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発達相談の現場から

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保健センターでの発達相談業務に20年近く関わっています。そこで感じたことを掘り下げてみたいと思います。 (守秘義務があるため個人情報などが特定されないよう適宜修正配慮しています)
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記事一覧

新刊『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に親の介護をするための本』…

ご無沙汰しています。ずっとnoteを放置していましたが、実は昨年4月頃から新しい本の企画が立…

村上由美
4か月前
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ケアと書類の深い関係

お祝い代わりの任意後見契約母N子さんとは彼女が80歳になったのを機に本人の希望でいざという…

村上由美
1年前
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今年もよろしくお願いいたします

近況報告9月以降コロナ禍での規制が徐々に緩和したことに伴い、オンライン研修なども徐々に復…

村上由美
1年前
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語用論と哲学の話

暗黙のルールは差異で浮かび上がる私たちは何気なくことばを話している。きっと大多数の人にと…

村上由美
1年前
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大豆ミートの進化

私の夫は肉が嫌いだ。幼い頃は魚も食べられなかったそうだが、私が出会った頃は獣と鳥の肉が断…

村上由美
2年前
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ライフサイクルについて

家族療法について学ぶに当たり、避けて通れないのがライフサイクルという考え方だ。そこで今回…

村上由美
2年前
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改めて家族について考える

家族療法の話を進めている途中だが、ここで改めて家族とは何かを考えてみたい。 多くの人は家族と言われると両親と子ども(同居していれば祖父母も)をイメージすると思う。つまり ・同居している(利害関係を共にしている) ・血縁や婚姻関係・もしくはそれに準じた関係の人のつながり というのがポイントになるようだ。 かなり曖昧ではあるが、この2つの条件のいずれかもしくは両方当てはまることが人が家族関係について意識する要素だと言えよう。 恐らく家族ができた一番の理由は子どもを育て

家系図を描いてみる

家族療法を学ぶ上で基本となる考え方は、家族を1つのユニットとして捉え、症状が出ている人をI…

村上由美
2年前
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『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?』(河出書房新社)レビュー

Twitterで見かけて興味を持ったのでリアル書店数店で探したが、見つからなかったためネット書…

村上由美
2年前
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個人と時間について考えるー家族療法の話の前に

昨年旧知の仲であるコーチングバンクの原口佳典氏から「以前村上ちゃんの自宅でやった家族療法…

村上由美
2年前
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ことばの発達が気になる子どもの相談室 明石書店

まえがきにも書いたが、この本は以前共著の原稿を書いた同じ明石書店の本『仕事がしたい! 発…

村上由美
2年前
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2年ぶりのヘアドネーション

昨日久々にヘアドネーション目的で美容院へ行ってきた。仕事柄髪をまとめておきたいのと、発達…

村上由美
2年前
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コロナ禍三度目の春に想う

束の間の平穏デルタ株が落ち着いて2021年10月から11月はそれまでの緊迫した雰囲気から少しホッ…

村上由美
2年前
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母の体調 私の体調

スケジュール調整の課題持病がある-それだけで一気にしわ寄せが来るのが通院時間の確保だ。きっと同じような身の上でないとなかなかイメージがつかないかもしれない。 1箇所だけならまだいいのだが、それが複数の病院になると休診日や仕事のスケジュールを加味してパズルの如く当てはめていく必要がある。 最近はこれに加えて親の介護サービスや通院付添の予定もあるから、「えーと、この日ならN子さんは〇〇へ行っているはずだから…」とまずスマホのカレンダーアプリで予定を確認するようになった。 比