から『違和感』だった…
そう。思い返せば正直序盤から『うわあ…』ってなってしまった。
私は映画を観る前にレビューやネタバレは絶対見ないようにしているので、この映画版CATSももちろん何も見ていない。
慣れ親しんだ作品ということもあって、映画版ではミュージカル版にないシーンや曲、登場人物(猫)の掘り下げ具合なんかもすごく楽しみだった。
そして何より私の大好きなジェニファー・ハドソンの歌唱シーンがどんな感じなのかワクワクしていた。
が…
早くも序盤のシーンで『あ…これは…なんかやばいぞ』感が湧いてきた。
え、街並みがなんか…
え、この煌びやかなネオンがなんか…
明らかに人が住んでいないような世界観がなんか…
え???!!!!
ダンスシーンがなんか…動きが不自然!!!!!!!!
めちゃくちゃ楽しみにしていた映画版。初っ端からこんな『え…』があるって…この先どうなるんだろう…。
そんな不安を抱きながらポップコーンを一気に5つ食くらい食べた。(そこどうでもいい)
残念なことに、『え…なんか…』連発の序盤からラストシーンまで、その"違和感"を拭うことはできなかった。
違和感その①:そもそも動きがおかしい
この映画版CATSでは「デジタル・ファー・テクノロジー(Digital Fur Technology)」と呼ばれるVFX技術を導入したらしい。
これは人間の役者にネコの毛を生やすためのVFX技術で、確かに皮膚と毛の境目なんかは綺麗だし、耳や尻尾の動きも滑らかだ。
が…このVFXなんとかのせいで、ダンサーの動きがカクカクしてしまったり、人間にしか出せない躍動感や、表情が変わることによってできるしわさえ消してしまっているのだ。
何て言うか…
"人間が猫を演じる"から面白いのであって、"完全なる猫人間"にしてしまったその浅はかさは頂けない><
↑これが何より嫌だった。
勿体なさすぎる。。
これだけ一流のダンサーや俳優・歌手を集めているのにも関わらず、"最新技術"のせいですべての『動き』や『立ち姿』に不自然さが生まれてしまって、しかも人間が猫を演じ切るというこの作品の敢えての『違和感』をマイナスな方に引っ張ってしまっている。
これがいろんなレビューにもあった『気持ち悪さ』に繋がってしまったのだと思う。
違和感その②:展開の仕方が微妙
CATSといえばあの有名なレミゼラブルのように、セリフがなく(レミゼは少しある)歌とダンスだけでシーンが展開されていく。
が、、
映画版の展開がとにかく微妙だった…。
気持ちが盛り上がるどころか、要所要所にチープなCGが使われていることに気が取られてしまったり、かと思えば中途半端に舞台版を取り入れてみたり…なんか、映画版ならではの『拘り』が全く見えなくて雑に感じてしまった。。
CATSは、正直言ってこれと言った深いストーリー展開はなければ、主人公もいない。
それでも感動するのは、そこに自らの見解を重ねて楽しめるという『余白』があるからだと私は思っている。
もちろんアンドリュー・ロイド=ウェバーの曲はいうまでもなく。
それなのに映画版は…その余白を無理やり埋めて、さらに『物語風』になるように無理やり展開してしまっている気がした。
違和感その③:追加された劇中歌が合っていない
映画版CATSには舞台版にはない劇中歌が追加されていた。
それはそれで映画ならではの楽しみだし、偏見なく聴けるのでメロディーが流れた時はある意味楽しみだった。
が…(またかい(笑))
なんか、合わない。。。
明らかに他のナンバーと溶け合っていない。
レミゼラブルの映画版も、同じように映画版のために作られた曲が追加されていたが、個人的には見事に溶け合っていたと思ったし、この曲があるからさらにストーリーの深みが増すような音楽だった。
何だろう。
この、取ってつけた感。
ストーリーをわかりやすく繋げたいという気持ちはわかるけど、それにしても従来のCATSナンバーと合っていないと個人的には思った。
こんなこと思いたくないけれど、CATSの製作陣は雑なのかな?
でも良いシーンもあった!!
ここまで批判しかしていないけど、良いシーンもあったんだよ!!
だって私はCATSがもともと大好きだし、本当にワクワクしていたし、悪いところばかりを見ようとするなんてことはしなかったんだから!これ本当に。
だからこそ良かったシーンも2つ挙げておきたい。(書いていて悲しくなったせいもある)
・イアンマッケランの演じる『ガス』が良かった。とても味があったし、舞台版との違いが良い方に出ていた。そのシーンはCATSの世界に入り込めた。
・やっぱりジェニファーハドソンが良かった。役としてはもう少し作り込んで欲しかったけど、(華やか過ぎてこの役には欠かせない"かわいそう感"がなかった)歌は本当に素晴らしい!
そして、違和感は確かにたくさんあったけれど、この作品の出演者・製作陣にリスペクトする気持ちは全く忘れていません。
たとえどんな評価であろうと、いろんな苦労を乗り越えて、犠牲を払ってこの作品を創ったはずだし、感動した人だって絶対いるはずだから。
このnoteに私が書いたことは、あくまで個人的な感想に過ぎないし、
何よりこの映画のおかげで作品を創ることの難しさや、舞台版の完成度の高さに改めて気づくことができた。
結論
できたら先に舞台を観て!!!(切実)
映画も観たい!という方は舞台→映画の順番で観ることを心からお勧めします。
映画版を見てしまうと、せっかくの『余白』が先に埋められてしまうと私は感じたので、できれば舞台版の『余白』をしっかり感じてから映画版を楽しんで欲しい。
そしてミュージカルCATSのとんでもない躍動感、CATSシアター(キャッツが上演されている専用のシアター)でしか味わえない臨場感、迫力、映画では残念ながら見ることのできなかった演者の汗や細かい表情・動きをしっかり目に焼き付けて欲しい。
まとめ
本当に今日は個人的な映画レビューになってしまったけど、やっぱり映画っていいなあ。
いろんなことを学べる。
いろんな人生を体験できる。
これからもたくさん映画観よう。
改めてハッピーバレンタイン♡
Yumi
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