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わたしの推しの映画祭-第15回 関西クィア映画祭 2022の紹介-

みなさん、こんばんは。市川ゆめです。今回はわたしが応援している映画祭の宣伝をします。

第15回 関西クィア映画祭 2022 京都会場(大阪は終了しました)
日にち:9月23日(金)~25日(日)※24日夜はオールナイト
場所:ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川(詳細は以下)
公式ホームページ:https://kansai-qff.org/2022/

こちらに全日、お手伝いに行きます!
みなさまにも来ていただきたいので、宣伝をしていきます。良ければ最後まで読んでください。

以下にアクセスのページを載せます。


「関西クィア映画祭」ってなに

「関西クィア映画祭」(省略すると「KQFF」)とは、超簡単に言うと関西で行われるセクマイ系の映像作品を上映するお祭りです。
個人的には「LGBTだけじゃない」いろんな作品を扱っているところが素敵だと思っています。

関西クィア映画祭については公式ホームページにも説明がありますので、そちらを引用したいと思います。

「性に当たり前なんてないよ」

あなたはどんな性別で暮らしていますか? 恋愛やセックスは好きですか? どんな恋愛やセックス、人との関わり方をしていますか? 「男らしさ」や「女らしさ」が期待されることに、しんどくなった経験はありませんか?

もう既に「男女という制度」の枠組みから出て、自分らしい性を生きている人たちが、沢山います。典型的であってもなくてもいい。変(=クィア/queer)でもいい。性のあり方は多様だ。私たちは生きていける!
「クィア」を切り口に「性」をテーマにした映像作品を上映する関西クィア映画祭は、そんなメッセージがあふれる「みんなのお祭り」です。

関西クィア映画祭 公式ホームページ 趣旨
https://kansai-qff.org/2022/about.html

「LGBTだけじゃない」映画祭

「セクマイ系の映画祭で『LGBTだけじゃない』ってどういうこと?」と、思いませんでしたか?
わたしが関西クィア映画祭の魅力だと思っているその点について、書いていきます。

そのために、上映作品を紹介しましょう。

「世界は僕らに気づかない」

群馬県太田市に住む高校生の純悟(18)は、フィリピンパブに勤めるフィリピン人の母親を持つ。父親のことは母親から何も聞かされておらず、ただ毎月振り込まれる養育費だけが父親との繋がりである。
純悟には恋人の優助(18)がいるが、優助からパートナーシップを結ぶことを望まれても、自分の生い立ちが引け目となり、なかなか決断に踏み込めずにいた。
そんなある日、母親のレイナ(41)が再婚したいと、恋人を家に連れて来る。見知らぬ男と一緒に暮らすことを嫌がる純悟は、実の父親を探すことにするが…。
国内外の映画祭で受賞経験のある飯塚花笑監督が自身の体験をもとにしたオリジナル脚本を、2021年に大ヒットした映画『東京リベンジャーズ』に出演した堀家一希主演で映画化。

https://kansai-qff.org/2022/film/angry-son.html

この作品は、セクマイの話…と一言では表すことが難しいと思います。「フィリピン人の母親を持つ登場人物の葛藤が描かれるのだろう」ということは想像できます。

日本にもいろんな出身、ルーツを持つ人たちが生活しています。そういった人たちの中にもセクシャルマイノリティの人がいますが、なかなかこうやって描かれることはありません。「日本で生まれて育った登場人物が、セクシャルマイノリティであること」を描く作品は見ることがあっても、です。

わたしたちは日常の中でいろんなことを見落とし、無意識であっても差別をしてしまいます。その差別はLGBTやセクマイだけではないのです。そんなことを作品自体が教えてくれます。

もうひとつ、作品を紹介したいと思います。

「ジンジャーミルク」
健斗は淳が好き。淳は玲衣が好き。でも玲衣はあすかとキスしてる。そして、あすかは健斗が好き!?この四角関係、一体どうなる!?KQFF2018で上映した『虹色の朝が来るまで』の、ろう者の今井ミカ監督の最新作。
聴者の私にとって、特に印象的だったのが、ろう者の玲衣が聴者の淳に「もっと勉強したら?」と言うシーン。手話を勉強しているにもかかわらず、日本手話と音声日本語は違う言語であることを分かっていない淳に対して怒るシーンだ。
このシーンからも分かるが、この映画は四角関係を描いた純粋なエンターテイメントであるだけではなく、マジョリティ(聴者)とマイノリティ(ろう者)の関係性を絶妙に描いている「差別」についての映画でもある。
これは、ろう者の今井ミカ監督から聴者のセクマイへのメッセージが込められた映画であると思う。「どうやったら一緒にいられるだろうか?一緒にいるためにあなたたちは何をしてくれるだろうか?」そう言ってるように感じられる。あなたがもし聴者であるなら、自分の特権についても振り返るきっかけにしてもらいたい、そんな作品である。
(文責:西木久実)

https://kansai-qff.org/2022/film/ginger-and-honey-milk.html

上記の引用を読めばわかりますが、セクマイだけではなく、ろう者と聴者についての作品でもあります。そこにある差別や特権について、描いているのです。

この作品は大阪会場でみましたが、聴者の自分にとって、まだまだろう者の人たちのことを知らないと実感させられた作品でした。
初めて見る表現方法や作中で描かれるすれ違いなどに、気づかされっぱなしという感じで、もっと勉強せねばならないと思いました。

これらの作品のように関西クィア映画祭が上映する作品たちは「LGBTだけじゃない」のです。

そういえば、「クィア」ってなに

映画祭の名前にも入っている「クィア」。英表記だと「Queer」となり、「変な/奇妙な」という意味の言葉です。
この言葉は元々、セクシャルマイノリティの人たちを差別する言葉、蔑称だったものを、セクシャルマイノリティ当事者たちが自ら「変でなにが悪いんだ」と逆手に取って名乗り出したという歴史のある言葉です。最近やっとですが、日本でも聞かれるようになってきました。

「クィア」はセクマイとイコールで使われたり、説明されたりすることが多いのですが、わたしはこの言葉の歴史を踏まえると「クィア」とは、「セクマイであり、かつマイノリティについて目を向け続けている人」だと思います。

作品紹介のときに書いたように、セクマイやLGBT以外のマイノリティがこの世にはたくさんあります。そういったことにもアンテナを張り、自分自身が差別していることにも目を向けていく…そういった人たちのことを「クィア」と呼ぶのではないかと考えています。

これはあくまでもわたしの意見です。足りないところもあるかもしれませんが、セクマイと同じであったり、LGBTに代わる包括的な言い方ではないというところは重要です。

楽しみになる!3つの推しポイント

第15回 関西クィア映画祭 2022の推しポイントをわたしなりに書いていきます!読んだら、きっと行きたくなります。

聞いたことある?ノンバイナリーの映画

最初に紹介したいのは「ノンバイナリー ミニ特集」。ひとつのプログラムでノンバイナリーに関する映画が2本鑑賞できます。この特集をやると知ったとき、わたしは本当にびっくりしました。今まで聞いたことも、考えもしなかったからです。

ノンバイナリーミニ特集では、「ここにある美しさ」「アンバー、いつまでも」が上映されます。ミニ特集についてまた公式ホームページから引用したいと思います。

最近日本でも名乗る人が増えてきた「ノンバイナリー」。宇多田ヒカルさんも2021年6月の自身のインスタライブで名乗っている。「あなたは男なのか、女なのか」という(無自覚にがさつな)問いに対して、「どちらでもありません」「男女の性別二元主義には当てはまりません」などと答えるあり方だ。同様の意味で日本では「Xジェンダー」という言葉も使われてきた。
しかも、ノンバイナリー/Xジェンダーといっても、一括りに出来るものではない。身体への医療的措置を望むかどうか、どのような服を着るか、自称は何か、代名詞は何がいいか、なども、1人1人あり方は実は様々だ。今回のミニ特集を通じて、そんなことを感じてもらえるとうれしいです。

https://kansai-qff.org/2022/film/#non-binary-films

今、引用した文章を読んだときに「ほんまそれな!」とわたしは思いました。「1人1人あり方は実は様々だ」というところにとても共感しました。何かモヤモヤを抱えている人にも来てほしいプログラムです。

日本のセクマイ系作品たち、どれに投票する?

次に紹介したいのは「国内作品コンペティション」です。公募で集まった作品から5作品を上映、その後、観客による投票を行うというプログラムです。

日本で作られたセクマイ系の作品自体、見る機会が少ないものなので5作品もひとつのプログラムで見られるのはとても貴重な機会です。また、投票というかたちで参加ができる点も楽しいポイントだと思います。

上映だけでなく、監督などのトークや質疑応答もあるそうで、制作秘話や疑問に思ったところがわかるかもしれません!

京都だけ!オールナイトで映画をみまくろう!

最後に推したいのは、オールナイト上映です!9月24日(土)の22:45~05:01まで、ひとつのプログラムとしてみることができます。お得です。

オールナイトで上映される作品
「フリアの週末」「自分が自分であるために」「Veils」「アンバー、いつまでも」「夫=夫」「サラダは人生」「世界は僕らに気づかない」

これだけの作品を一気見できます。夜に来て、始発で帰るなんてこともできます。2年ぶり(わたしの記憶が正しければ…)のオールナイトです。わたしも楽しみにしています!

チケットの価格が選べる???

映画祭の推しポイントを書いてきましたが、行きたいなと思っていただけたでしょうか?チケットが買いたい、という方に購入ぺージをお伝えする前に、今回の関西クィア映画祭のチケットシステムについてお伝えしたいと思います。

映画館で普段、買うチケットとはシステムが違うのです。

チケットの価格は「裁量価格制」


まず、チケットには「1回券」と「京都パス」があります。「京都パス」は販売日に売り切れてしまったので、京都会場における「1回券」について説明します。

チケットは「裁量価格制」というシステムで、3段階の値段に分かれています。

□京都1回券(A価格):800円
・食費や家賃の支払いに困っている
・一ヶ月の収入が15万円以下
□京都1回券(B価格):1,600円
・明日の生活に金銭的な支障がない
□京都1回券(C価格):2,400円
・経済的余裕がある・映画祭をお金で応援したい

以上の3段階にわかれており、1プログラムの購入価格をここから選ぶシステムとなっています。個人個人の経済状況に応じてプログラムをみることができるのです。

「自分で選んでいいの?」と思われるかもしれませんが、これは経済格差という個人の努力ではどうにもならない社会的構造のために、参加できない人を減らし、みんなで助け合う文化をクィア・コミュニティーに作るためだそうです。そのため、証明書なども不要です。

もっと書きたいけど

もっと書きたいけど、終わらなくなりそうなので、詳しくは公式ホームページを隅から隅までご覧ください!

わたしは当日、ずっとお手伝いしています。いろんな方に会えるのを楽しみにしております。

最後まで読んでくださってありがとうございました。また当日、お会いいたしましょう。市川ゆめでした。

※ここに書かれたことは市川ゆめがホームページやパンフレットを見て書いたものです。もし、間違いなどがありましたらご指摘ください。
※質問などは公式ホームページから関西クィア映画祭へお願いいたします。


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