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発達相談の現場から

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保健センターでの発達相談業務に20年近く関わっています。そこで感じたことを掘り下げてみたいと思います。 (守秘義務があるため個人情報などが特定されないよう適宜修正配慮しています)
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#発達相談

ケアと書類の深い関係

お祝い代わりの任意後見契約母N子さんとは彼女が80歳になったのを機に本人の希望でいざという…

村上由美
1年前
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今年もよろしくお願いいたします

近況報告9月以降コロナ禍での規制が徐々に緩和したことに伴い、オンライン研修なども徐々に復…

村上由美
1年前
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個人と時間について考えるー家族療法の話の前に

昨年旧知の仲であるコーチングバンクの原口佳典氏から「以前村上ちゃんの自宅でやった家族療法…

村上由美
2年前
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ことばの発達が気になる子どもの相談室 明石書店

まえがきにも書いたが、この本は以前共著の原稿を書いた同じ明石書店の本『仕事がしたい! 発…

村上由美
2年前
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着物コーディネート相談をした話

暗黙のルールに満ち溢れた世界 着物警察ということばを聞いたことがあるだろうか。夏祭りなど…

村上由美
2年前
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子どもたちの育ちをどう見守るか?

子どもとマスクの悩ましい関係感染力が強いデルタ株の流行で8月2日から東京・沖縄に加えて大…

村上由美
3年前
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コロナ2年目の夏に想う

最近のN子さんようやく新型コロナワクチンの接種が本格的に始まり、母N子さんも近所の病院で無事ワクチン接種を2回行えたのでホッとした。 このところは介護保険で週2回デイサービス(入浴と体操以外の時間は読書して過ごしている模様)と週1回ヘルパーさん(水回りや手が届かない箇所の掃除、布団干しなどを依頼)を利用し、週1回ほどサ高住の基本サービスについている買い物サービスを利用している。 他の日は家事をしてから以前はゆっくり見られなかったドキュメンタリー番組や読書を楽しみ、合間に私

新装版 A.P.ルリヤ著『言語と意識』(金子書房)レビュー その3(最終回)

病理的な見地から言語を考える現代は画像診断技術がルリヤたちが活躍した時代からは飛躍的に向…

村上由美
3年前
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新装版 A.P.ルリヤ著『言語と意識』(金子書房)レビュー その2

文の理解・表出について考える子どもは最初単語で話しているが、次第に語彙の数が増え、それに…

村上由美
3年前
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新装版 A.P.ルリヤ著『言語と意識』(金子書房)レビュー その1

この話題は古くて新しいーそれが私の率直な感想だ。特に現在多くの人が関心を持っている機械が…

村上由美
3年前
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言語を用いるとは?

最近改めて言語に関する本を読んでいる。昨今の研究では他の動物も言語らしきコミュニケーショ…

村上由美
3年前
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人間と機械の違いは何か?

アナログとデジタルの違いこのところ近くへ引っ越してきた母N子さんの生活をサポートすること…

村上由美
3年前
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3年目のペン習字

仕事半分趣味半分総務や経理をサポートしていた夫の仕事関係のことが一段落し、その後の片付け…

村上由美
4年前
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成長と合理性の狭間で

言語聴覚士として働き始めた頃、先輩の先生が「最近はダイヤル式の電話が減って困っちゃうのよ。ダイヤル式なら『ご両親が言った数字をダイヤルで回せますか?』って聞けば数字の理解と指の機能を同時に確認できたのに、プッシュホンだとダイヤルほど指の機能が分からないのよねぇ」と嘆いていた。 当時は「へえ、そういうものなのか」とそれほど気にとめていなかったが、今や携帯電話やスマートフォンの普及でプッシュホンすら家の中にあるかが怪しい状況になってしまった。 家の中から消えてしまったものは固